One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 火の一生 by T2020/03/31

誕生直後の火

毎朝、薪ストーブの火を付けます。火が安定するには約30分くらいかかります。この間は、組まれた薪がちょっと崩れたりするだけで火が消えることがあります。空気の量にも気を配らなければなりません。少しずつ火を大きくしていきます。目を離すことができません。

その間に神棚の榊の水を替えたり、歯磨きしたり、ブログを書いたりしながら、火をチェックしています。

ふとラジオに耳を傾けると、子育ての話をしていました。乳幼児期は目を離している隙に異物を飲み込んだり、段差から落っこちたりする危険に満ち溢れているとのこと。僕には子育ての経験はありませんが、子育ても小さな火を大きくしていくのも共通の点があるような気がしました。

火が大きくなって炉内温度も適温になってしまえば安心。火は自立します。時々薪を追加する手間くらいで、それ以上に暖かさでもって周囲に応えてくれます。頼もしい限りです。

火が消えていく過程は一層手間がかかりません。誰の手も煩わせることなく、知らないうちに、静かにゆっくりフェードアウトしていきます。

そんな火の一生に憧れます。

「歳月は、情熱の炎を消し去り、それを温もりに変えてくれる。」
スコッチウイスキー『ラガヴーリン』のラベルより