One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 新しい生存様式 by T2020/09/24

ヤブラン
五木寛之の著作『大河の一滴』の中に書かれた、環境保護活動家C.W.ニコル氏の南極探検中の話を紹介します。

南極などの極地では、長い間テントを張って来る日もくる日も風と雪と氷の中で、じっと我慢して待たなければいけない時がある。そういう時にどういうタイプの連中がいちばん辛抱強く、最後まで自分を失わずに耐え抜けたか。ニコルさんに言わせるとそれは必ずしも頑健な体を持った、いわゆる男らしい男といわれるタイプの人ではなかったそうです。/ たとえば、南極でテント生活をしていると、どうしても人間は無精になるし、そういうところでは体裁をかまう必要がないから、身だしなみなどということはほとんど考えなくてもいいわけです。にもかかわらず、中にはきちんと朝起きると顔を洗って髭を剃り、一応服装を整えて髪をなでつけ、顔を合わせると「おはよう」とあいさつし、物を食べるときは「いただきます」と言う人がる。こういう社会的なマナーを身につけた人が意外としぶとく強く、厳しい生活環境の中で最後まで弱音を吐かなかった。

希望の光が見える時には、人間は言われなくても頑張ります。
でも、希望の光が不明瞭な時であっても、眼前のなすべきことを淡々とキチンと実行し続ける人間には、大きな器を感じます。愚直に繰り返し黙々と行動し続けること自体に価値を感じます。

希望の無いアウシュビッツを生き抜いたフランクル博士。
「たとえ明日世界が終わろうとも、私は今日リンゴの木を植える」と言い残した宗教改革者マルティン・ルター。

日々の一歩を積み重ねることが希望を実現するもしれないし実現しないかも知れません。それは確証が持てません。しかしながら、そんな確証の無い現実にあっても確実に言えることは「日々の一歩を積み重ねることが強い自己を実現していく」そのことには確証が持てると僕は考えます。