One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 呼吸法 by T2021/02/01

白鳥、里山の風景

前回のブログで、感染症に対する免疫力を高めるには睡眠と運動が重要だということを書きました。

ところで、運動する際に呼吸は重要です。皆さん深呼吸をする時にどのような呼吸をしますか?例えばラジオ体操の深呼吸は大きく吸って吐きますよね。しかしながら、呼吸という言葉を見て下さい。呼の次に吸。つまり吐いてから吸うのです。

僕はランニングをしますが、ランニングでは吐くことを意識します。しっかり吐けばその後自然に空気が肺の中に入ってきます。つまり吸うことを意識する必要がありません。肺の中から空気を吐き切ることにだけエネルギーと意識を使う。そうすれば吸うことにエネルギーと意識を使わなくてもよいわけですから、とても楽なのです。

ところでこの吐き切る力を強化することが肺(横隔膜)の力を高め、肺炎等に対して抵抗力を高めることになるそうです。皆さんも呼吸は吐き切ることだけに注意してみて下さい。

酸素豊かな里山で、思いっ切り呼吸できることを、有り難く思っています。

■ 戻ってきました。 by T2021/02/02

完治した椅子
先日修理に出していた椅子が戻ってきました。修理の出来栄えにとても満足しています。

直して下さったのは、地元金山地区の谷内木工さん。新進気鋭の家具製造職人さんです。

以前からOne’s Wayのブログを読んで下さっていたそうです。本当にありがとうございます。

この御縁を機に、今後我が家の住医さんの1人として、お付き合いできたらと願っています。

■ マザーウォーター by T2021/02/03

古い木製椅子
ウイスキーを作る時の仕込み水を母なる水「マザーウォーター」と言います。

小林聡美主演の映画『マザーウォーター』では、バーカウンターの古い木製椅子が壊れるシーンで物語が開始します。古いけどとても気に入っている椅子だからということで、常連客の1人がその椅子を修理してくれます。

ウイスキー、椅子、コーヒー、豆腐、食事などなど、丁寧に作る、丁寧に物に接する、丁寧に人と接することが、各人それぞれ丁寧に生きることにつながっていきます。

丁寧に生きるには、地味で目立たない時間が必要です。落ち着いた気分で古い椅子にじっと座って居られる忍耐力も必要です。ウェアハウス(貯蔵庫)で何年も熟成を待つウイスキー原酒のように。ちなみにウイスキーの語源はラテン語で「生命の水」という言葉からきています。

そんなプロセスを経て、母なる水は生命の水に昇華するのです。

■ Zero Waste by T2021/02/04

森林資源
ゼロ・ウェイストという言葉があります。これはベア・ジョンソンさんが著書『ゼロ・ウェイスト・ホーム』で提唱しているゴミを減らすライフスタイルです。

カリフォルニアで4人家族のベア・ジョンソン家は、1年間に出るゴミの量が何と1リットルだそうです。ゴミを減らすポイントは5つのR、すなわち
Refuse(拒否) Reduce(必要を減らす) Reuse(再利用) Recycle(リサイクル) Rot(堆肥化)

我が家ではどうでしょう。植物性の生ゴミはコンポスト堆肥化、デポジット瓶は再利用、紙や空き缶やペットボトル等はリサイクルに・・それで1週間に1回、Sサイズのゴミ袋(約10リットル)を出しています。だから少なくとも1年間では500リットルものゴミ廃棄、到底1リットルには及びません。まだまだゴミの量を減らす余地があるようです。

ベア・ジョンソン家の取り組みで面白いなと思ったのはRefuse(拒否)。例えば学校が発行する紙のお知らせなどを、「ありがとう、でも大丈夫」の一言で拒否するというもの。

確かに我が家でも、郵便ポストに投函された無料配布のチラシや行政自治体が発行するお知らせ等のノベルティは結構の量です。極力紙リサイクルに回しています。

ところで、僕の所属している薪焚き人の会では、金山里山の会ホームページのみでお知らせし、ペーパーレスに取り組んでいます。賛否両論ありますが、今後もペーパーレス路線を続けたいと思っています。何故なら森や木を大切にする会は、紙(森林資源)を無駄にしては本末転倒だと考えるからです。

■ 不要不急 by T2021/02/05

時間と重要性のマトリックス
最近よく不要不急という言葉を耳にするが、要と急の組み合わせを考えると4つの組み合わせが考えられる。すなわち
重要緊急、重要不急、不要緊急、不要不急

これは時間と重要性のマトリックスと呼ばれるもので、今何をするべきか行動選択する際に、この4つのカテゴリーのどこに属するかを考えながら行動の選択決定する、その手掛かりである。

4つのカテゴリーの中で、重要緊急と不要不急は一般的大人ならば選択に迷うことが少ない。火事や津波など重要緊急に属するケースにはほぼ全ての人が即行動するであろうし、暇つぶしの無駄なショッピングやカラオケなど不要不急の用件は、ちよっと賢い人ならば行動選択しないであろう。(では何故マスコミは不要不急の外出を控えるように報道するのであろうか?幼稚園児に諭す訳でもないのに)

選択に悩むのは、重要不急と不要緊急である。重要不急とは、今は切羽詰まっていないが、いずれ緊急になる重要用件である。例えば半年後の借金返済とか1年後の大学受験の勉強とか・・不急なのでついつい後回しにしてしまいがちの重要不急の用件を、計画的に優先順位付けして行動できる人間はとてもデキる人間であり、僕もそうなりたいと思う人間像である。

そして最後に不要緊急についてである。例えば友人に今晩銀座に飲みに行こうと誘われたとしよう。即返事を返さねばならない。緊急である。しかしながら飲み会そのものは重要とは言えない。この場合、たとえ緊急であろうと不要の用件は行動選択しないのも一つの賢明な選択である。

以上のことから、今の禍の中で国民に広く訴えるならば「不要不急の外出を控えましょう」でなく、「不要不急の外出は無論のこと、不要緊急の外出こそ控えましょう」とメッセージを送るべきだと僕は考えるが、皆さんどう思いますか?

■ 三郎丸蒸留所2021/02/06

ウイスキー文化研究所の土屋守氏の言葉です。
「どうせ飲むなら、語れるようにならないか」

お酒は飲んでも飲まれないように、そのためにも自分なりのこだわりや信条を持たないか。そのほうが楽しいし、そんな人との酒宴の席はとても楽しく、有意味である、そう僕は思っています。

単なるお酒のウンチクを語るのではない。ウンチクは他人の受け売り。語れるようになるには自分の言葉を持たねばならない。

お酒の席で、話題となればいつも他人の噂話や愚痴ばかりで、自分の世界を語ることができない、そんな人と飲んでいてもちっとも面白くない。そう思いませんか?


三郎丸蒸留所

富山県砺波市には若鶴酒造があります。ここには北陸唯一のウイスキー蒸留所である三郎丸蒸留所(1953年発売開始)があり、昨日見学して来ました。私たち2人だけの無料見学会(要予約) 。最高に楽しい時間を過ごして来ました。

第二次世界大戦による酒米不足の逆境を、大麦によるウイスキー作りで克服しようといった逆転の発想で始まったウイスキー作り。約70年の歴史があります。特色を挙げると

発酵槽
※発酵槽

蒸留釜
※蒸留釜

熟成樽
※ミズナラの熟製樽
・ホーロー製の日本酒発酵槽をウォッシュバック(発酵槽)に転用
・発酵最終過程の乳酸菌発酵は米松発酵槽にて
・世界初の鋳物製ポットスチル(蒸留釜 2019製造)。銅90%錫8%
・熟成樽は一部県産ミズナラを用いた井波産の木樽
・カラメル等による着色は一切無し
・麦芽とグレーンウイスキーはスコットランドから輸入

今年は6月頃から仕込みが始まります。その時はもう一度見学させて頂くつもりです。一緒に行きませんか?


どうせ生きるなら、語れるようにならないか。
どうせ生きるなら、自分なりのこだわりや信条を持った方が楽しいし、そんな人と語り合うのは学びがあり、とても楽しい。

■ ショプ中 by T2021/02/07

石畑池の白鳥
皆さんに質問です。僕の知人の話です。
その人は、日常的に、ほんのわずかの距離でもクルマを使い、極力歩きません。しかし、ジムに通っています。当然ジムにもクルマで行きます。このような人を、あなたはどう思いますか?

高い年会費を支払い、ジムのマシンでウォーキングするくらいなら、日常の通勤や買い物等に徒歩で行けば、お金を使わず且つ運動にもなる。だからこの人はヘンだ、とあなたは思いますか?

僕はそう思わないのです。何故ヘンだと思わないか?僕なりの仮説があります。正しいかどうか分かりませんけど。それはこういうことです。

「実は、その人はお金を使う行為自体に快感を感じているのではないか」という仮説です。

本来モノやサービスにお金を消費する行為は、モノやサービスを必要とするから消費するはずですが、お金を支払った瞬間、モノやサービスが手に入ると同時に、快感も手に入ります。この快感が常習化されると、必要でなく快感自体にお金を消費するようになります。

お酒依存症のことをアル中と言います。麻薬中毒をシャブ中と言います。では、ショッピング中毒はショプ中?

しかしながら、お金をたくさん消費してくれる人がいないと経済は回らず、税収も増えません。むしろ国、行政、経済界は、こぞって消費喚起に躍起です。お客様は神様みたいです。

我が市では2月いっぱい、PayPayで支払えば還元されるキャンペーンが実施中です。その影響で渋滞が頻発したり商品が即完売したり非日常現象が起こっています。でも消費喚起のために不平不満は言えないのかなあ。やれやれ。

■ 16年前の記事を発見! by M2021/02/08

薪ストーブ
昨日、ネットサーフィンをしていたところ、2005年にとやま環境財団のインタビューを受けた記事を発見しました。

当時、私は高校の教員をしていました。地域活動をしている中で、富山大学名誉教授竹内茂彌先生の奥様とお知り合いになりました。互いに自宅を行き来する間柄になり、以前から環境問題に造形の深かった竹内先生の紹介で取材を受けることになりました。

改めて記事を夫と読み直したところ、夫からブログの記事にしてはとの提案を受けました。

故障が多かったバイオ式トイレを撤去するなど、当時と変わった所もありますが、考え方の核の部分に大きな変化はありません。

お恥ずかしいですが、よろしければ記事をご覧くださいませ。
「環境を守る人々へのインタビュー」からお読みただけます。
http://www.tkz.or.jp/con12.html

■ ワーキングメモリ by T2021/02/09

少々不便な里山
頭の良さとは何ですか?

NHKラジオ番組の「子ども科学電話相談」で、ある子どもから出された質問です。担当の先生は頭の良さの具体的指標を、脳のワーキングメモリの良さと答えていました。

ワーキングメモリとは、情報を一時的に記憶した状態を保ちながら、能動的に情報操作する能力です。例えば、4739という数字を耳で聞いて、次にその数字を反対から発言する行動は、ワーキングメモリの為せる技と言えましょう。

先日の妻の話です。公衆電話のある場所で、電話帳と格闘している高齢の方がいました。電話帳の小さな数字が見えないようでした。妻は「お困りですか?」と声をかけたそうです。

「〇〇市の警察署の番号が分からないのです。」と高齢の方がおっしゃるので、妻は調べて電話番号を教えたそうです。

高齢の方は、数字を聞いて頭に短期記憶し、自らの携帯電話を取り出して正しく電話されたそうです。これもワーキングメモリ操作でしょう。

世の中便利になることと、頭をよく使う(ワーキングメモリを使う)ことは、必ずしも比例するとは限りません。むしろ便利になると、数字や場所空間に関する情報を短期記憶して操作するワーキングメモリが不活発になっているかもしれません。

頭の良さ・賢さとは、少々不便・不利な状況を、頭をフルに活用して打開する能力とするならば、少々不便な里山は、賢さを鍛えるには絶好の環境と言えましょう。

■ 発達の縁起 by T2021/02/10

里山の風景
皆さん、中学校の歴史で世界の四大文明を習いましたね。エジプト、メソポタミア、インダス、黄河文明のことで、これら文明は大河流域の肥沃な土地に発達したと学んだ記憶があります。でも果たしてそうなのでしょうか?そこが他所よりも優れた土地だったからでしょうか?

極めて有利な場所に文明が発達するならば、どうして揚子江(長江)流域でなく黄河だったのか?ガンジス川でなくインダス川だったのか?何故砂漠を流れるナイル川だったのか?近くにより有利な場所があるにも関わらず、どうしてより有利な場所に文明は発達しなかったのか?

『歴史の研究』(全25巻)の著者で歴史学の大家アーノルド・トインビー(1889〜1975)は述べています。
「文明は逆境の中で生まれる」と。

極限の過酷さは文明を生みませんが、恵まれ過ぎた状況・条件も文明を発達させるには不十分なのです。

ところで何故、私たち夫婦は現在の里山に暮らすことができたのか?

私たちは結婚当初、自分たちの土地を持っていませんでした。家を建てる資金も不十分でした。両親からの土地援助や資金援助もありませんでした。一方で富山県では、長男は実家の土地と家を相続したり、子供は親からの家新築資金援助という伝統的なコモンセンスが今なお存在していますが、それに比べて私たちは不利な状況でした。

縁あって、私たちは現在の金山里山に暮らすことができています。本当に感謝しています。現在の里山暮らしの実現には、いろいろな幸運や偶然がありましたが、そんな実現要因の一つとして、不利な状況を敢えて設定してくれた両親に感謝しています。

そうそう、A.トインビーは、こうも述べています。
「自分たちの歴史を忘れた民族は滅びる」

今自分がここに居られる縁起を、忘れずに肝に銘じて。