One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ ヴィンテージものの薪 by T2017/12/11

昨晩、薪ストーブで焚いた薪は、2015年ヴィンテージのクリの木でした。このクリの木は、妻の実家の庭で伐られたクリでした。そのクリは義母の実家に植わっていたクリになった実を植えたとのことでした。義母のお母様が「美味しいクリだから植えて置きなさい」と言われたそうです。

2015年ヴィンテージ

自分で薪を自産自消していると、その薪の出生、割った時の思い出等が蘇ってくる時があります。こういうことは灯油や電気で暖房しているとありえない経験だと思います。この灯油はどこで産出して何年もののヴィンテージだと考える人はいないでしょう。せいぜいこの電気は原子力発電じゃない電気だと考えるくらいです。

地元のジビエ

ところで、写真は昨晩頂いたカモ鍋&猪肉のベーコン、プラス大根のヌカ漬けです。カモ肉と猪肉ベーコンは金山里山の会の会長さんに分けてもらいました。共に金山産です。地場産の椎茸、ネギをふんだんに入れて野趣溢れるジビエを満喫しました。

取るに足りないヴィンテージ、ささやかな思い出、でも人はそんな思い出を繋げながら生きていく過程の中で、そこに小さな温もりを見つけていくものだと僕は思います。


■ 薪は太陽エネルギーの缶詰 by T2017/12/10

太陽の缶詰
朝、薪ストーブに火をつけ、ストレッチをしてからランニングに出かけました。

県民公園太閤山ランドの高台を走っていると、立山連峰の南東部、薬師岳の山際から朝日が昇りました。風景との出会いは、いつ何時巡り会うか分かりません。常に一期一会。富山の冬は御来光を望んでも期待できないからこそ、その有り難さに感謝です。合掌。

今朝の朝食はパンケーキ。丸く膨らんだ暖かパンケーキは、冬の日差しのように柔らかです。

室内は薪ストーブの暖かさに加え、朝日が満ちて一層暖かくなっています。薪ストーブと言えど太陽にはかないません。

妻が言っていました。「薪は太陽エネルギーの缶詰」

樹木は水、二酸化炭素、そして太陽エネルギーを光合成によって吸収し成長します。樹木から作られた薪を燃やすということは、水、二酸化炭素、そして太陽の暖かさを再び放出するということです。

寒い冬、降り注ぐ太陽エネルギーの少ないこの季節は、太陽エネルギーの缶詰で私たちは命を繋いでいるわけです。

写真は、パンケーキに刻んで入れたリンゴです。リンゴも太陽の缶詰です。

■ 氷のベール by M2017/12/09

今朝の冷え込みは12月とは思えません。霜が降り辺り一面真っ白です。原木椎茸の表面が薄く氷に覆われていました。表面がツヤツヤした椎茸を見るのは初めててです。

凍った椎茸

写真は庭に降りた霜です。苔、トチノキの落ち葉、芝生、敷石など、白く朝日に輝いています。

苔を覆う霜

トチノキの落ち葉にも

冷え込んだ朝はより薪ストーブの威力を実感できます。今は家に入って、ぬくぬくと記事を書いています。


■ 校倉造(あぜくらづくり) 先人の知恵 by T2017/12/08

加湿器
寒い時期は薪ストーブで暖房すると室内が乾燥します。エアコンやFF式ファンヒーターほどではないにしても、室内湿度は50%ほどになります。

我が家には廊下というスペースがありません。せいぜい開戸で空間を仕切るワンフロア作りなので、使用後の置き式バスルームの扉を解放しておいたり、キッチンでの調理、洗濯物を干したりして家の中を調湿します。加えて薪ストーブ上に鉄製の加湿器やポットを置いて加湿します。

しかし室内の調湿はそれだけではありません。我が家ではスギの床板、柱、野地板やベイマツの梁、垂木などが水蒸気の多い夏場は湿気を吸収し膨張し、水蒸気の少ない冬場は湿気を放出し収縮してくれます。壁はビニールクロス張りを一切せず漆喰の塗り壁というのも調湿効果があります。また、柱をプラスターボードで覆い隠す大壁にせず、柱を露出させ、柱が調湿呼吸できるように真壁にしたのも正解でした。

来客の中には、我が家を西洋っぽいとかログハウスとかコメントされる方がいらっしゃいます。しかし真壁・漆喰は典型的な和風建築だと僕は思うのですが、いかがでしょうか?ログハウスっぽいという印象は合板を使わない無垢の木仕様から来ているのかもしれません。我が家は柱を立て梁を渡す在来工法で、アンカーボルトと火打留めのボルト以外はほぞ穴・コミセンの木組みです。

ログハウスといえば、家の構想をしていた20年ほど前、奈良東大寺の正倉院における校倉造(あぜくらづくり)から天然木の調湿効果がいかに絶大であるかを学びました。校倉造はログハウスと同様、天然木材を下から積み上げて壁を作っていく構造です。私たちは校倉造のログハウス構造に関しては採用しませんでしたが、天然木の持つ調湿呼吸効果からは大いに学びました。ちなみに正倉院も高床倉庫建築です。

雪の多い富山の冬、洗濯物もよく乾きつつ調湿できること、それも機械や過剰なエネルギーを消費しないでパッシヴに調湿できることに関して、この家と薪ストーブ、それに、家の建築に尽力して下さった天野一男設計士と宮田義行・邦彦棟梁に、本当に感謝しています。

追伸 : 加湿器の無い場合、電気ポットの蓋を開け加湿する方法を知人に教えてもらいました。職場オフィスはエアコン暖房なので早速採用させてもらいました。自宅には電気ポットが無いのでできません。

■ 櫛田神社のかがり火 by T2017/12/07

かがり火用の薪が我が家に

近隣の方から「クヌギの木を薪にどうぞ」という申し出がありました。見ると太いところで直径40センチほどの比較的まっすぐな大幹で、枝葉も処理されていました。聞くと、櫛田神社の正月用かがり火の薪にする予定が、余ってしまったとのこと。

玉切りも搬出も簡単そうなので、午前中里山の会の活動後現地へ直行、三分の一ほど伐って軽トラックで自宅に搬入しました。

櫛田神社は出雲系神社(櫛田の由来はクシナダヒメから来ているとのこと)で歴史も由緒も古く、初詣には多くの人で賑わいます。

そういえば出雲神話のスサノオノミコトは森の神様、そんな御縁のあるクヌギの木から薪を頂けるのは本当に有難いことです。

あと3分の2の幹も時間を作って早々に搬入したいと思います。

■ パンと薪 by T2017/12/06

我が家のウィークディは米食ですが、週末にはワインを開けることもありパン食です。食事用のパンはここ10年、妻の自家製です。

10年前に知人から天然酵母のパン種を分けてもらいました。週に一回妻はパン生地をこね、パン種を継承しています。現在では頂いた天然酵母も我が家に住み着く酵母菌と混ざり合い、我が家オリジナルに変化していることでしょう。

焼きたてのパン

よって食パンやバゲット、ライブレッドのような固い食事パンを買うことはほとんど無くなりました。

みどり共同購入会から仕入れた小麦粉やクルミ、ナッツ類、レーズン、時には自家菜園のイチジクなどを入れて焼きますが、妻いわく、「良質の小麦粉や高価なクルミなどを贅沢に使っても、パンそのものを買うより断然経済的!」

我が家にはパン焼き専用の機器はありません。パンを焼くときは、柳宗理デザインの蓋つき鉄鍋で妻は焼いています。宗理鉄鍋はすき焼き鍋のような形をしていますが、ちょっとしたダッジオーヴンになります。夏はキッチンのガスレンジで、冬は薪ストーブの上に宗理鉄鍋を置いて焼きます。当然、パン生地の発酵は薪ストーブ横で行います。よって寒い時期は天然自家製薪で焼いた天然酵母自家製パンとなるわけです。

薪あれこれ

薪は僕の生産した価値とするならば、パンは妻の生産した価値です。薪ストーブパンは両価値の結晶というわけです。

パンが無ければ、お菓子を食べないで、パン焼けばいいじゃない! M


■ 物価上昇率0% by T2017/12/05

金山の丘陵から切り出した薪
冬になって灯油やガソリン料金など燃料費が上昇傾向にあります。一方、物価という観点からすれば自産自消の薪は、自ら原木を伐り出したり近隣から原木や木っ端を頂いたりする上では、巷の市場物価動向や世界情勢に左右されることはありません。

とはいうものの、私たちが薪ストーブライフを志した20世紀末、バブル経済崩壊後で、灯油料金は1リットル約50円でした。当時、森林組合などから原木を購入して自分で薪割りをしたとしても、灯油暖房よりも高くつくだろうと僕は試算しました。しかしたとえ高くついたとしても薪ストーブライフをしたいというのが当時の心情でした。

4年前、林業従事者からコナラ原木1トン7000円で3トン購入した以降、ここ3年間は近隣の里山において、薪の完全自給自足を実現しています。そういった点で我が家の薪は、物価上昇率は0%はおろかデフレスパイアルです。

里山に経済性を取り戻すことを目指す金山里山の会と、「会員は薪を他所から買ったら絶対にあかんよ!地元の木を活かさにゃあかんよ!」と叱咤激励してくださった金山里山の会の会長さんには本当に感謝しています。

経済性とはお金や利潤を増やすことのみを意味するのではありません。経済とは経世済民、つまり世の中をおさめ民をすくうという意味です。お金が悩みの大きな種になるならば、金融経済とは異なったシステムとしての経済を再考することも必要なのではないでしょうか。

モノの価値とは、対象に投入された手間と時間の総量です。つまり手間と時間を自ら投入できるならば、人はお金以外の経済的価値を自ら生産することができるというわけです。現在の僕にとって悩みは、価値を持続的に生産できる己の健康と時間の確保を、いかに実現していくかということです。

■ 3つの火 by T2017/12/04

暖かく明るいところ
今日の天気予報は午前中は晴れ、午後から雨とのこと。そして雨を境に冬型の気圧配置になり、富山は雨雪が多くなりそう。

早朝5時30分、薪ストーブに着火。

6時30分、辺りがようやく明るくなり始め、焚火場に着火。海洋深層水が7リットルほど残っていたので今年最後の里山の塩作りを開始。

雑木林のヒサカキを剪定し、枝を神棚に供え、それからゆっくり朝食。その間時々塩作りの焚火に薪をくべたりする。

10時、里山の塩作りが落ち着いたところで、昨日森から伐り出した薪原木の整理をしながら作業場の燃やし場で剪定枝を焚火、暖をとりながら且つ剪定枝の処理。これから積雪の時期を迎えるにあたり作業場がスッキリ片付く。

12時、雨が降り出す前にもう少し外作業を続行。ダイコン、ラディッシュ、小松菜を収穫し、ダイコンは洗ってからベースメントへ保存。ムシロをかけて冬籠り。

昼食を食べてティータイム、ボチボチしてる頃に雨が降りだす。焚火場と燃やし場の火の用心はこれで安心。

雨が本降りになってきてから、妻とお歳暮の品やお正月用の御神酒などの買い物に。途中写真のプリントや郵便局に寄って帰宅。それが16時。

我が家の薪ストーブは正午頃からフェードアウトしていたが、室内は19℃。これから夜にかけて冷え込む予想なので再び着火。

本日、我が家にある3つの炉床は全て火が灯り、「清潔でとても暖かい場所」になった。

「この世は全て無であって、人間もまた、無、なんだ。要するにそれだけのことだから、光、がありさえすればいい。それに、ある種の清潔さと秩序が。」
E.ヘミングウェイ 「A Clear, Well -Lighted Place」
高見浩 訳「清潔でとても明るいところ」より

■ 今年最後の「薪焚き人の会」 by M2017/12/03

大洋を移動する魚の群れのような空
今日は12月の第一日曜日。毎月第一日曜日は「金山里山の会」の下部組織「薪焚き人の会」の活動日です。今年は3月5日から活動を始め、猛暑で活動が無かった8月を除き計9回の締めくくりの日となりました。

夫が世話役をしているのですが、会員のみなさまに助けていただきながら、今年も活動を終えられることを喜んでしました。とりわけ「金山里山の会」の会長さんには、感謝しても仕切れない様子です。

山に入りコナラなどの大木を倒し玉切りにして、軽トラックに積み込み運び出すという作業をしているようです。運び出した薪はその日の活動に参加した会員が、自宅用にできるというシステムとのこと。

そのお陰で「薪焚き人の会」に入会以降、薪を購入する必要がなくなりました。以前は1トン当たり7,000円〜15,000円、年間20,000円〜30,000円ほどの原木(2m)を近隣の森林組合や林業従事者から買っていましたので、家計は助かります!? 夫は家計よりも地元の山で燃料の薪を調達できるということに心の底から満足しているようです。

先月の活動は薪の切り出しではなく下草刈りでした。薪がもらえないので誰も参加しないかも…と夫は当日まで心配していたのですが、蓋を開けてびっくり!いつもの活動と同じくらいの数の会員の参加があったそうです。

人は目先の損得だけで動くのではないことを改めて実感したようです。そのような組織の土壌を築かれたのが会長さんです。また、大木を倒す時に、会長さんがそばにいて下さると、それだけで安心感が違うとも言っていました。それは大木を倒す技術の問題ではないようです。

今年も薪を得るだけではなく、多くの気づきがあった「薪焚き人の会」。活動終了まであと3時間ほど。最後まで怪我のないように祈っています。

写真は今朝の空です。落葉広葉樹が葉を落とし、空が広く感じられます。雲が南からゆっくりと流れています。まるで大洋を移動している魚の大群のようです。

■ 竪穴住居と高床倉庫 by T2017/12/01

高床式の我が家_2014年5月
日本人ならば小中学校の歴史の授業で、弥生時代の暮らしを学んだことでしょう。そこでは、人々は穴を掘り掘立柱を立て草で屋根を葺いた竪穴住居に住まい、稲作で収穫した米を高床倉庫と現在呼ばれている床下が通風する建造物に保管したと説明を受けました。

先日ある中学生が話していました。

「大切な米を高床倉庫に保管するんだったら、人間自身も高床倉庫に暮らせば良いのに。米のために好環境ならば人間にとっても良い環境でしょうが。」と。

鋭い指摘です。僕も同感です。竪穴住居よりも高床倉庫の方が建造に手間がかかることや、高床倉庫内で火を燃やすことが困難なことなど、克服すべき難点はいろいろあると思われますが、それをクリアできるのであれば高床の方が快適かつ家も長寿命です。現在は自立型の鋳鉄製薪ストーブがあるので、床上に炉床を設置することが容易です。

実際にその後の歴史を眺めていくと、神社・仏閣、貴族の神殿造り、武士の館等々、礎石の上に束を立て、地面から上がった床下を常に風が通る住空間が主流になっていきます。

ところが最近の住宅を見てみると、コンクリート布基礎はあるものの通風口の無い住宅が多くなってきているようです。床下暖房などの設置がその理由なのでしょうか。

よって現在の日本住宅は、地面直接ではないものの地面により近くなってきているように思います。それは弥生時代の住まい、すなわち人々がスピーディに建造することができた竪穴住居に戻っていくような感を覚えます。半地下の温度変化の少ない、しかし風が通らないグランドフロアに家に。

各人考えも多様ですから、自分の考えを押し付けることは控えたいと思います。個人的には、僕は高床倉庫のように床下を風が通り、床下の配管メンテナンスのしやすい造りを選択します。

現在の我が家は、高床倉庫にヨツールのF500薪ストーブを自立させ、縄文弥生人の如く炎を良き友として私たちは生活しています。

「文明人とは、経験を積んだ未開人である。」 ヘンリーDソロー