One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ コペルニクス的大転換2018/12/14

薪ストーブに着火する際、今までは組んだ薪の下から着火していた。なぜならば火は下よりも上の方が熱いので燃焼物を上に置くものだと思い込んでいたからだ。

先日ある知人から薪の上に着火する方法を教わった。正に天動説から地動説へのコペルニクス的大転換の如く目から鱗が落ちた。

上部着火法の何とスマートで美しい燃え方であろうか!


着火前


まず、薪の組み方は、太い薪を2本最下部に並べ、その上に中程度の薪を乗せ、最上部に焚き付け用の樹皮や割り箸を乗せる。割り箸の一本に着火、火は徐々に下の薪に引火していくのだ。チョコチョコいじりまわすことなく自然に火が降りていく。

着火直後


段々火が下に

上部に熱源ができることで煙突が素早く温まり上昇気流が強まる。下の薪が燻り始め発生した煙は上の熱源によって燃やされる。よって不完全燃焼の煙が炉内に充満することがない。効率的燃焼によって炉内が熱せられ下部の薪の燃焼も促進される。ガラスもキレイな状態。本当にスマート且つ美しい。

ほぼ火が安定

上部着火法のポイントは乾燥した薪を使うことと空気の通り道を作ること。(このことはどんな着火法にも当てはまるのである。)

薪ストーブはまだまだ奥が深い。だから楽しい。


■ 正しいことと易しいこと by T2018/12/09

オーロラファイア

冒頭から難しい話をします。
熱の伝わり方には伝導と輻射があります。(もう一つ対流もあります)

ファンヒーターやエアコンは、暖められた空気と人体が接触することによって熱が伝わる「伝導」を利用した暖房器具です。伝導熱は人体の外側いわゆる皮膚から順に人体の内側に向かいます。たとえば顔が火照っているのに体の芯が寒いと感じるのは伝導熱が芯まで届いていないということです。また部屋の換気をするとせっかく暖められた空気が逃げてしまい伝導熱も人体に届きません。ファンヒーターの取扱説明書に、時々換気してくださいと書かれているのは根本的な矛盾を含んでいると思われます。換気されないと室内の酸素が減少し、ファンヒーターの場合排気ガスや水蒸気が増加します。でも換気すると暖房効率が落ちます。これが根本的な矛盾です。

一方、薪ストーブは太陽と同様に遠赤外線という名の電磁波を「輻射」します。人体や家具、柱や壁などの物質に遠赤外線が届くと、その物質を構成してる分子を運動させ輻射熱を発生します。遠赤外線は空気の有無にかかわらず直接物質に届き輻射熱を発生させるので人体の芯も暖かくなります。薪ストーブは煙突排気しているので常に室内に新鮮な外気が入ってきており自然換気されています。しかし空気を媒介とした伝導暖房ではなく、直接輻射熱を発生させる暖房のため問題ありません。これは電子レンジと同じメカニズムです。電子レンジのマイクロ波といった電磁波は直接食材を熱します。でも電子レンジ内の空気は熱くありません。マイクロ波は波長が極めて短いため人体に害を及ぼしますが、波長の長い遠赤外線は人体に無害です。

(話は逸れますが、安易な温め方法である電子レンジは、マイクロ波の危険性を拭い去れないこともあり、大衆の動向に関係無く我が家には存在していません。)

このように、ファンヒーターやエアコンの暖房方法(伝導)と薪ストーブの暖房方法(輻射)の間には、熱の伝わり方に決定的な違いがあるわけです。

さて、どちらが快適な暖かさであるかを判断するには直接体験してみれば一目瞭然だと思われますが、ちなみにファンヒーター、エアコン、薪ストーブの3つの暖房器具のうち、現在日本において最も普及率の低いものは薪ストーブです。つまり薪ストーブの輻射暖房を経験したことの無い人々が大多数存在していると推察されます。

ここまでの難解な話にお付き合いをいただき、ありがとうございます。
ところで、ある歴史学者が言っていました。

「人間は正しい物事を選択する習性よりも、分かりやすい物事(簡便安易な物事)を選択する習性が強い。」

そういった易しさ感覚と周囲の動向に流されやすい人間の習性というものをメタ認知した上で、それでも敢えて論理的な正しさを主体的に追求していく意識と態度、行動はとても重要だと僕は思います。

以上のかた苦しいテキストを読み遂げることのできた貴方こそ、それが出来得る方だと思われます。


追伸 : この話題は薪ストーブを普及させようというメッセージではありません。自分にとって最良の暖房方法は自分で決めてください。周囲に流されず自分の頭で考えて主体的に選択してください。易しいことでは無いかもしれません。また時には失敗もあるかもしれません。しかし少なくともその姿勢は正しいことだと思います。

■ 収入増労働よりも支出減労働 by T2018/12/05

今年最後の薪原木切り出し
1年間で消費する薪はどのくらい?の質問には、
我が家ではだいたい10立米あったら大丈夫、と答えます。
何トンと重さで言われても想像しづらいですが、体積であれば想像しやすいでしょう。
10立米だと1×2×5メートル。

夫婦二人暮らしの我が家の場合、大型鋳鉄薪ストーブが一台と、寝室に蓄熱式暖房機が一台。これで家全体を暖房しています。

蓄熱式暖房機の電気料金が1年間(1シーズン)で約17,000円。
薪代は、チェンソー燃料代、運搬ガソリン代、薪原木を頂いた返礼を除き、自産しているので0円。さらに夏場は扇風機のみで十分なので、冷房費はほとんどかからず、よって1年間の冷暖房費は2万円あれば十分です。

(参考までに僕の所属する金山里山の会で販売しているコナラの薪は、1立米を2万円で販売しています。これでも相場からすると格安です。)

約10立米の薪を自分で作るために必要なモノは自らの時間と自らの労働力です。
自らの時間と自らの労働力を生活固定費削減に活用することは想像以上に有効だと考えています。

僕も含め多くの人間は自らの時間と労働力を市場に差し出し、その見返りとして収入サラリーを得ています。今以上に収入を増やそうとすれば更に自らの時間と労働力を差し出さねばならないかもしれません。ならば安定的な基礎収入源を確保した上で余った時間と労働力を、生活する上での必須な支出削減に差し出す選択肢もアリかなと考えます。

また現在の年齢時期から生活固定費の少ないライフスタイルを習慣化することで、無駄遣いの少ない落ち着いた老後を実現したいと考えています。

写真は今年最後の里山からの薪原木伐り出し。根雪が積もる前に割って薪置き場に積む予定。この薪は来来シーズン用の薪です。

■ チェンソーの長寿の秘訣 by T2018/12/02

消耗したソーチェン

現在使用しているチェンソーはハスクバーナ42cc15inch。購入は1999年の夏だった。僕にとって生まれて初めてのマイ・チェンソー。20年近く使用している。

購入当初、チェンソーの刃つまりソーチェンを一本研ぎ尽くしたならば、ようやく一人前になれると言われた。それから20年経過して、僕の記憶している限り4本目のソーチェンを先日購入した。

写真の通り、購入した新品のソーチェンと比較してここまで研ぎ尽くした。でも自分としてはまだまだ一人前とは思えない。日々精進。

エンジンものは、小まめに使った方が調子が良い。金山里山の会に入り森でチェンソーを使うようになって、僕のハスク42は断然調子が上がった。それにつれてソーチェンの消耗も進んだ。

人間も機械も、消耗すべきところはどんどん消耗し新陳代謝を活発にすれば、長生きすることができるようだ。

■ 柴は自産薪焚き人の誇り by T2018/11/29

柴
かつて森林組合から薪用の原木を購入していた時は、コナラなど広葉樹の幹部分を割った薪が我が家の薪小屋に積まれていました。それはちょうどお菓子バウムクーヘンを切り分けたような年輪のある薪でした。

それが現在はちょっと違います。そんなバウムクーヘン薪の中にポッキーを折ったような細かい薪が積まれるようになりました。これは雑木の小枝つまり柴と呼ばれるものです。「お爺さんは山へ柴刈りに」の柴です。

柴の処理は落ち穂拾いのようにとても面倒な作業です。柴は火持ちも悪くすぐ燃えてしまいます。乾燥もしづらく燃やすと小口から水泡がジュージュー出ます。でも里山やカイニョ(屋敷林)にて生命宿る木を伐り倒した人ならば、できるだけ枝まで大切にしたいという気持ちになるのも人情です。

既成の薪を購入する場合、柴は商品にならないでしょう。でも自産の薪だったら柴にも愛着が湧きます。

それでも一本の木を倒すと大量の柴が生じるので全てを薪に処理できません。だからチップ化して肥料にしたり道に敷いたりしてなるべく早く土に還すことも今後重要になってきています。かつてのカマドや風呂焚きまでいかなくとも暮らしに柴を少しでも活用できないか考案中です。

ともあれ、薪小屋に柴が堂々と積まれている家は薪を自産自消している証拠です。
柴は自産薪焚き人としての誇りです。

■ 家は冬をむねとすべし by T2018/11/25

薪ストーブの煙突

ようやく本格的に寒くなってきました。薪ストーブの面目躍如です。

吉田兼好は徒然草の中で、「家の作りやうは夏をむねとすべし。冬はいかなるところにも住まる。」と述べています。

しかし南北に長い日本は気候における地域差異が大きい。富山が最も印象強い季節は雪の降る冬。富山に住む者にとって最も厳しい季節は冬。よって富山の家の作りやうは冬をむねとすべきです。

東京を中心とした太平洋側と同様な暖房設備で、富山の冬を過ごそうとするのはちょっと頼りない。しっかり遠赤外線を出して身体の芯から輻射熱で暖まるストーブに優る暖房器具は、今のところ僕には見つかりません。

また、雪が積もると室内で過ごす時間が多くなります。煙突から排気する薪ストーブは、家の中の空気を汚さず一日中家に居ても快適。

煙突排気は燃焼による水蒸気も外へ排気し、室内が乾燥します。よって洗濯物がよく乾きます。

冬をむねとすべしとは、薪ストーブをむねとすべし。

■ 斧で薪割りから始めよう。 by T2018/11/22

「ある問題が生じた時、既存のマインドセットを変えないでその問題を解決することはできない。 」 アインシュタイン

福島第一原発事故が発生して以来、さかんに代替エネルギーの議論がされるようになった。でもアインシュタインに学ぶならば、既存のライフスタイルや便利さに対するマインドセット(価値観)を変えず、依然として同じ量のエネルギーを消費しつつ、エネルギー源だけを変化させても、根本的な問題解決は不可能ということであろう。

先日のブログで、薪エネルギーは環境問題と経済問題(地球温暖化問題とエネルギー問題)を共に無理なく改善する一助となるかもと書いた。しかしそれは薪エネルギー利用者が現在マイノリティであるからであって、もしも薪エネルギー利用者が急増し、現在と同じだけのエネルギー総量を消費するならば、森林は瞬く間に禿山になるであろう。薪エネルギーとはいえ地球環境に負荷をかけているのは当然のことである。

僕が根本的に見直し変えねばならないことは、石油や原子力などのエネルギーから薪エネルギーへの代替転換といったことでなく、自分が消費しているエネルギーそのものの総量であり、今よりもエネルギー総量を抑制するようなライフスタイルに対する新たな価値を認めることである。

つまるところ、僕は今よりも少々不便な暮らし、慎ましい暮らしに新たな価値を見出し、便利で贅沢な暮らしよりも更に豊かさを認識し得るような価値の転換をせねばならないということだ。

ポコポコと薪ができます


難しい話はさておき、まずは手始めに斧で薪割りしよう。そうすれば身体が内から暖かくなり、薪エネルギー消費量を抑制することができる。


■ 薪は里山整美のご褒美 by T2018/11/09

里山整美のご褒美
先日、薪焚き人の会にて里山から薪用原木を搬出している際、仲間と話していました。

「本来の目的は里山を綺麗にすることが目的であって、その過程で生み出される片付けるべき樹木や枝等を薪に活用し、里山の好循環を作っていこう。薪ファーストで逆に里山が荒れることが無いようにしよう。」

「コナラなど堅木の幹など薪に最適なところばかりじゃなく、なるべく細い枝も手間はかかるが刻んで搬出しよう。最高の薪は手に入る薪。」

「一本の木を大事に処理しきってから、次の木を伐り倒そう。伐り散らかすことのないようにしよう。」

そんな感じの話をしていました。話の通じる仲間たちです。薪焚き人の会の活動そのものを細く長く持続可能な活動にしていきたいと思っています。

先日薪ストーブを焚いているある知人が薪焚き人の会について興味を示してきました。その知人は町内の清掃活動や草刈り作業にあまり参加しません。自分には体力がないということです。清掃活動や草刈り作業する体力がないのに、森の中で間伐、原木搬出といったかなりの重労働がはたしてできるのかなぁ?僕はその知人に直接話しました。「目的は里山整美、その過程で薪作り」そこんところよく考えてから決断してくれと。

その後の成り行きを見守ります。

薪は、里山整美のご褒美。

■ お金では買えないもの by T2018/11/02

伐採

昨日は金山里山の会の活動日でした。森の入りコナラを中心とした雑木の伐採作業を行いました。暑くもなく寒くもなく虫も悩まされることもなく、この時期は最高です。森の中では紅葉も進みつつあります。

伐採した雑木は薪や椎茸のホダ木になって販売されますが、それ以上に僕個人の利益があります。それは樹木伐採技術の向上です。

チェンソー講習会等はたまに行われていますが、実際に樹高15メートル以上幹直径30センチ以上の樹木を伐採するような講習会は滅多にありません。金山里山の会での伐採作業は講習会費を支払うことなく技術を磨くことができる貴重な機会です。

芸は身を助ける。技術はお金を出せば買えるというものではありません。

■ 品の良い薪の置き方・燃やし方 by T2018/10/30

オーロラファイア

薪ストーブの炉内がある程度の暖まり、熾(おき)ができたら、その熾を炉内後方に集めます。そして新しい薪を1本熾の前方に横たえます。そうすると横たえられた薪に炎がまとわりつくようにユラユラゆっくり燃えだします。

これは薪自身が燃えるのではなく、薪から出てくる煙に火がつき燃えている状態といえましょう。この状態だと薪はとても長持ちし、炎も無駄に大きくなりません。

我が家のヨツールF500薪ストーブはクリーンバーンシステムを採用しており、再度酸素を供給する2次燃焼用空気パイプが炉上部にあります。おそらくこの2次燃焼用空気も煙を燃やすことに一役かっているのでしょう。とても単純で合理的・効率的な薪の燃やし方といえます。且つ煙の排出量も抑制され煙突内の煤も少なくなるというわけです。

薪ストーブに限らず、野外の焚き火においても、薪を井桁に組んだり斜めにテント型に組んだりすると炎はバカでかくなり、まるで野蛮人の生贄の儀式のようになります。薪は並行に横並べした方が炎も大きくならずゆっくり心地良く燃えます。

薪の燃え方にも品格の良し悪しを感じるようになってきました。