One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 積み上げる by T2021/12/03

薪と石積み
お彼岸からお彼岸まで、つまり秋分の日から次の年の春分の日までは、薪暖房シーズンと同時に薪作りシーズンです。おかげさまで、わが家の薪作りは順調に進んでいます。現在作っている薪は、2023年から2024年にかけての冬に使用する予定の薪です。 

積み上がった薪の木口模様は見ていて気持ち良い。同様に、天然の割石を積み上げて作った石垣とのマッチングが、とても気に入っています。 

ところで皆さん、クリスト&ジャンヌ・クロードという芸術家をご存じですか?富山県美術館のコレクションにも作品が収蔵されています。『梱包されたポンヌフ』という作品では、セーヌ川にかかるパリ最古の橋ポンヌフを巨大な布で完全に梱包、2週間だけの梱包に約300万人が見物に訪れました。『ランニングフェンス』では、北カリフォルニアの砂漠や農村を40kmに渡りナイロンのフェンスで横断して太平洋まで到達させた作品。これも僅か2週間限定の作品です。このように、巨額の費用、時間、労力を費やしたにも関わらず、僅かの期間限定の作品をアートと呼べるのか?そんな疑問さえも抱かせるクリスト&ジャンヌ・クロード。 

彼らが訴えた芸術性とは、目の前の恒久的造形物だけでなく、その背後に積み上げられたプロセス、つまり地権者や行政機関等との交渉、資金調達、製作におけるリスク管理等々、並々ならぬ忍耐力や継続的意志力、行動力などに芸術性を見出す、まさに「芸術とは何か」といった問題提起、考えさせられるタフな芸術です。 

大衆消費社会が成熟するにつれて、モノやサービスを生み出す面倒なプロセスを外部委託し、人々はただ完成品やサービスという結果のみを購入するだけのライフスタイルに染まりつつあります。果たしてそれで良いのか?というクロード夫妻の作品メッセージによって、襟を正されます。 

P.S. 富山県美術館で現在開催されている「トライアローグ20世紀西洋美術コレクション」展にも、クリスト&ジャンヌ・クロードの作品が展示されていました。ちなみに彼らは、1985年に富山県近代美術館を訪れています。 

running fence 

The Pont-Neuf Wrapped 




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