One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 何を選び、何を選ばないか by M2018/02/21

シェーカーの影響
写真は、シェーカーの建築や家具、工芸品等を紹介した本で、結婚当初に購入したものです。奥にはシェーカーの仕事を代表するオーバルボックスが写っています。

家を建てるに当たって情報を収集していた頃に出会った本。実用性を備えた美しいシェーカーデザインの虜になりました。シェーカーの建築を模した家を建てることを考えた時期もあったほどです。最小限の機能を備えた優美なデザインに感化されました。

私たちが家を建てるに当たって参考にしたものは多々ありますが共通事項として、簡素であること、機能的であること、美しいこと、時間の経過に耐えうることが挙げられるのではないかと思います。

家、インテリアetc. 全てが私たちのアウトプットの結果です。インプットの多くは書籍と体験。それらは固有のものではありません。同じ本を読んだ人は世界中に大勢いることでしょう。同じような体験をしている人もいるはずです。しかし、インプットされた情報が個人という容器の中で再構築され、表出されたものは固有のものになるのです。同じ家、同じインテリア、同じ暮らしをしている人は、この世界には誰一人いないのはそういうことですよね。

とても面白いことだと思います。何を選び、何を選ばないのか。何を優先し、何を優先しないのか。一人ひとりの価値観が異なるから固有になるのです。

家にしろ、インテリアにしろ、見えているものはアウトプットされたものだけ。その奥には生きた時間分の体験と選択が隠れていると考えると、違って見えてはきませんか?

■ 水拭きして年輪を刻む by T2018/02/13


寒い時期、薪ストーブを焚くと我が家の室内の湿度は一階で約50パーセント、二階で40パーセント台になります。空気が乾くとホコリが目立つようになります。時々掃除機をかけた後、雑巾で床の水拭きをします。

我が家の延べ床面積は約30坪、その内バスルームと脱衣場、勝手口の3、5坪を除き全て杉板張りの床ですので水拭きが可能です。

キッチンシンクやレンジ下も杉板で、ワゴンを引き出して水拭きします。bue-due製の木製ワゴンも引き出して後ろも水拭きします。清潔が重要なキッチンに死角を作らないのは大切だと思います。

<キッチンシンク下>
キッチンシンク下

キッチンシンク下の清掃終了

<キッチンワゴン>
キッチンワゴン奥

キッチンワゴン定位置

杉材は柔らかいのでキズが付きやすいということで嫌う方もいます。むしろキズは付くものだからと認識してしまえば、かえって気になることは少ないと僕は思います。更に杉の木目が経年によって浮き出てきます。これが何とも言えない味わいなのです。階段の踏み板に浮き出た木目は自然の滑り止めにもなります。

これが堅木の床材だったらキズは付きにくいかもしれんませんが、一旦キズが付くと目立ってしまいとても気になると思いました。また合板のフローリングはキズに注意して大事にしていても、表面の印刷塗装が剥げてしまい、経年の味わいを楽しむことができません。

杉材の床板

浮き出た木目、節の割目、時間と共に刻まれる様々なキズ、全てこの家に刻まれた年輪です。

■ 草葺きと瓦葺き by T2018/02/08

宮本常一著『日本人の住まい』についての続きです。

今回は屋根の葺き方についてです。和風(日本風)住宅と言えば瓦葺きだいう認識があるとするならば、それは明らかに誤りだと僕は思います。瓦葺きは6世紀に仏教と共に朝鮮半島より伝来しました。日本列島で現存する最も古い瓦屋根は、奈良市にある元興寺の屋根(の一部)です。一度私たち夫婦も見学したことがあります。そこだけ瓦の色が異なっていました。これはもともと蘇我馬子が飛鳥に建てた飛鳥寺の瓦を移したもので、まさに聖徳太子の時代、仏教伝来の時代のものです。仏教は大陸からの外来文化でして日本発祥のものではありません。同様に瓦も大陸文化の一つです。

では日本古来の神様信仰、神社建築はどうでしょうか?伊勢神宮の萱葺きや出雲大社の檜皮葺きなど、古く由緒正しい神社は決して瓦葺きではありません。そう考えると、草葺きの古民家の方がより和風(日本風)と言えるでしょう。

明治時代になるまで、庶民は瓦葺きが許可されませんでした。農民は草葺き、町民の町屋は板葺きでした。でもこちらの方が日本の神々の系統を引く伝統的屋根だったのです。近現代になり、瓦の大量生産が可能となり庶民の瓦屋根住宅が多くなりました。

僕は当初から瓦屋根に興味がありませんでした。かといって維持管理の面から草葺きにしようとも思いませんでしたが、伝統的な草葺きの要素を取り入れ、軽量で雨流れの良い傾斜のあるステンレス屋根を選択しました。そして軒を出し、雨樋を付けない屋根を選択しました。雨樋は草葺き屋根に存在しません。当然伊勢神宮にもありません。

私たち夫婦が瓦を選択しなかった理由は、雨対策、雪対策、防風対策、そして地震対策です。瓦は重い。そしてずれる。ずれると雨漏りします。日本は雨が多いのです。また雪が積もるとさらに重くなります。富山は雪が多いのです。重いところに地震がやって来ると家が潰れる心配があります。日本は地震がとても多いのです。雨雪が多く地震の多い日本の風土には、やっぱり日本古来の伝統的草葺き屋根から学ぶのが良いと考えました。

自分の住む地域の風土や条件を考慮して合理的に家造りを考える場合、歴史から学ぶことはとても有効だと思います。

「自分の歴史を忘れた民族は滅ぶ。」 A.トインビー(歴史家)


屋根の積雪0cm
写真説明 :久々の豪雪で周囲は60センチ以上の積雪の中、我が家の屋根の積雪は0センチ。長く伸ばした軒は、肘木(ひじき)部材で支えています。軒を伸ばせるのもステンレス屋根で軽いから可能なのです。家に感謝です。私たちは家に守ってもらっています。


ウサギの足跡
写真説明 : 家の近くに見られた野ウサギの足跡です。軽妙な動物は雪に埋もれず逞しく生きています。


■ 続・土間と高床 by T2018/02/08

屋根雪山脈
前回、旅する巨人と呼ばれた宮本常一氏の土間と高床に関する考察について、記事を書きましたが、その続きです。

宮本氏は、土間は寒い北方系、高床は暑い南方系と述べていましたが、高床は雪国にも適していると僕は思います。屋根雪を自然落雪させた場合、家の周囲にはかなり高い雪の山ができます。家が雪に埋もれないためには基礎の高い高床構造が適していると思われます。冬場に冷風が床下を通るのを防ぐために、基礎の開口部を扉などで閉じるような仕組みにしておけば問題ありません。積もった雪の山脈も防風効果を発揮してくれます。

極寒のシベリアなどでは、地面を覆う永久凍土が室内の熱で溶け、家が傾くのを防ぐために、敢えて高床建築にしたりしています。よって高床は暑い地域のみに適しているのではなく、寒い雪国にも適していると僕は考えます。

もう一つ土間と高床に関して、宮本氏は面白いことをおっしゃっていました。それはそもそも仏教寺院は土間建築だったということです。現在のお寺は偉いという意識が高くなったのか高床建築が多いですが、仏教が日本に伝来した頃の法隆寺金堂や東大寺法華堂などは土間に須弥壇を設け、仏様を安置しています。それに対し高床倉庫から発展したような神社建築は全て高床です。土間の神社は存在しません。

貴族の寝殿造や武士の館は高床です。これは家で作業労働をしない人間の家に見られる特色です。それに対し家の中で農作業をする農家には土間が必要となってきます。この点からして仏教が土間建築だということにとても興味が湧きます。生きとし生けるもの全て平等といった平和的思想の仏教に通じるものを感じます。

写真は、我が家の高床基礎の周りにできた屋根雪山脈です。高床だからこそ屋根雪を自然落雪させることができます。

■ 土間と床、カマドとイロリ by T2018/02/07

『日本人の住まいー生きる場のかたちとその変遷ー』
民俗学者、宮本常一氏の研究をまとめた書『日本人の住まいー生きる場のかたちとその変遷ー』はとても示唆に富んで面白かった。

その中で特に面白かったのは、「土間と床の結婚」である。縄文時代の竪穴住居は土間住まいの原型であり、そこに南方から稲作が伝来し、収穫物の保管のために高床倉庫、いわゆる床建築が出現した。高温多湿な南の地域には高床文化が発達し、寒い北方は土間文化と氏は述べている。

土間は農作業や煮炊き調理に適し、床は寝食生活空間に適している。北陸や東北地方の農家には土間と床の結合した家が見られるとのこと。例えば五箇山の合掌造りの家などがそうである。

しかし最近の住宅は、家で作業する場面も少なくなり土間無し、あるいは土間スペースの小さい家が増えている。

また、カマドとイロリ。「土間と床の結婚」した家ではカマドは土間に、イロリは床にある。現在の調理は床上キッチンになっているが、これはガスや電気といった熱源を使用するから可能になったわけで、薪で調理するとなると土間になるであろう。

僕は、「土間と床の結婚」したような家に憧れる。そしてカマドの火とイロリの火のある家に憧れる。イロリの火は我が家では薪ストーブに相当する。あとはカマドの火が欲しい。クッキングストーブにも憧れたことがあるが、富山の暑い時期に室内クッキングストーブは非現実的と思っていたが、比較的屋外に近い土間スペースならば可能ではないかと思った。

土間から煙突を立ち上げ、クド(煮炊き場)及び石窯(オーヴン)及び燻製窯として薪を使った調理場所=カマド(もしくはクッキングストーブ)があると面白い。そうすれば伐採した樹木の枝や細い幹など、薪に使いずらい部分を調理燃料として有効活用できるのではないか。

我が家の場合、砂利敷きの車庫の一部をコンクリート土間打ちして、煙突付きカマド(もしくはクッキングストーブ)を設置することも可能である。しかもその場所は勝手口及び室内キッチンに近い場所でもある。でも優先順位としてはまだ先のことであるが・・

家造りはずっと続く。我が家には入居記念日はあるが完成記念日は無い。

■ 観測史上初の・・ by T2018/02/03

床板の隙間
気候変動かなり現実味を帯び、異常気象が異常でなくなり、むしろ頻繁に起こるようになっている今日この頃、我が家においても、今までに見られなかったことが・・

何と!2階の床板(=1階の天井板)に隙間が見られました。その隙間から2階の電気を消すと1階の明かりが漏れる箇所が出来ました。我が家の床板は杉の無垢材で、湿気の多い時は膨張し、乾燥すると収縮します。今シーズンの冬はかなり乾燥しているということでしょう。先週は真冬日が数日間続きました。大気中の水蒸気量もかなり少なかったのだと思います。

隙間が出来たとはいえ、無垢の杉板の選択が間違っていたとは全く思いません。むしろ目論見通り。合板のフローリングとは違い、木が呼吸をして調湿効果をしっかり発揮してくれている証拠です。

家の中が乾燥して、この家に住んで結露で悩むことはなくなりました。ガラスはペアガラス、窓枠は木製サッシというのも結露防止になっているのでしょう。薪ストーブ暖房なので燃焼によって生じる水蒸気は煙突より排気されます。先日、バスルームの換気扇にビニールをかぶせ密閉したほどです。入浴後、湿気は室内に放出し加湿するのです。さらに洗濯物で加湿。

雪の降る富山の冬に、乾燥で悩むのはとても贅沢なことだと思っています。

これで梅雨時にはめいいっぱい湿気を吸い取ってくれるでしょう。

■ 薪ストーブと蓄熱式暖房機のコラボレーション by T2018/01/25

蓄熱式暖房機
日中も氷点下の真冬日だった昨日、訪問した某お宅のエアコンが突然止まりました。故障ではないようです。あまりにも外気温が低いため、コンプレッサーでどれだけ空気を圧縮しても暖気を作ることができなくなったようです。このようなことは以前も体験したことがあります。エアコンでは本当の寒さには太刀打ちできないのでしょう。

夏冬と酷使させられるエアコンのコンプレッサーは当然寿命が長くありません。安直に後付け可能のエアコンですが、修理費用やランニングコストのことを考えると、雪国富山に住む僕としては躊躇します。

我が家のメイン暖房は薪ストーブですが、寝室にのみ補助暖房として蓄熱式暖房機を設置しています。メーカーはドイツのSTIEBEL ERTRON。マイコンを使用せずアナログのダイヤル及びスイッチです。深夜電力で蓄熱するペチカといったところでしょう。設置して15年近くになりますが、一度だけ分解清掃してもらっただけで、一度も故障していません。

以前住んでいた借家ではリビングと寝室が分かれていて、寝る前に布団乾燥機で布団を温めていました。現在では留守にしていても24時間蓄熱式暖房機がほのかに部屋全体を暖めてくれているので、寝具は常に温かく乾いています。さらに寝室は2階で、薪ストーブが燃え出すと暖気が上がってきます。

ある知人は、寝室は寝るだけだから寒くても良いと言っていましたが、僕はそうは思いません。人生の3分の1は寝室で過ごすわけですから、とても大切な空間です。
取り付けが容易なエアコンと違い、設置場所選択や取り付け工事がやや大変な蓄熱式暖房機ではありますが、現在のところ寝室の補助暖房として蓄熱式暖房機は正解だったと考えています。

■ 何風より何物? by T2017/12/30

One's Way風
先日の妻の記事に続けます。我が家は何風?
http://onesway.asablo.jp/blog/2017/12/29/8757127

和風?洋風?和洋折衷風?そもそも和風とはどんなもの?洋風とはどんなもの?突き詰めていくと本当によく分からなくなります。和風で行けば洋式トイレを選択できません。洋風で行けば土足で家に入らねばなりません。何風かにこだわると暮らしの快適さが損なわれるような気がします。

よって私たちが家作りを進める際に、何風にするかというスタンスは特に持ちませんでした。私たちが厳格にこだわった点、それは本物か偽物かという点です。

私たちは高温多湿な日本の風土を考慮し木造建築を選択しました。だから本物の木材を使用しました。銘木である必要はありません。ただ本物の木材であることを大切にしました。

我が家は合板のフローリング床にせず、杉の無垢板床材を使用しました。デッキの踏み板もプラスチック樹脂製にせず米杉の無垢板材にしました。外壁は木目調のサイディングにせず、杉板下見貼りにしました。

また内壁はビニールクロス貼りではなく、漆喰壁にしました。

合板もビニールクロスもプラスチック樹脂も否定しているわけではありません。素材としては立派な工業製品です。しかし合板やプラスチック樹脂で木材を模したならば、それは偽物つまり木材風ナンチャッテ材です。ビニールクロスで塗り壁を模したならば、それは偽物つまり塗り壁風ナンチャッテ・シートです。

偽物で安易安価にプチ高級感を出そうとせず、本物で真面目に身の丈の簡素感を出す。見栄は決して張らない。本物は初期投資が割高かもしれませんが、最終的にお得だと想定しました。その理由は人間同様、家も歳を重ねるからです。歳を重ねるということは本物が似合うようになるということ、そして偽物はみすぼらしくなるということだからです。

そして本物という軸で家作りを貫けば、和洋問わず家としての統一感が出るはず、そう考えました。本物は世界何処へ行っても本物だからです。

家作りに限らず家具やインテリア等にしても然り。合板でなく無垢材の家具、プラスチックでなく陶器や木の食器、電飾でなく本物の炎の薪ストーブ、等など。

決して逸品、芸術品でなくても良い。本物の日常品を大切に末長く歳を重ねさせる。それがOne’s Way風だと思っています。

■ 我が家は何風? by M2017/12/29

One's Way風
時々、「我が家は何風なのだろうか」と考えることがあります。家を立てる時、インテリア品を購入する時、特に何風を意識はしていませんでしたし、今も意識をしていません。

その時々で、地理的、経済的、人的etc. 様々な条件の中でより良いもの、より気に入ったものを取り入れた結果の我が家です。

ですから、家を見て洋風と言われたり、ログハウスと言われたりすることが度々あります。実際は、在来工法で立てられています。この風土耐え長く持つ住宅の工法として、私たちは在来工法を選びました。

インテリアについては、好きなものを集めた結果です。家具はヨーロッパからの輸入品もあれば、made in Indiaなどアジア各国からの輸入品もあります。一番多いのは県内在住の職人さんに作ってもらったものです。

雑貨も様々です。結婚当初、私の実家で使われずにしまってあった食器を譲ってもらいました。それらを今も使っています。その後、旅行の記念に、あるいは気に入った食器を見つけたから、など少しずつ買い集めて今にも至っています。

万事、この調子ですから、○○風とは言えないのです。それでも夫は「統一感がある」と言っています。私も眺めていて違和感を感じません。他の方からみるとチグハグな感じがあるかもしれませんから、「私たち風」なのかもしれませんね。つまり、「One’s Way風」

インテリアや家の写真はPintarestにもアップしてあります。よろしければどうぞご覧くださいませ。
https://www.pinterest.jp/onesway11/

■ ビクチャーエントランス by M2017/12/26

エントランス
写真は我が家の玄関です。先々週、雪が降ったときに撮りました。

扉を開けると白い世界が切り取られました。キッチンとリビングダイニングがワンフロアになっており、そこに玄関ドアが設置されているので、一階のどこからでも玄関をみることができます。

それなりに家は常に片付いているのは、そのお陰かもしれません。我が家を設計してくださった天野さん、ありがとうございます。