One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 声を上げることから by M2018/11/24

ケルン大聖堂_Nov.2018
ドイツでは障害のある人、移民の背景を持つ人、貧困で苦しむ人を支援するのは民間機関でした。公的機関ではなく民間機関がイニシアチブを取る理由はナチスの時代を繰り返さないためにということでした。

民間機関が支援することで、支援に多様性が生まれ、選択肢が増えるそうです。先に記事にした主体性とも通じます。

多様な選択肢があれば、主体的に支援を選べます。選んでみて合わなければ他の選択をすることも可能です。主権者は自分の選択とその結果に責任を持つのです。

さて、先に紹介した「ミッテンドゥリン 保育園」では、建物の一角と庭とを住民に開放していました。そこでは子どもを保育園に預けた母親の交流の場となり、ドイツ語を話せる人が話せない人に教えることもあるそうです。庭では誕生会を開いたり、地域の高齢者の方の憩いの場となったり、管理をしてくださる方も出てきているとのこと。地域住民の要望でイベントも開催したとか。その発端が地域の家庭を一件一件訪問して集めたアンケートだったそうです。

保育園が地域の核となり、住民を巻き込んで子育て環境を整えていました。とは言っても荒んだ生活をしてる住民は多く、毎朝、道路から園へのアプローチ(それほど広くはありません)の掃除に5人のスタッフで1時間半かかるそうです。

訪問時には小さなゴミが2つ、3つ残っていました。それを見つけた園長は「スタッフに注意しておかないとね!」と一言。綺麗にしておくことをとても重視しているとおっしゃっていました。

保育園が綺麗になる→家が綺麗になる→地域が綺麗になる→地域を好きになる→地域が活性化する→保育園が活性化する・・・(ちょっとした仕掛けがありました!)

素晴らしい循環を生んでいます。経費は政府、州、市、保護者負担、民間団体からの寄付等でまかなっているとのことでした。経費獲得のためにプロジェクトを申請する、終了後はまた新たなプロジェクトに応募する、その繰り返しだそうです。

家計に関する相談会の開催、地域の青少年を巻き込んだフェスティバルの実施etc. どれもきっかけは園児の家族、住民の要望から始まったそうです。

声を上げる、行動に移す、結果が自分に還ってくる、主権者そのものです。あなた任せ、行政任せではなく、地域の核となる機関が主権者教育をする。自立した国民になるでしょう。

ちなみに法律に基づいていれば、何をやってもいいそうです。自由度が高いので、事業の申請は地域のニーズに根付いたものになり、効果も高いとのこでした。

写真は、滞在中に3日間滞在したケルンの大聖堂の写真です。その荘厳さは1996年に訪れた時とかわりはありませんでした。

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