One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 贅沢 by T2019/07/27

雑木の庭、天然のエアコン
この世には、昔も今も、搾取する者と搾取される者という分業が存在している。

昔、領主や貴族(搾取者)が、農民(被搾取者)から、年貢という形でコメを搾取。
今、セレブ企業(搾取者)が、庶民(被搾取者)から、贅沢消費という形でお金を搾取。

昔、贅沢は領主や貴族の特権、我慢は農民の責務。
今、贅沢消費は庶民の責務。

例えばエアコン。

昔、暑いのを我慢するのが美徳。
今、暑いのを我慢して周囲を心配させるのが悪徳。

昔、欲しがりません、勝つまでは、贅沢は敵というファシズム。
今、贅沢消費を我慢する奴は敵と言わんばかりの集団圧力。

ところで

数年(?)前、僕は結婚の請願に妻(妻になる人)の実家を訪れた。8月のとても暑い日だった。一応上下スーツで訪れた。妻の実家にはエアコンが無かった。内心「冗談だろ、勘弁してくれよ」と思った。だがしばらくして、周囲の田園と屋敷周りの庭を抜ける風がとても贅沢に感じられた。本当の贅沢とはこういう贅沢を言うのだと思った。

あれから、私たち夫婦は里山に住み雑木の庭を整えてきた。年々屋敷周りの地面の焼け込みが緩和されてきている。現在、我が家にはエアコンが存在しない。今後も天然のエアコンを作る気概で作庭に努めるつもりだ。その根底には、あの時の贅沢な風が今も心の中に吹いている。

昔、贅沢は敵
今、フツーの贅沢じゃ満足できない。搾取されない本当の贅沢がしたい。