One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 何故、山に登るのか by T2020/10/24

穂高
先日、ある人が言っていた。
「何で山に登ろうとする人がいるのだろう?自分だったらそんな重力に逆らうことなんてしない。」

何故、人は山に登るのか?イギリスの登山家、故ジョージ・マロリーの「そこに山があるから」という答えは有名だが、本当に何故、人は山に登るのだろう?

話は逸れるが、今は亡きロックミュージシャンの忌野清志郎は、50歳になってサイクリングを始め、各地の山道を自転車で登った。自転車を始めたきっかけを彼は話していた。
「2000年、東北山形県での話。雪崩に巻き込まれ行方不明になった息子を、80歳になった父親が吹雪の中探し回り、遂に救出したというニュースを知った。いざという時に今の自分には、自分の大切な子どもを助けるだけの体力があるだろうか・・。それから俺は自転車を始めた。」

人間は、自分だけに及んでくる重力さえ処理すれば生きていけるのだろうか?人生とは自分だけの問題なのだろうか?もしも自分だけの問題なら、どうせいつか必ず死ぬ自分なのだから、今死んでも五十歩百歩でなかろうか?自分がこれからも生きようとする動機というものは、自分の中だけを探し回っても見つけるのが困難なのではなかろうか?明日も生きようとする本当の動機とエネルギーは、今の自分を何か他の対象に投企するところから生まれるのではなかろうか!

自分の命をかけても守るべき大切な命が他に存在する。そんな命の存在の有難さ。そのためにも、自分の他にもう一人分の重力を背負うだけの体力を身につけておく。それはあたかも重い荷物を背負って山道を登るかのよう。

何故、山に登るのか?
そこに大切なものがあるから、それが共に生きていくということだから。

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