One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 常時沸くお湯の常識 by T2019/11/17

薪ストーブ


我が家には電気ポットという道具が存在しないので、コーヒーやお茶を飲みたい時はガスレンジでその都度お湯を沸かします。

しかし!薪ストーブを焚く季節になりますと、ストーブ天板上で常時お湯が沸いているので有り難いです。常時沸くお湯は部屋の加湿にも貢献しています。

かつて戦時中生まれの父が、幼い頃の食事で最も印象的で記憶に残っていることを話してくれたことがあります。それは食後の熱い白湯だったと。それが一番嬉しかったと。

熱い白湯に幸福を感じることのできる状況は、ある意味とても幸せな状況です。幸福の感受性がとても敏感である証です。現代は電子レンジや電気ポットでいとも簡単に温かい食事が可能です。私たちはコンビニエンスストアの温めサービスに有り難さをどれだけ感じることができるでしょうか?

しかし昔は、温かい食事というだけで豊かさを感じることができたのでしょう。

約20年前に旧東ドイツのワイマールを訪れた時、ドイツ人の家庭では夕食のみに温かい食事が用意されるという話を聞きました。真偽の程は定かではありませんが、合理的質実ないかにもドイツ人らしいなと思いました。事実、ホテルで食べた朝食は生ハム、チーズ、ライ麦パンといったコールドミールでした。

時代が便利になればなるほど、豊かさの濃度が薄まっていくような気がします。便利になるにつれてちょっとやそっとじゃ幸福感を抱くことが困難になりつつあります。と同時に私たちは生きる意味について一層悩んでいるような。

朝食後、残った梅干しの種を入れた御飯茶碗にお湯を注ぎ、碗を拭って飲み干しました。こうすると食器洗いが楽になります。そう、推察の通りです。我が家には食器洗浄機はありません。でも・・

幸福感というものは、便利さとは別のところにあるようです。