One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ やればできた by T2021/12/16

秋の庭より
「やればできる」という根拠の無い言葉は、嫌いです。でも
「やればできた」という言葉は、納得できます。

やってみれば、こんな俺でも意外とできた。こういう経験は結構あります。
そして、そんな経験が自信や自己肯定感を高めると考えます。
金山里山の会での、私たち薪焚き人は、森に入って薪作りをする際、自分の薪は自分で作ることを原則としています。一人で森に入ることはルール上禁止されているので、2人以上のグループで入りますが、作業は個別です。

女性会員もいるし、チェンソーの扱いに不慣れな新人もいます。当然最初は薪の成果物量が少ないです。でも自分でもやればできたという経験を確実に獲得することができます。そして徐々に成長していきます。

世の中、困った人を助けようという気持ちは大切です。でも先ずは自分で何とか頑張ってみてから、という気持ちも大切なんじゃないかと思います。

■ 冬の寝具の幸福感 by T2021/12/11

冬のシーツ干し
富山の冬は曇天の日が多いです。皆さんシーツの洗濯や布団干しをどのように行なっていらっしゃいますか?

我が家では基本室内干しです。南向きの日光が差し込む場所に、シーツやベットパットを木製ドライヤーに広げて干します。この時期は庭のコナラも落葉し、稀に太陽が顔を出すと日差しが入ります。

室内は、薪ストーブで暖房しているので空気が乾燥します。シーツなどは半日、ベットパットは1日あれば乾きます。これは雪国ではとても有難いことです。

写真は、薪ストーブで風呂吹き大根を作りながら、同時にシーツ干しをしている風景です。

寒い季節にて、幸せを感じる瞬間を挙げるとすれば、僕の場合、温かい風呂に入る幸せよりも、しっかり乾いて温かくなったベッドに入る幸せ感の方を挙げます。

わざわざ布団乾燥機や電気毛布を購入することも必要ありません。乾いて温かいベッドは、稀な日差しと薪ストーブのおかげです。

■ ストレス発散 その2 by T2021/12/09

里山の風景 その2
前回のブログで、薪作りがストレスの原因になる人と、薪作りがストレス発散になる人がいて、人間さまざまという話を書いた。このことはどちらが良くてどちらが悪いといった勧善懲悪の問題ではないし、どちらが正しくてどちらが誤っているという丸バツ問題でもない。これは人間の趣向性や性格の違いであろう。

それに、皆んな全員、薪作りが楽しくて、皆んな一斉に、薪ストーブを焚き始めたら、里山は瞬く間にハゲ山になってしまい、持続可能な里山が崩壊してしまうであろう。だから、相田みつを氏の言葉を借りれば「みんな違ってみんないい」

ただし!ただしだ。確かにこれは良悪・正誤の問題では決してないけれど、一方で、適応的か非適応的かという問題は残る。

話を続ける。薪作りがストレス発散となり、薪ストーブ生活を楽しく思う趣向性の人間は、現代社会や世界の潮流からすれば、どちらかと言えば適応的人間であると僕は考える。何故ならば、今の時代は環境を意識せずには生きられない社会になりつつあり、世界は持続可能な開発目標を掲げるに至っており、つまりエコロジカルな趣向性の人間にとっては追い風の時代だからだ。加えて化石燃料の石油は高騰しており、薪は財布にも優しくエコノミカル。

そんなことを考える僕は、進化論の父ダーウィンの言葉を思い出す。
「生き残る種とは最も強い種ではない。最も知的な種でもない。それは、変化に最もよく適応した種である。」

■ ストレス発散 by T2021/12/08

里山の風景
一緒に薪の自産自消を行なっている薪焚き人を観察すると、薪を作ることがストレスの原因になっているのでなく、むしろ逆に、薪を作ることがストレス発散になっているようだ。

道路配管関係の仕事を生業としている某薪焚き人に対し、僕は以下のように尋ねたことがある。
「ウィークデーをハードに外仕事していて、日曜休日までもハードに薪を作るというのは大変じゃない?」と。

すると彼はあっさりと答えた。
「家にジッとしているよりも、こっちの方が楽。」と。彼にとって薪作りはストレス発散になっているようだ。

世の中にはさまざまな人々がいる。薪作りがストレス発散になる人もいれば、薪作りがストレスになる人もいる。長距離を走ることがストレス発散になる人もいれば、長距離を走ることがストレスになる人もいるように、世の中にはさまざまな人々がいて成り立っている。

■ 積み上げる by T2021/12/03

薪と石積み
お彼岸からお彼岸まで、つまり秋分の日から次の年の春分の日までは、薪暖房シーズンと同時に薪作りシーズンです。おかげさまで、わが家の薪作りは順調に進んでいます。現在作っている薪は、2023年から2024年にかけての冬に使用する予定の薪です。 

積み上がった薪の木口模様は見ていて気持ち良い。同様に、天然の割石を積み上げて作った石垣とのマッチングが、とても気に入っています。 

ところで皆さん、クリスト&ジャンヌ・クロードという芸術家をご存じですか?富山県美術館のコレクションにも作品が収蔵されています。『梱包されたポンヌフ』という作品では、セーヌ川にかかるパリ最古の橋ポンヌフを巨大な布で完全に梱包、2週間だけの梱包に約300万人が見物に訪れました。『ランニングフェンス』では、北カリフォルニアの砂漠や農村を40kmに渡りナイロンのフェンスで横断して太平洋まで到達させた作品。これも僅か2週間限定の作品です。このように、巨額の費用、時間、労力を費やしたにも関わらず、僅かの期間限定の作品をアートと呼べるのか?そんな疑問さえも抱かせるクリスト&ジャンヌ・クロード。 

彼らが訴えた芸術性とは、目の前の恒久的造形物だけでなく、その背後に積み上げられたプロセス、つまり地権者や行政機関等との交渉、資金調達、製作におけるリスク管理等々、並々ならぬ忍耐力や継続的意志力、行動力などに芸術性を見出す、まさに「芸術とは何か」といった問題提起、考えさせられるタフな芸術です。 

大衆消費社会が成熟するにつれて、モノやサービスを生み出す面倒なプロセスを外部委託し、人々はただ完成品やサービスという結果のみを購入するだけのライフスタイルに染まりつつあります。果たしてそれで良いのか?というクロード夫妻の作品メッセージによって、襟を正されます。 

P.S. 富山県美術館で現在開催されている「トライアローグ20世紀西洋美術コレクション」展にも、クリスト&ジャンヌ・クロードの作品が展示されていました。ちなみに彼らは、1985年に富山県近代美術館を訪れています。 

running fence 

The Pont-Neuf Wrapped 




■ 薪作りと投資 by T2021/12/02

里山夜明け
株式投資や投資信託など、投資は何のために行うのでしょうか?お金儲けや資産形成のため?資産をインフレ等のリスクから守るため?・・。僕は考えます。投資の第一義の目的とは、将来性のある会社を応援して、世の中の未来をより良いものにしていくための行為だと。そしてその結果、運用利益を得ることは投資のリターンの一つであると考えます。

ふと、僕は思うのです。そんな未来創造・社会参加としての投資と、金山里山の会活動としての薪作りはよく似ているなと。

北陸富山において、常緑広葉樹の原生林と里山は異なります。コナラやクリなどブナ科の落葉樹主体の里山は、人間が手を加えることによって縄文時代から維持されてきました。もしも人間が里山に手を加えることを止めたならば、里山は常緑化し原生林に還って行く。常緑化は必ずしも悪いわけではありませんが、人間が間伐し下草を刈り、森林を新陳代謝させることによって、縄文時代から受け継いできた自然の恵み豊かな里山が維持される。そのプロセスの中で、間伐材を薪として頂くことができる。

社会を活性化させるための投資、その結果得られる運用利益。
里山を維持・新陳代謝させるための里山整美活動、その結果得られる薪。

とても似ていると思いませんか?どちらにおいても、誰も不幸にしていません。それは何故か、それは誰かが得すると誰かが損をするゼロサムゲームではないからです。

ちなみに、投資をギャンブルだと思っている人がいます。株価の上下に一喜一憂するようなデイトレーダーをイメージして。しかしそれは違います。それは投資家でなく投機家です。

同様に、薪作りにおいても、山師のように売買目的を前面に押し出すならば、お金に目が眩んだ投機家になり、山はかえって荒れるでしょう。

■ 20℃ by T2021/11/29

薪ストーブ暖房
先日、薪ストーブ生活をしている知人が話していました。
「最近友達とPCのZoomを使ってリモート会話していると、相手から半袖シャツで寒くない?と聞かれるんですよ。薪ストーブって暑いんですかね。」

同じ室温20℃だったとしたら、薪ストーブは快適でもエアコンやファンヒーターだと少々寒いことでしょう。これを説明するのに、僕は日向と日陰の話をします。

ある芝生広場に一本の桜の木があります。今日は4月、桜の花は散ってしまい新緑が目立つようになってきました。気温を見ると20℃。日向は快適ですが桜の木の日陰では少々肌寒い。でも日向も日陰の同じ20℃。だって空気は穏やかに対流していますから。

何故、同じ20℃でも、日向は暖かく、日陰は肌寒いのでしょうか?答えは太陽光線(とくに遠赤外線)が身体に当たっているから。遠赤外線は身体を構成している分子に当たると、分子を振動させ輻射熱を生じさせます。だから暖かいのです。

さて、エアコンやファンヒーターですが、これらの暖房器具は暖かい空気を作り放出する暖房器具なので遠赤外線を出しません。だから日陰の20℃と同じ。20℃だと寒いので、だいたい24℃くらいに皆さんエアコン設定するでしょう。

一方、薪ストーブや昔ながらの石油ストーブは、熱源から発せられる遠赤外線によって輻射熱を生じさせます。だから日向の20℃と同じ。20℃で十分快適なのです。

この快適な温度差は、当然月々の燃料費にも差が生じると同時に、家の寿命にも影響を与えます。室温を高くすることは外気との温度差を拡大させます。すると家の壁内での結露を生じさせる可能性が高まります。結露はカビや建材の腐朽の原因にもなり、グラスウールなどの断熱材を傷めます。

さらに最近では、換気が重要になってきました。ところがエアコンやファンヒーターの場合、温かい空気による暖房なので、換気すると暖房効率が急激に下がります。一方、薪ストーブのような遠赤外線暖房の場合、空気が入れ替わっても直接身体を暖めてくれますから、暖房効率が下がりにくい。

以上、薪ストーブのPR広告でした。

■ 風呂吹きダイコン by T2021/11/27

風呂吹きダイコン
薪ストーブは着火後すぐには温まりません。本体温度が200℃に達するには30分以上要します。しかし、すぐに冷めないのも事実です。

炉内を熾火にして外出したり就寝したりする時に、ダイコンを切って鍋に入れ、薪ストーブ天板上に置いておけば、自然と風呂吹きダイコンが出来上がっています。

ダイコンは、屋敷横の自家菜園から毎日一本ずつ引っこ抜いてきます。農薬を使用していないことは自分が一番知っているので、葉っぱも安心して調理できます。

ダイコンを切ってみると、たまにスが入っている場合があります。そんな時は再びダイコンを引っこ抜いて来れば大丈夫。スーパーやお店にストレスを感じることもありません。それは自然なことです。

この一連の風呂吹きダイコン作りにおいて、輸送費は一切使用していません。自家菜園まで徒歩で30m、燃料の薪小屋まで徒歩で10mだからです。

これから冬の間、少しずつダイコンをいただきます。

■ ドライフルーツ by T2021/11/22

柿のドライフルーツ
リンゴ、バナナ、パイナップルなどなど、薪ストーブの天板に乗せて置くだけで簡単にドライフルーツの出来上がり。

写真は、柿のドライフルーツ。干し柿を作るよりも簡単で、カビることもなく、コンパクトに保存できます。

薪ストーブの効果的な点は、ドライフルーツを作るためにわざわざ火をおこして作るわけではないという点です。即ち、暖房の傍ら、気がつけばドライフルーツが出来上がっているという点が効果的です。

それは経済的でもあります。今回の柿のドライフルーツにかかった費用は0円。モノの価格が上昇している時代に、とても有難いです。

■ 幸せで自立した薪焚き人になるために by T2021/11/21

金山里山の会
僕の住んでいる地域において、移住者促進PR活動として、薪ストーブライフを謳い文句に、里山に移住者を増やそうという意見がある。つまり「金山里山の会(薪焚き人の会)という組織があって、簡単に薪が手に入る」のようなニュアンスで話す人がいる。しかしそう話す人の多くは、薪ストーブライフを行なっていない人々である。実際の薪自給は労力と時間を結構必要とし、決して簡単ではない。

金山里山の会に所属する僕の意見を述べる。もしも薪ストーブで移住をPRするならば、慎重に受け入れのシステムを熟慮構築した後にすべきである。何故ならば、移住という選択は、その人の人生の極めて重大な決断だからだ。移住したはいいが、こんなはずじゃなかったということになれば、誰も幸せにならない。

未だ具体的な移住促進が行われていないが、そんな今だからこそ、将来に備え受け入れシステムを検討すべきである。その一例を考えてみた。

①先ずは金山里山の会に入会する。入会には金山里山の会の理事一名の推薦を必要とする。
②会員として、富山県森作りサポートセンター主催のチェンソー講習会を必ず受講する。
③受講済み会員2名以上でグループを作り、指定された里山にて薪作りを行う。
④原則個人の責任において薪作りを行う。金山里山の会(薪焚き人の会)は薪の世話や講習等の世話を行わない。つまり、金山里山の会は里山活動の窓口なのであって、あくまでも会員の主体的行為と覚悟に依存すべきである。

皆さんの意見を聴かせていただきたい。議論は始まったばかりである。