One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ いつ何時 by T2021/12/23

冬至のカボチャ
冬至の昨日、今年も夏に収穫した自家製カボチャをいただくことができました。

最近では、栄養価の高い食べ物が簡単に手に入る時代なので、昔ほど冬至のカボチャを貴重に感じなくなったかも知れません。でもいつ何時、食糧難になるかしら分かりませんよ。何せ日本の食料自給率は40%を下回っているくらいですから。そんな潜在的リスクのある日本において、常温で4か月以上も保存できるカボチャはきわめて優等な野菜です。

江戸時代の飢饉や太平洋戦争時、幾多の食糧難を乗り越えるために、先人達はカボチャなどの救荒食物の栽培を奨励してきました。しかし、そんな時代をリアルに体験した世代は少なくなっています。それと反比例するように、日本では食品ロスが進行しています。皆さんのご家庭では如何ですか?

歴史学者A.トインビーは言いました。「歴史を忘れた民族は滅ぶ。」
冬至すなわち復活の日を機会に、未来に備えるべく、過去から学びましょう。

■ コンパニオンプランツ by T2021/10/30

マリーゴールド
現在、夏野菜が去ってしまった菜園に、マリーゴールドが伸び伸びと咲き誇っています。写真では、手前のニンジン葉の後ろに、長ネギの側で咲いているマリーゴールド。

害虫対策として、またコンパニオンプランツとして、毎年数株のマリーゴールドをキュウリやナスなどの近くに植えます。キュウリやナスが終わっても一年草のマリーゴールドは霜が降りる頃まで楽しめるというわけです。

ところで、我が家の菜園の冬野菜は、ダイコン、ハクサイ、シュンギク、ニンジンなどなど。「タマネギは植えないの?」と訊かれることがよくあります。

我が家ではタマネギを栽培しません。タマネギのように一気に収穫する保存野菜は、小さな家庭菜園で作るより大規模有機農園でつくられたタマネギを購入した方が対労働・対費用効果の面で有効だと考えるからです。家の側の小さな家庭菜園では毎日少しずつ新鮮な収穫のできる品目を育てています。

だからタマネギでなく長ネギを育てています。それに長ネギもマリーゴールドと同様コンパニオンプランツとして優秀です。

■ 竹を伐る季節 by T2021/10/15

竹割機
これから11月にかけては、竹を伐るには適した季節です。竹の水分吸い上げ量も少なくなり、竹の締まりが良くなります。また水分が少ないと腐りや虫喰いが少なくなります。

僕の場合、枝打ちした竹幹を⒈5mに切ります。そして写真の竹割り器を使って4等分します。割り竹は、菜園や庭にて野菜や苗木の支柱等に利用します。⒈5mの長さが我が家の用途目的と打ち込み作業に適しています。

割り竹は土に埋め込んだ所から腐るので使用年限は5年ほどですが、腐るということは土に還るということで、廃棄物問題を生じません。また、割ってあるので燃やしてもバンバン爆ぜることがありません。そしてチッパー機にも投入しやすいです。

竹は持続可能で循環型の材です。

■ すぐり菜 by T2021/10/10

すぐり菜
「すぐり菜」という品種の野菜は存在しません。すぐり菜とは、野菜が成長する過程で間引きした野菜の総称です。

ただ今、大根のすぐり菜が豊作です。根の部分も大根らしくなりつつあります。

一気にすぐると調理が追いつかないので、少しずつすぐって食べ、処理し終わったら次をすぐってきます。

我が家のすぐり菜は安心して食べることができます。何故なら農薬や除草剤を一切撒いていないことを誰よりも僕自身が知っているからです。少々虫喰いの跡があるのが、何よりの証拠です。

すぐり菜は、野菜を育てている人だけが食べることのできる野菜です。何故なら、すぐり菜はスーパーには売っていない野菜だからです。

すぐり菜は、野菜を育てている人に与えられるポイント還元です。

■ 土壌分析 by T2021/10/02

有機栽培
野菜の有機栽培を本格的に持続していくために、我が家の菜園の土を化学的に分析してもらいました。

知人の専業農家から教えて頂いた栽培コンサルタントは、長野県に本社のある株式会社ジャパンバイオファーム。丁寧な応対で第一印象は良好です。

今まで有機栽培は、経験と感覚で行われてきた感があります。また有機栽培だから見た目や収穫量が悪くても、そんなもんだろうといった諦め感もありました。有機栽培だから栄養価も高いんじゃないかといった漠然としたイメージもありました。そして有機栽培は環境意識高い系の人がやるものといった棲み分け感もありました。

そんな先入観を一掃し、科学的及び化学的根拠を元に、有機栽培が化学肥料栽培より、長期はもとより短期的にも環境面や品質面で優位であることを実証したいと考えます。

と同時に、有機栽培は自然放任栽培とも異なります。そもそも野菜は天然の山菜ではありません。野菜は人工物です。野菜が人工物である以上、作為的に土壌改良や施肥を行う必要があります。有機野菜だからといって栄養価が高いとも限りません。むしろ有機栽培は化学肥料栽培よりも土地を痩せさせることも考えられます。

カンと経験に頼るだけでなく、また、環境や健康といった倫理感情に訴えるだけでなく、理屈で論理的に説明できる野菜の有機栽培を続け、その蓄積された成功事例や失敗事例データを次世代の人間に伝えて行けたならば、有機栽培が持続可能な栽培になるのではないかと考えています。

■ 野菜哲学 by T2021/09/11

最後の夏野菜
昨日、大根やほうれん草などの種を蒔きました。これからしばらく晴天が続く予報で、水撒きが日課となりそうです。と思い水を撒いたら、雨が降りました。

ところで最近、野菜の価格が高騰しているそうです。そんな中、家庭菜園をしていれば野菜高騰の影響を受けない、とあなたは思いますか?たとえば一本100円のキュウリなんか買わなくてもよいと。

確かに我が家では毎年キュウリを作っています。でも今はキュウリの収穫は既に終了しています。だから今キュウリを食べたいならば、一本のキュウリに100円支払って購入しなければなりません。でも僕はそんな買い物はしません。

野菜には収穫時期があります。一つの野菜が一年中採れるわけではありません。だから家庭菜園の野菜を食べるならば、いっとき同じ野菜を来る日も来る日も食べ続けるということになります。必然的に食生活は、いま食べたい野菜を食べるのでなく、いま手に入る野菜を食べるという生活になります。

野菜が高騰しているといっても全ての野菜が高騰してるわけでもないでしょう。高騰していない野菜を来る日も来る日も食べ続け、季節が移り変わって食べる野菜が徐々に変わっていく、それで良いんじゃないかと思うわけです。いま手に入りやすい野菜を食べるという生活です。

いま食べるに最適の野菜、それは、いま手に入る野菜。
そんな知足の野菜哲学には、野菜を作っている人と作っていない人との差はありません。

■ 栗は不労所得 by T2021/09/09

栗
今年も栗が採れ始めました。

米や畑の野菜と違って、栗は全く手間要らず。畝を耕したり肥料を与えたりすることなく毎年実を落としてくれます。まさに天から降ってくる不労所得。

現代の日本では食糧の流通が進み、いつでも食べたい時に食べることができるといった先入観が広がっています。でも日本の食料自給率は40%を下回っているのが現状。富山県においても余るほど自給されているのは米くらいで、他の野菜さえ農家ですら賃金労働で稼いだお金でもって購入せねばならないのが現状です。

人間が哺乳類である以上、食の安定確保はいつの時代にあっても生命線です。突然にして日本が飢餓状態になるとは言いません。しかしながら現物の食糧を探し回る代わりに、食糧を購入するためのお金を探し求めて、死ぬまで食費を稼がねば生きていけない逼迫した状況になることは想定できます。

そんな時、放っておいても実を落としてくれる栗のような自然の恵みは、毎年増えていく利息のようなインカムゲイン。お金と違ってインフレーションによる価値下落もありません。

栗に限らず胡桃や栃の実、柿、梅などの不労所得を徐々に増やしていくことは、来るべき老後の生き甲斐、楽しみプラス経済的自立に貢献すると僕は考えます。

■ 秋茄子 by T2021/08/20

手の生えた不思議なナス
夏の間、サッパリ実をつけなかった我が家のナス、長雨が降り暑さも収まって、ようやく実をつけてくれるようになりました。

夏の間、ナスは枯れていたわけではありません。むしろ例年以上に葉を茂らせていました。ただ、葉をたくさんつけていたのですが花が咲きませんでした。まるでチッソ過多によるスイカの蔓ボケのようでした。

このことは、チッソなど土中の養分が生長にばかり使われてしまい、生殖に回らなかったと推測します。

まだまだ分からないことばかりの野菜作り。ましてや有機野菜栽培となると尚更です。何故ならば有機栽培の知恵を求めようにも、有機栽培の知恵を持っている人が身近にいません。特に年配のほとんどの人が化学肥料栽培。

とにかく分からないならば、そして教えを乞うことが困難ならば、自分で勉強するしかありません。

写真は、手の生えた不思議なナス。本当に分からないことだらけです。

■ 桃栗三年 柚子一年足らず by T2021/08/16

青柚子
今年の2月28日に苗を植え付けた柚の木が、何と!小さな実を2つつけていました。

今の時期の柚子の実は未成熟の青柚子と呼ばれ、店頭に並ぶことがあるそうです。そして10月以降収穫される黄色く熟した柚子が黄柚子。つまりは柚子の収穫時期は2回あるとのこと。

我が家の青柚子は、樹木本体を成長させるためにも収穫した方が良いのでしょうか?でも何だかもったいないような気がして。

それにしても、夏の猛暑、そして長雨、柚子はよく頑張っています。

■ 何を作っているのか by T2021/07/24

有機無農薬野菜
突然ですが、登山の醍醐味は自分の脚で頂上まで登ることにあります。現代では、ヘリコプターや飛行機で頂上よりも高く上がることはでき、頂上からよりも雄大な眺めを満喫することは可能ですが、だからといって登山の醍醐味が薄れることはありません。結果として得られる眺望が同じであったとしても、登山と飛行機では別物だからです。

同様のことが自家製野菜にも言えます。

多量の化学肥料を使って育てた野菜と、落葉堆肥や有機肥料を使った野菜とでは、結果として得られる野菜が同じ(あるいは化学肥料の方が大きいかも)でも、全く別物です。似て非なるものです。

化学肥料をたくさん使って野菜を作るのだったら、近所のスーパーマーケットで野菜を買った方が、安くて労力も節約できます。信頼できる野菜を手に入れるためには、自分で作るのが最も良いと思って、自分で有機無農薬野菜を作っています。

有機無農薬野菜の栽培は、自然に左右されるので、時に努力は無に帰すこともあります。安易に「努力は必ず報われる」と根拠もないのに言えません。しかし、努力した自分を最も認めている人が絶対に1人は存在します。自分です。
だから「自分は自分の努力をけっして裏切りません」

有機無農薬野菜の栽培は、野菜の収穫に限って言えば、時に努力は無に帰すことがあります。しかし絶対に努力が無に帰さない収穫物が一つ存在します。それは、後世に安心して託すことのできる菜園の土。良質な土を残すことができる。そのことは自分の努力をけっして裏切りません。

有機無農薬野菜の栽培は、目的追求としては野菜ですが、価値追求としては良質な土を作っていると言えるでしょう。