One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 金次郎の金言 by T2019/11/28

悩むカエル
「畑の草引きは、雑草がまだ伸びきっていない畑から始めよ」

これは二宮金次郎(尊徳)の言葉です。
とかく私たちは雑草が大きく蔓延っている所に目が行きがちです。そんな雑草と先ず格闘し始めると、終了した頃には雑草がまだ伸びきっていなかった他の畑が草茫々になっていて、常に自転車操業の草取り作業になります。それならば先ず最初に処理の容易な畑を片付けてから、余裕のできたところで大変な畑を腰を据えて除草するのが良い、と金次郎さんはおっしゃっているわけです。たとえ雑草が大変な畑が残ったままだとしても残りの場所はキレイだという安心感が得られます。

里山暮らしに限らず、生きることは悩みの連続です。その都度悩みがサクサクと解決できて次に移行できれば良いのですが、人生そう思う通りにはいかないものです。解決の糸口が見つからない悩みもあります。だからといってその悩みばかりと格闘し立ち止まってばかりいると生活そのものが回っていきません。

そんな時は一旦困難な悩みから視点を移し、日々の中で先ずしなければ後で問題が生じてくる事柄に目を向けてそれを淡々と行っていく、そうして余裕のできたところで本題の悩みに対峙し、解決できることとできないこととの仕分けを十分行い、できることに精一杯努力する。このような姿勢はとても金次郎的です。

最近の日本においては、生存していくための悩みよりも、生存できることは当然のことで、それよりも対人関係の中で認められたいという社会的承認欲求や生きがいといった自己実現欲求という高いレベルの問題で悩むことが多いような気もします。そして悩みによって日々の暮らしが止まってしまい、引きこもり身動きが取れなくなる場合もあるようです。

そんな時こそ、生存するという根本的な問題に立ち返り、生き続けるという問題に視点を移し、起きる・体を動かす・食べる・寝る・・といったいった日々の暮らしをより丁寧にこなしていくことも大切なのではないかと思うわけです。

人間も自然の一部である里山暮らしにおいては、そんな生存に密接に関わる仕事や活動がとても数多くあります。朝決まった時間に起きる、薪ストーブに火を入れる、洗濯物や布団を干す、部屋の掃除片付けをする、食事を丁寧に作りゆっくり食べる、身だしなみを整える、薪割りをする、野菜を育てる、庭や道路の落ち葉を掃除する、家族と対話する、季節や地域の年中行事に参加する、それに草取りを行う・・。そんな生存に密接に関わる活動を意識して丁寧にこなしていると、生きているという感覚から生かされてるという感覚に知らず知らずシフトする瞬間があります。生かされていることへの感謝の気持ちが湧き、心に喜びと余裕ができたところでさあ本題の社会的承認や自己実現等の悩み解決に取り組もうと思ったら・・何ということでしょう!既に悩みが小さくなっていた・・・   

ということもあるかも知れません。

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