One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 雑草と雑木林 by T2018/08/04

パヴェの隙間に生きるスミレ
写真家、亀田龍吉氏は著書『雑草の呼び名辞典』のあとがきの中で、以下のように述べています。

私は「雑草」という言葉は本当は好きではありません。その言葉には、人間の役に立たない物は十把一絡げにしてしまえというような人間の勝手とおごり、そして自然への無関心も少し見え隠れするからです。

ガツンと効く言葉です。

妻は草むしりをする際、レンゲソウ、スミレ、セリ、ミツバ、ドクダミ、シロツメクサ、ヘビイチゴ、ウマノアシガタ、ツユクサ、ススキ、シダ、ヨメナなど、雑草と片付けられがちの野草花たちを意図的に場所を設定して残したりしています。僕は時々草刈機で除草してしまい妻に注意されることもあります。

雑草と呼ばれる野の草花は、高いお金を出して購入移植しなくても、適した場所を自ら選択し自然に育ってくれています。そして逞しく、 日本の風景に馴染み、手間いらずで、しかも高級な園芸種に負けないくらい光合成や蒸散作用を行なって環境保全に貢献しています。雑草の根があるおかげで土も流れ出しません。除草剤のおかげで雑草も生えないようなテカテカ・ピカピカのとてもビューティフルな死んだ土の上で、どうして人間が健康で文化的に暮らすことができるでしょう。

ところで、我が家の庭はコナラやクヌギ、エノキやイヌシデ、ウワミズザクラやアカメガシワ、ヤブニッケイやヒサカキ、タラノキやヌルデ・・つまり雑木主体の庭です。コブシやヤマボウシ、カツラやネムノキ、ヤマザクラやシラカシといった人気のある雑木もありますが、樹木数としては一般的な庭内で見られることのない雑木、つまり聞いたことのないような雑木がとても多いです。それはもともと自生していた雑木が多いからです。僕もここに住み始めて名前を覚えた雑木たちです。そんな非庭木的な十把一絡げの雑木を生かしながら庭作りを楽しんできました。いつしか雑木林という言葉が僕はとても好きになっていました。

ならば雑草も然り。これからは雑草を生かした心地良く強健なハイブリッド空間を目指したいと思います。

人の言葉や先入観を捨て、冷静に合理的に雑草を見つめ直した時、貴方は雑草を善者と考えますか?それとも悪者と考えますか?

もし雑草を善者と考えるならば、なぜ自分は善者を恐れる必要があるでしょうか。なぜ、善者に戦いを挑む必要があるのでしょうか。

善を嫌う者は、即ち悪者に他なりません。

写真はパヴェの隙間に生きるスミレです。

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