One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 余らぬやう 不足なきやう by T2021/10/03

緑の庭
昨日10月1日、タバコの値上げが行われました。何と!一箱600円台になったそうです。その内300円以上が税金です。

最近は嫌煙傾向の強い時代ですが、それは煙が目に見えるモノだからでしょう。とにかく目に見えるものは目立ちます。ポイ捨てされた吸い殻もよく目立つ。

それに対して、税金は目に見えない。意識されにくい。だから、たくさん税金を負担してくれているということで愛煙家に感謝する人はほとんどいません。

でも、喫煙者は傾向として健康を害すリスクが高いそうですので、傾向として病気になり医療保険制度を圧迫しているとすれば、その弊害も目に見えません。

総じて見るに、喫煙者は身体を犠牲にして多くの税を納めると同時に、あまり喫煙による患者が増えると財政を圧迫するということでしょうか。もしも徳川家康(もしくは本多正信)ならば「この世をば、喫煙者を生かさぬよう殺さぬよう」と命ずるかもしれません。

とにかくも、人間は傾向として目に見えるものに強く影響を受けます。メラビアンの法則を引き出すまでもなく、人間は視覚優位な生き物のようです。

例えば、菜園や庭の雑草。見えると気になります。でもその雑草が光合成をして二酸化炭素を吸収したり、根が土を柔らかくしたり、枯れ草が土地を肥していることにはあまり意識されません。

目に見えないものを意識する姿勢は、思考を柔軟にしてくれると僕は考えます。柔らかい頭で、雑草と協力して、でもあまり雑草が伸びるとそれも問題ですので、雑草を「力の余らぬやう、不足なきやう、治むること道なり。」

■ ぬばたま by T2021/09/27

ぬばたま(ヒオウギの種)
ぬばたまの 夜の更け行けば 久木生ふる 清き川原に 千鳥しば鳴く
万葉集 山部赤人(やまべのあかひと)

「ぬばたま」とはヒオウギの種子のこと。黒い色をしていることから、夜や黒髪など黒いものにかかる枕詞です。

義母から頂いた我が家のヒオウギも黒い種をつけました。ヒオウギは宿根草ですが、種でも増えています。とても丈夫です。

「久木(ひさぎ)」とは、アカメガシワの樹木のこと。我が家では、土地を購入した当初から現在に至るまで、清水流れる日当たりの良い場所に数本の久木が自生しています。アカメガシワは辺縁植物(マント植物)で、中程度の高さで雑木林の縁を守っています。

屋敷林の雑木も成長して、野鳥が頻繁に訪れてくれるようになりました。山部赤人の和歌のように、良い縁起をもたらしてくれることを願います。

■ マル by T2021/09/20

脱皮したヘビの旧皮
庭で草刈り機をかけていると、脱皮したヘビの旧皮を発見!長さを測ると何と140cmもありました。

この長さだとマムシではありません。シマヘビもしくはアオダイショウでしょう。

シマヘビやアオダイショウは無毒のヘビ。本当かどうか分かりませんが、シマヘビやアオダイショウのいる場所にはマムシはいない、という話を聞いたことがあります。もし本当だったらシマヘビやアオダイショウを大切にしないと。マムシは毒ヘビで危険ですから。

ヘビは神様の使い。ネズミなどを捕獲してくれ家を守ってくれます。発見した時はドキッとしますが仲良くしないと。ヘビに大きなマルを与えましょう。

■ 付け焼き刃でも身を助けることがある by T2021/09/17

紅葉の紅葉
先日、実母から「庭のモミジがシダレヤナギになっている。」という訳の分からない電話があった。要はモミジを剪定して欲しいということであろう。

実家へ行ってみると、確かにモミジは千手観音のようだった。2時間ほど剪定作業をして、一応モミジはモミジのようになった。

と書けば数行の文章で終わってしまうエピソードだが、これを実際に行うとなると、数々のハードルがある。当然、僕のような剪定技術の未熟さは大きなハードルであるが、ここでは割愛しよう。ここでは剪定技術にたどり着く以前の話をする。

先ず剪定鋏や剪定鋸が常備してある必要がある。そして何より剪定梯子やヘルメットがあること。まあここまでは大したことじゃない。問題はたくさん出る剪定枝を運び出すための車両(軽トラックなど)があること。そして最高のハードルは、剪定廃棄枝をサッサと庭から搬出し、それを捨てたり処理したりする場所や手段があること。専門業者に委託し有料焼却施設に持っていくと廃棄処理費だけでも結構の出費だ。

里山で暮らすということは、樹木と身近に生きるということ。自然とそう成らざるをえない。稚拙ながらも里山で鍛えられた付け焼き刃が身(身内)を助けることになったとしたならば、里山に感謝せねばならない。

■ 忘己利他 by T2021/09/12

忘己利他
庭の樹木が大きくなるにつれて、野鳥が窓辺近くの枝にも羽を休めるようになってきました。この家は安全だと野鳥たちが認識してくれるようになったとしたならば、嬉しいことです。

先日、窓辺近くの枝に、じっとして動かないシロハラと思しき野鳥がいました。怪我でもしたのでしょうか、5分近く動かずにいました。すると、もう一羽が餌を咥えて飛来、口移しで餌を与えていました。そんな餌のやり取りを数回行っていました。

何と素敵な光景でしょう!これ以上下手なコメントは不要です。

■ 訪問者たち by T2021/09/08

アベリア
家の前の通り沿いに植えられたアベリア。その花の蜜を吸いに連日蝶がやって来ています。夏の花として植えたアベリアですが、9月の初秋になってもラッパ型の白い花を咲かせてくれています。

人間の訪問者は、以前よりも滞っている今日この頃ですが、鳥や虫たちにはウイルス対策は不要。大歓迎です。

庭の樹木も大きくなってきました。それにつれて野鳥が頻繁に訪れてくれています。満ち溢れた生命力に囲まれていると、それだけで健康になる気がします。

作り込まず、管理し過ぎず、なるべく大らかに、伸びやかに。
庭も心も、そうありたいと思っています。

■ グリーンカーテン by T2021/08/30

グリーンカーテン
突然ですが、僕はカーテンが苦手です。センス良くカーテンを部屋に加えるのは、僕には難しいと思うからです。だから、品良くカーテンを設置している人を僕は尊敬します。

カーテンよりももっと嫌いなのはブラインド。ホコリの溜まったブラインドは最悪です。

暖簾(のれん)は許容できます。金具が付いておらず、布地もピンと張っていてスッキリしているから好きです。

一番好きなのは、窓辺に何も無い状態。シンプルに勝るものはありません。

とはいえ、暑い時期の直射日光は遮りたい。そんな時にはグリーンカーテンです。

でもゴーヤやアサガオなどツル植物のグリーンカーテンは手入れが重要で、手入れを怠るとかなりみすぼらしいものに。

そこで我が家が選んだグリーンカーテンは、里山の主木コナラのグリーンカーテン。南東側に立つコナラは残暑の日差しを遮ってくれ、寒い時期は落葉して暖かい日差しを室内に届けてくれます。

■ ずっとここで刈り続けるby T2021/08/23

草刈り後の庭
早朝6時から町内の道路沿い草刈り作業に参加しました。

9時頃に遅めの朝食をとった後、今度は家庭菜園の草刈りをしました。

そしてずっと草刈りばかりして、ふと思いました。
「そうだ!髪の毛を刈ってもらおう」

と言うわけで午後には、妻に髪の毛をバリカンで刈ってもらいました。

いつも使っているバリカンの説明書を見ると、購入年は2009年9月。ということは、僕はかれこれ12年間、家で髪の毛を刈ってもらっているわけです。理容院に行かなくなって12年。

12年前には思いもしていませんでした。外出自粛要請の時代がやってくることを・・。

「どこに行けるかでなく、どこにいるか。」
これは、25年前、この里山に土地を求めた時の私たち夫婦のスローガンです。

■ ほんのささやかな夢 by T2021/08/21

白ユリ
かつてから、僕には夢があった。取るに足らないほんのささやかな夢だった。
その夢とは、自分の手に入れた土地で、自分で育てた花を、お盆の墓参りに供えることだった。

そんなささやかな夢は数年前に実現させることができた。そして今年のお盆には、白ユリとヒオウギとミソハギを切り花として供えた。

広い地球上で、ほんの僅かの土地ではあるが、少なくともその土地は、自分たちの土地になったことで、花咲く土地に変わったという証拠であると認識している。

■ 歴史に学ぶ時 by T2021/08/18

ストラスアイラ蒸留所
現在のイギリスは世界に誇る園芸大国である。イングリッシュガーデンという言葉も、ときどき耳にする。そんなイギリスの王立園芸協会が設立されたのは、1804年。当時のイギリスは、産業革命以降、都市公害問題と並んで、労働者階級の飲酒、賭博、退廃娯楽による社会問題を抱えていた。「植物を育てることは、人々の生活をより良きものにする」の信条のもと、世界初・世界最古の園芸協会が設立された。

ところで、現在のコロナ禍で、人々はかなり高ストレスの状況に追いやられている。しかし、今までストレス発散方法として手っ取り早く選択されていた飲食を伴う社交やショッピング、娯楽的外出は、非常事態宣言等によって制限されている。

どんなに忍耐強い人間にもストレス容量には限界がある。案の定、我慢の限界に達したのか富山県も感染拡大してる。今までの手っ取り早い刹那的ストレス発散に替わる、生産的で安全なストレス発散方法が今こそ必要とされている。はたして、それをどうやって探せば良いだろう?そんな時、人類は常に歴史から学んできた。

季節も秋になり、朝晩は涼しくなってきた。身の回りを見渡せば、里山は言うに及ばず、結構街中でも土や緑がある。今こそ、ガーデニングの真骨頂を見せる時である。