One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ ある価値の贈り方 by T2021/11/28

ハンスイヌメの作品
僕がたまに訪れる京橋の某画廊、そのオーナーの話で、とても印象深い話があります。

ある日、年配のご婦人が画廊を訪れました。その女性はローランサンの絵画を購入されました。オーナーがその女性に、購入の動機を伺うと、彼女はこう話されたそうです。
「生まれたばかりの孫娘にプレゼントしようと思っています。昨今はお雛様を買ってあげても、狭い部屋に置くスペースも十分でないし、日々家族は忙しく、お雛様のお世話も大変でしょう。でも絵画だったら場所もとらず、ずっと飾って楽しめます。」

生まれたばかりの赤ちゃんにとって、ローランサンの絵画たるものが如何なる価値のものなのか、現時点でが分かるとは思えません。しかしだからこそ、この女性がお孫さんに、ローランサンの絵画というモノを通じて、孫娘の一生という長期的展望から、何か価値あるものを与えているように、僕には思えてなりません。

お孫さんの通学の送迎をしたり、振袖や洋服を買ってあげたり、中にはクルマを買い与えたり、はたまた孫娘の結婚に際し家まで用意してあげたり、世の中にはいろいろな人間模様があり愛情表現があるでしょう。でもそんな中で、僕はこのローランサンの話がとても好きです。

先日の朝、町内の不燃物収集日でした。近所でリフォーム中の家があって、たくさんの不燃廃棄物が収集場所に集まっていました。そんな光景を見て、なぜか、ふとローランサンの話を思い出しました。

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