One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 豊かさの証明 by T2020/10/25

旧荘園領主館_北アイルランド2016
ある航空会社の客室乗務員の方が著書の中でこんな感じのことを書いていました。
「ファーストクラスのお客様は、総じて上質なコートを身につけておられ、コートの扱いも丁寧です。その中でも究極クラスのお客様はどんなコートをお召しかとかと申しますと、何と!コート自体着用しておられません。」

つまり家を出発してから、コートを着なければ寒いような場所は全く通過しないということです。お迎えの車が玄関先まで手配され、飛行機に搭乗する時もVIPラウンジを通過して別ルートというわけです。身軽さが豊かさの証明。身の回りのしがらみを削ぎ落とすことが出来ること自体が豊かさの証明というわけです。

一方、アレも欲しい、コレが無いと生きて行けないというレベルは、まだまだ賤しいレベルということでしょうか。傍に形あるものが無いと不安なのでしょうか。私たちシモジモの庶民は、馬車馬のように働かされてようやく得たお金を、どうでもよい不必要な物の購入につぎ込んで、いつまで経っても資産を築くことができない。しまいには大枚をはたいて購入した不要品をタダ同然で処分する。そしていつまで経ってもコートを脱ぎ捨てる身分に上ることができないのかもしれません。

私たち田舎人は、クルマが無いと生きていけないと大声で主張し、無理して大金をつぎ込んでクルマを所有し、加えて寒いからといってロングコートも買って、クルマに乗るとロングコートは煩わしく、ロングコートを着て外を歩く代わりに、歩いて行ける場所へクルマで行く。果たして、いつ何処でロングコートを着るのでしょう。

というわけで、僕は資産を築いてからロングコートを脱ぎ捨てるルートとは反対に、ロングコートを脱ぎ捨てることから資産を築くことを目指すことにしました。先ずは形から入るというわけです。

しっかりした、そして身体にジャストフィットしたツイードジャケットが一着あれば、冬の外気の中も、室内ビジネスシーンでも、レストランの一席でも、十分カバーできます。加えて、ツイードハンチング帽があれば、富山の雪ぐらいならば傘も不要。

写真は、2016年、北アイルランド・エニスキレンという町の旧荘園領主館の前で

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