One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ One’s Way Part1(その5-1)2017/10/22

今は廃刊となっている『月刊ニューサイクリング』誌の2013年11月号に掲載された作品です。
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■ 立山アルペンヒルクライム2013 -1

2013年6月23日。北陸地方が梅雨入りして間もなく、その日は梅雨の中休みで晴天だった。本当に良かった。もし雨が降っていたら僕はサイクリングしない。

かつて立山の女神は、中学生だった僕を魅了し、僕を現在まで導いてくれた。中学2年生のとき、一人でバス乗車した美女平から室動までの道、いわゆる「天空ロード(高原バス有料道路)」を、この日僕は初めてロードバイクで走るのだ。

今年初めて開催された立山アルペンヒルクライム2013。普段「天空ロード」はマイカーは無論のこと、自転車は通行できない。大会を企画してくださった関係各位に一人のサイクリストとして心から感謝したい。行政や警察との折衝は大変な苦労であったと推察する。その証拠に、大会スケジュールが極めて時間的に厳しいものであった。

バスの始発時刻午前8時までには「天空ロード」上に、選手、スタッフ、標識等全て撤去して、有料道路の営業に支障をきたしてはいけない。「天空ロード」は富山県観光のドル箱なのである。故にレースのスタート時間が午前5時30分。そこから逆算すると、全員宿泊を指定された立山国際ホテルをバスで出発するのが午前4時であった。朝が早いことは仕方が無い。そこは夏山である。日の出と共に活動し始めるのが山人のスタイルであり、山のルールだ。最も厳しい条件だったのは、レース途中の関門通過の制限時間だった。

標高977メートルの美女平から標高2450メートルの室堂までの22.3キロのコース。平均勾配約6.6%の上り坂である。実際に走ってみて分かったことであるが、コースには平坦及び下りは1ミリたりとも存在しなかった。そんなコースで最初の関門が、スタートから9.9キロ地点の弘法バス停(標高1620m)。そこをスタート後50分以内に通過しなくてはいけない。1キロ5分、平均時速12キロ以上のペースをキープしなければならないのだ。しかも酸素の薄い高地で。

続いて第二関門は弥陀ヶ原バス停。弘法バス停から4.8キロ地点の第二関門を、第一関門通過後25分以内に通過しなければならない。第一関門をクリアした後もペースを落とすことは許されない。このタイムリミットは実際に厳しかったようで、レース結果では97名出走中、完走率がおよそ8割であった。ただし第二関門を通過できれば、残り8キロ弱のすばらしい景観の中、1時間かけてゆっくり(?)レースを堪能することができる。

バイク梱包作業
※ 立山アルペンヒルクライム前日、トナミ運輸による丁寧なバイク梱包作業

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