One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ プロスペクト理論 by T2021/12/22

里山の風景
人間は、順調で余裕のある時は損失を回避して手堅い行動を選択するが、不利な状況で余裕のない時は一発逆転を狙うような大胆ハイリスク行動を選択しがちである。このように私たちの意思決定は必ずしも合理的に行われるのでなく、感情や感覚の歪みによって期待値が変化する。これをプロスペクト理論と言うらしい。プロスペクト(prospect)とは予想とか期待の意味の英語である。

ギャンブルで負けている時、どんどん掛け金が大きくなりがちなのは、プロスペクト理論から説明できる。

ところで、年末の宝くじの時期である。宝くじの1等当選の確率は天文学的数字の限りなくゼロに近い確率で、さらに国などの宝くじ運営団体が確実に利益の一部を回収するのでゼロサムゲームとは言えず、損をする確率が限りなく100%に近い。にも関わらず、私たち人間は、超低い当選確率を過大評価し、超高いハズレ確率を過小評価しがちである。

宝くじにより大きな期待をかける傾向が強くなってきたならば、今の自分や今の社会が、不調で余裕のない状態に傾いてきている知らせかも知れない。

また一方で、満足感や余裕というものは、認識の仕方によって変化するものだ。お店も少なくアミューズメント施設もなく地味で質素なカントリーライフだとしても、明日食べるものと住む場所と家族円満が、ささやかでも確実に有るならば、それを満ち足りたものと評価し、手堅く細々と生きることも一つの賢い選択であろう。

里山カントリーに移住した者として言わせてもらえれば、簡素に自然と共に満ち足りた気持ちで暮らす覚悟ならば、傾向として大きな損失を被るリスクはかなり低いと推察するのだが。

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