One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 発達の縁起 by T2021/02/10

里山の風景
皆さん、中学校の歴史で世界の四大文明を習いましたね。エジプト、メソポタミア、インダス、黄河文明のことで、これら文明は大河流域の肥沃な土地に発達したと学んだ記憶があります。でも果たしてそうなのでしょうか?そこが他所よりも優れた土地だったからでしょうか?

極めて有利な場所に文明が発達するならば、どうして揚子江(長江)流域でなく黄河だったのか?ガンジス川でなくインダス川だったのか?何故砂漠を流れるナイル川だったのか?近くにより有利な場所があるにも関わらず、どうしてより有利な場所に文明は発達しなかったのか?

『歴史の研究』(全25巻)の著者で歴史学の大家アーノルド・トインビー(1889〜1975)は述べています。
「文明は逆境の中で生まれる」と。

極限の過酷さは文明を生みませんが、恵まれ過ぎた状況・条件も文明を発達させるには不十分なのです。

ところで何故、私たち夫婦は現在の里山に暮らすことができたのか?

私たちは結婚当初、自分たちの土地を持っていませんでした。家を建てる資金も不十分でした。両親からの土地援助や資金援助もありませんでした。一方で富山県では、長男は実家の土地と家を相続したり、子供は親からの家新築資金援助という伝統的なコモンセンスが今なお存在していますが、それに比べて私たちは不利な状況でした。

縁あって、私たちは現在の金山里山に暮らすことができています。本当に感謝しています。現在の里山暮らしの実現には、いろいろな幸運や偶然がありましたが、そんな実現要因の一つとして、不利な状況を敢えて設定してくれた両親に感謝しています。

そうそう、A.トインビーは、こうも述べています。
「自分たちの歴史を忘れた民族は滅びる」

今自分がここに居られる縁起を、忘れずに肝に銘じて。