One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 選択と抑制 by T2018/07/06

自動霜取り機能のない冷蔵庫
数年前、東京の輸入冷蔵庫やガスコンロを取り扱っているショールームでスタッフの人が話していました。

「ヨーロッパ人は機能性を重視、アメリカ人はパワー性を重視、日本人は便利さを重視。」

よって日本の電気製品などは、僕に言わせれば要らない機能が過剰に付いていて、その分価格に上乗せされている。そしてシンプルな必要最低限の機能を持つ製品が入手困難であるということです。本当に困ります。例えば冷蔵庫では自動製氷機や自動霜取り機能などは僕にとって要りません。

ところで日本の軽トラックがアメリカで人気だそうです。その気持ちとても分かります。それは極めて機能的でよく働いてくれるから。機能的であるということは無駄な故障も少ない。

故障にも意味のある故障と無駄な故障があります。欧米人には機械は故障するものであり、修理して使うものだという感覚が明確であると知人が言っていました。そして修理するためにシンプルで機能的な方が修理しやすいです。これが意味のある故障です。無駄な故障とは、例えば車のパワーウィンドウの故障。かつての様に手動でクルクル回す開閉だと故障も少ない。以前乗っていた車のパワーウィンドウ修理に数万円出費した時、虚しさを感じました。その点軽トラックは手動ウィンドウ。マニュアルギアなのでコンピュータトラブルもありません。

便利な製品があっても良い。でも一方でシンプル機能的な製品の選択肢も保証してほしい。

便利な製品は価格的に高くなる傾向がある。値段が高いから良い製品だとは限りません。要は使う人のニーズとライフスタイルです。

参考に落合正勝『ダンディズム』2003光文社新書より
「選択と抑制を必要としないのは、本当の豊富ではない。限られたもので、足の先まで美しい調和をはかるのが、むしろ贅沢なのだろう。」と述べたのは川端康成だ。私はこの一文に触れた時、川端の云う「贅沢」とは、物質的な贅沢でなく「ダンディズム」そのものだと解釈した。ダンディズムを貫くことは、選択と抑制が必要だからだ。