■ 現代カントリージェントルマンへの道 by T ― 2020/02/15
なぜ日本人男性のスーツ姿がイマイチ決まらないのか、僕が推察するに、そのダサさはスーツ姿で靴を脱ぐところから始まる。靴を脱いだスーツ姿はどう頑張ってもダサい。
ところで、職種に限らず誰もが着用するであろうスーツ、それは葬儀等で着用するフォーマルスーツ(黒の礼服)である。かつて葬儀は自宅やお寺で行われていた時代、靴を脱いで室内に入る姿はとてもダサかった。しかしそのダサさに疑問を持たなくなってしまった。
最近はセレモニーホールで式が執り行われるため、靴を脱ぐ場面はほぼ無くなった。しかし今まで靴を脱いで式に臨んでいたので、靴に気を使う経験が無かった。だから靴を履くスーツ姿になったとはいえ、とりあえず黒い靴さえ履いていれば良いという感じ。
本来、男性のフォーマルな靴はとても簡単。黒のストレートチップさえ履いていれば良いのだ。どれにしようか迷う必要が無い。きれいに磨かれたストレートチップ靴で靴紐をちゃんと結んで式に臨めば良いだけである。
それなのに、現実には黒Uチップあり黒ローファーあり黒ゴム底あり黒スリッポンありである。それは共通して紐で結ぶ靴を避ける傾向。フォーマルとは相手に対する礼儀のはず。本来上部はネクタイを結び下部は靴紐を結ぶことで礼儀を示すはず。
フォーマルな場面は日々そう頻繁ではない。とはいえ確実に年に数回ある。よって黒のストレートチップ革靴を一足用意して置けば結構長く使える。僕は結婚直前の約30年前、お祝いとして祖母に黒のストレートチップ革靴を人生で初めて買ってもらった。そして現在も履いている。僕が人生で履いた(履いている)唯一のストレートチップである。それだけ長持ちするのである。
我が里山の男衆、一緒に足元からカントリージェントルマンを目指そう。