One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 食は重大事 by T2020/02/01

エベレスト街道のクッキングストーブ
旅は多くのことを教えてくれます。今でも強烈に残っている旅の記憶があります。それは、エベレスト街道をトレッキングした時の記憶です。

街道のスタート地点であるルクラから歩き始めた第一日目、モンジョという小さな山村のロッジに宿泊しました。次の朝、薪の燃え盛るクッキングストーブの傍らの食堂で、年配の男性トレッカーが一人で朝食を食べておられました。朝食といっても茹で卵一つ。その茹で卵の殻をゆっくり丁寧に剥き、ゆっくり丁寧に一つの卵を食べておられました。ただそれだけの光景です。ただそれだけの光景が強烈に記憶に残っています。

朝食に茹で卵一つしか無いと思うか、茹で卵一つあると思うか、事実は唯一であっても認識は多様です。そして私たち人間は傾向として無いモノを求めがちです。と同時に有って当然とも考えがちです。そのような人間としての傾向が、食を軽く認識しがちな現在の日本につながっているように思えます。

日本の食料自給率は散々たる状況です。それなのに僕の住んでいる富山県は、日本で最も食品ロスの多い県(県民一人当たり)です。必要以上に食を用意し必要以上に食を捨てているとても貧しい県です。何故それが貧しいと言われるのか、それは満たされる心が無いからです。

食をしつらえることも重大事、食をいただくことも重大事、人生それ以上の重大事とは果たして何なのでしょうか?

写真はエベレスト街道のクッキングストーブです。