One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ どうやって目的地に辿り着くか by T2020/01/10

フィッチバーグ鉄道
H.D.ソローの著書『森の生活』(1854)には、こんな話が登場します。

コンコードからフィッチバーグまでの距離は30マイル(約50キロ)、鉄道の運賃は90セント(当時の労働者の1日のほぼ給料額)。私は今すぐ徒歩で出発する。そうすれば夜には到着する。君は1日働いて運賃を稼ぐ。そして仕事が終わった翌日汽車に乗る。よって私は常に君の先を歩いている。私が既に知っていたことは、最も迅速な旅行者という者は歩いて行く人だということだ。

150年以上も前のアメリカにおける話で、現在の日本の鉄道運賃はもっと安くなっていますが、とても示唆に富んだ話だと僕は思います。現在の日本ではクルマを使うかも知れませんね。でもクルマは鉄道以上に購入費、維持費、保険等を総合的に判断すれば高額かも知れません。

先日のブログで、我が家における1年間の冷暖房費が2万円あればお釣りが来るという事実を書きました。それは薪ストーブで暖房しているからだと。
しかし、もし乾燥済みの薪を全て購入したとしたならば2万円では無理です。乾燥薪を全て購入するとなると25万円以上の暖房費がかかります。自分で原木を運び自分で割って薪を作るから暖房費が抑制されるのです。

現在の日本において、人々の中には日々残業をこなし、ヘトヘトになって、ようやく残された僅かの自分時間を、疲労した心身の回復のためのストレス発散に当て、せっかく稼いだお金を消費し、それでもって残ったお金から生存していくために必要な冷暖房用電気や石油を購入している。そんな人々が少なからず存在しているように思えます。

全く自給自足せよとソローは主張しているわけではありません。もっと賢い時間の使い方を提案しているわけです。

徒歩で旅行すれば、移動することに加え、クルマ等の旅行では得られない付加価値があります。
自分で里山に入り薪を作れば、暖房することに加え、遠くから危険を犯して購入してくる電気や石油を購入する暖房では決して得られない健康的な喜びがあります。薪作り自身がストレス発散にもなります。

自分が生きていくために自分の時間を使うこと。
確かに職業的に働くことも生きていくためです。しかし、
自分が生きていく上で、優先順位というものを考慮し、優先順位の高い項目に自分の時間を重点的に使うこと。
自分でよく考えて時間を使わないならば、知らず知らずのうちに時間泥棒によって自分時間を掠め取られていくかも知れません。

僕に与えられた時間とは、僕の人生そのものです。