One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ manimaniが我が家に by M2017/11/13

昨日の夕刻、TAD富山県美術館で開催中のビエンナーレとやま2017のギャラリートークを終えた本郷仁さんが我が家へお越しくださいました。

そして、18日(土)、19日(日)に開催するOne’s Way- それぞれのあたりまえ -に展示する作品の一部manimaniの雲を設置して下さいました。

manimani
manimaniは2013年の秋に本郷さんが富山市のギャラリーNOWさんで開かれた個展で展示された作品群です。今回はそのミニ版の展示となります。風に揺れるがままの揺らぎ、反射光、映り込みを楽しめます。

9日(木)に下見に来ていただいてから、設置用のボードを作成、光源を設置するための木材を用意、そして現場でコードの長さを調整して設置完了でした。

本郷仁さん作業中

光源の準備中、本郷仁さん

ここまでやってくださる本郷さんに改めて感謝です。イベント当日はmanimaniの雲のほか、太陽と月も設置される予定です。お天気が気になりますが、どんな天気になっても本郷さんの作品を楽しめることでしょう。

さらに昨日は、加積窯の濱元丈二さん、タウの木の中村ヨウイチさん、bam chopsの早川さんの作品も届きました。今日は什器を設置して大まかに作品をレイアウトしてみる予定です。

■ ガルバ垣は里山のインスタレーション by T2017/11/13


南西側ガルバ垣

北東側ガルバ垣
昨日の記事で妻が書いたように、今日ガルバリウム鋼板製のシシ垣が完成しました。実用性と耐久性、耐風性、メンテナンスフリー、対費用効果、対労働効果を考慮してたどり着いた結論が、亜鉛ドブメッキ単管杭&ガルバリウム鋼板によるシシ垣。

ガルバ鋼板は高さが65センチと少々低め。その問題を解決するため半分に切断し15センチの空間を開けました。それによって高さを80センチに上げることができ、かつ隙間を風が逃げることによって耐風性もアップさせました。ガルバ鋼板の固定は、銀メッキクランプおよびステンレス針金(1.2ミリ)。

以上により冬季雪の中でも設置したままにしておくことが可能と考えています。

ただ最も気になったのは、有機的な自然の中に突如として出現した無機的インダストリアル風景。里山の風景を壊しはしないかということです。補強も兼ねて割竹のシシガキもそのまま残しましたが、やはり自然の中の異形感は払拭できません。

それならばいっそのこと、ガルバシシ垣をインスタレーション(制作者が意図的に空間を変化、異化させ空間全体を作品化すること)と認識すれば良いのではないかと考えました。幸い、母屋の屋根はステンレス瓦棒、玄関アプローチの橋および門扉も亜鉛ドブメッキのスチール製。それに比べてガルバ鋼板は若干軽薄に見えないこともありませんが質感としてそんなに違和感はなく、また軽さを軽妙さに活かせば良いと思います。母屋は高床の構造のためツリーハウスもしくは水面に浮かぶボートハウスのごとく視覚的に軽量感が特徴です。よってシルバーガルバリウムの軽さとマッチしていると思います。

「ん?何か見慣れない風景だな、何だろう??」そんな印象を持ち、思わず注視せざるを得ないとなれば、それは僕にとって大成功というわけです。

最近、イノシシ用の電気柵や恒久設置のフェンスをよく見かけるようになりました。でもよく聞いてみると、行政の補助金に頼ったり頼ろうとしたりといった実態が僕には見えてきました。確かに農家にとっては大変なことだとは思います。

一方でこんなアーティストも存在します。それはクリスト&ジャンヌ=クロード。
彼と彼女は自力で北カリフォルニアの農場に約40キロの布製フェンスを作り上げました。この作品は『ランニング・フェンス』と言います。

彼らは言っています。
「アイディアを出すことはさほど大変ではない。難しいのはそれを実現することだ。」

何億もの制作資金を行政に依存せずスポンサーの出資に頼らず、クリスト&ジャンヌ=クロードは自らの作品販売によって稼いだ資金のみで『ランニング・フェンス』を作り上げたそうです。

「自力で実現するリアリティー」(糸井重里の言葉)の凄さを物語っています。

追伸:作品『ランニング・フェンス』(実物ではなく写真アート)は、富山県美術館のコレクション作品として所蔵されており、現在展覧中です。