One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ この自転車おいくらですか? by T2018/04/26

おいくらですか?
あなたのその自転車の値段はいくら?と言う質問ほど難しい質問はない。

生まれて初めて買った競走用自転車(ロードバイク)は中古で3万円だった。それから少しずつ部品を交換して現在に至っている。現在では当初の自転車の部品は全て入れ替わってしまっている。フレームも当初のものではない。最も長く使用している部品はサンシン工業製の後輪ハブで、これは大学4年生の頃から使用しているものだ。このハブだって玉押しやベアリング、シャフトを交換しているので、正確に言えば後輪ハブのフランジ本体のみが約40年近く使用されていることになる。そのフランジ本体さえもオリジナル当初のものではない。

だから、あなたのその自転車はいくらですかと質問された場合、3万円というのも気が引けるし、だからといって今まで費やしたお金の総額を答えるのもおかしい気がする。そもそも総額は僕にも分からない。

僕の自転車に限らず、僕自身だって新陳代謝によって日々細胞が入れ替わり、当初の自分の身体ではなくなってしまっている。しかし自分というアイデンティティを見失うことなく50年以上も自己を同一視し続けている。そういう観点からすれば、僕の自転車は3万円から始まったと答えることにしようかな。この事実だけは真実である。と同時に、正直言って僕の自転車をお金という尺度で客観視したくないのが偽らざる本心である。