One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 自粛警察と北條民雄 by T2020/05/06

シャクナゲ
久々の雨降り。菜園の苗達も嬉しそうです。連休前半は好天に恵まれ日焼けしました。日焼け顔して「Stay homeしてました」と言っても誰も信じてくれません。日焼け顔で街中に行くと「自粛警察」に告発されるかも。「自粛警察」とは今インターネット上でコロナ感染者等を誹謗中傷している市井の人間です。

ところで、北条民雄(1914〜1937)という作家をご存じですか?ハンセン病を患い、隔離生活を余儀なくされながらも川端康成に認められ、自身の実体験に基づく小説『いのちの初夜』(1936 第2回文學賞受賞)を残した文学者です。

北条が川端に送った書簡にはこんな一説が書かれていました。
「僕には、何よりも、生きるか死ぬか、この問題が大切だったのです。文学するよりも根本問題だったのです。生きる態度はその次からだったのです。」
「人間が信じられるならば耐えていくこともできると思います。人間を信ずるか信じないか」

ハンセン病も感染病です。ハンセン病は感染力の極めて弱い感染病です。更に現在は完治しうる感染病です。しかしながら、社会の無知、誤解による差別や人権侵害が長らく行われてきました。

小説『いのちの初夜』には、主人公が夢の中で発した台詞があります。
「ころされるう。こ ろ さ れ る う。他人(ひと)にころされるう。」

夢の中のセリフが現実とならないことを願うばかりです。