One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 続・土間と高床 by T2018/02/08

屋根雪山脈
前回、旅する巨人と呼ばれた宮本常一氏の土間と高床に関する考察について、記事を書きましたが、その続きです。

宮本氏は、土間は寒い北方系、高床は暑い南方系と述べていましたが、高床は雪国にも適していると僕は思います。屋根雪を自然落雪させた場合、家の周囲にはかなり高い雪の山ができます。家が雪に埋もれないためには基礎の高い高床構造が適していると思われます。冬場に冷風が床下を通るのを防ぐために、基礎の開口部を扉などで閉じるような仕組みにしておけば問題ありません。積もった雪の山脈も防風効果を発揮してくれます。

極寒のシベリアなどでは、地面を覆う永久凍土が室内の熱で溶け、家が傾くのを防ぐために、敢えて高床建築にしたりしています。よって高床は暑い地域のみに適しているのではなく、寒い雪国にも適していると僕は考えます。

もう一つ土間と高床に関して、宮本氏は面白いことをおっしゃっていました。それはそもそも仏教寺院は土間建築だったということです。現在のお寺は偉いという意識が高くなったのか高床建築が多いですが、仏教が日本に伝来した頃の法隆寺金堂や東大寺法華堂などは土間に須弥壇を設け、仏様を安置しています。それに対し高床倉庫から発展したような神社建築は全て高床です。土間の神社は存在しません。

貴族の寝殿造や武士の館は高床です。これは家で作業労働をしない人間の家に見られる特色です。それに対し家の中で農作業をする農家には土間が必要となってきます。この点からして仏教が土間建築だということにとても興味が湧きます。生きとし生けるもの全て平等といった平和的思想の仏教に通じるものを感じます。

写真は、我が家の高床基礎の周りにできた屋根雪山脈です。高床だからこそ屋根雪を自然落雪させることができます。

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