One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ みにくいカモの子 by T2020/07/11

ガーデニング
正常性バイアスとは社会心理学用語の一つで、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりする人間特性のことです。

例えば、災害の危険が迫っていても、まだ大丈夫だ、自分には関係ない、というふうに正常な日常が継続するかのように自分を思い込ませてしまったりしがち。自分の未来の悪い面をなるべく考えないようにする傾向が人間に備わっています。

また、行動経済学用語に時間割引率というものがあります。今この瞬間の利益と時間の経過した将来の利益を比較したとき、どれだけ利益の嬉しさが減少するか、その減少率が時間割引率です。例えば今、ケーキをあげるよと言われたときの嬉しさに対し、1週間後にケーキをあげるよと言われた時の嬉しさは低下しがち。時間割引率の高い人は今すぐケーキを食べてしまうということです。

モラルライセンシングという人間特性もあります。良いことをしたら少々悪いことをしても自分を許してしまう、自己正当化してしまう特性です。「毎月の貯金しようと思ってるんだけどできない自分が情けない」。こんな状況の背後には「反省するという良い行いをしたんだから、貯金できないという悪い行いは許される」というモラルライセンシングが働き、概して反省の弁を連発する人はいつまで経っても貯金できません。

総合的に見ると、人間は合理的に生きることが難しく、損失を最小限に留め利益を最大限に獲得することが難しく、思考することをめんどくさいと思いがちで、常に感覚や雰囲気に左右される特性を持った、言わば、いいカモ。

そんなカモから脱皮するにはどうすれば良いか?僕が選択した手段、それがガーデニングで自分を鍛えることでした。

ガーデニングは常に未来を思い描きながら、今の暑さ寒さを我慢して作業しなければなりません。成果をじっと待つことが重要です。計画性もとても重要です。でも自然の脅威の前に努力が無に帰すことだってあります。誰かに責任転嫁することもできません。それを受容する懐の深さが必要です。つまり出来る限り合理的に行動しつつ不条理を受け入れる能力をガーデニングは鍛えてくれると考えます。

「みにくいカモの子は、大きくなったらデキル人間に成長した」という寓話を目指して、今日も土いじりを頑張ります。

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