One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 出番のないまま by M2020/04/01

出番のなかったニット帽
写真のニット帽、この冬は一度も出番がありませんでした。その理由は暖冬。冬の冷え込んだ日、ニット帽は大活躍します。耳を覆ってくれます。少々の雪ならニット帽で十分。吹雪の時でも飛ぶことがないので安心です。

ニット帽以外にも出番のないまま春を迎えたものがたくさんあります。例えばのれん。窓ガラスから熱が外に逃げるのを防ぐために、いつもの冬はのれんをかけます。この冬はかけることがないまま終わりました。

そういえば長靴にも出番がありませんでした。最深積雪が数cmでしたから…。さらにストーブのスチーマーも出さないまま冬が終わります。いつもの冬は室内が乾燥し過ぎるためスチーマーは欠かせませんでした。この冬は冷え込みがなかったため空気中の水蒸気が極端に減ることはなかったようです。肌がカサつくこともありませんでした。

出番のなかったニット帽。少々季節外れな気もしますが、桜が散るまでは玄関先に飾って楽しみましょう。アイボリー色に春を感じます。

■ チェンソーの選び方 by T2020/04/02

ハスクバーナチェンソー
本格的な薪ストーブ生活にはチェンソーが必需品です。どこのメーカーのチェンソーがお薦めか質問されることが時々あります。僕はこう答えています。

「どこのメーカーのチェンソーにするかを決める前に、どこのお店でチェンソーを購入するかを決めた方が良いでしょう。」と。

チェンソーは極めてハードに酷使する機械なので、故障修理せねばならない時が必ずあります。信頼のおけるお店と関係を維持することはチェンソーそのものの品質以上に重要です。というのは、どんなに品質の良いチェンソーであったとしてもメンテナンス補修してないと役に立たないからです。
信頼のおけるお店が取り扱っているチェンソーつまりそのお店が得意とするチェンソーを、そのお店を通じて購入するのがよろしいと思われます。つまりチェンソーを通じて信頼できる人間関係を獲得するということです。

特殊機械であるチェンソーの場合、割安という理由からインターネット購入や量販店購入を僕は選択しません。専門店スタッフのスキルと経験に僕は投資する選択を取ります。

おかげさまで、我が家のハスクバーナチェンソーは、20年6ヶ月経過して現役中です。

■ 里山日常がフィットネスクラブ by T2020/04/03

山桜
先日、母が言っていました。「こんな時期、スーパーに買い物に行く以外は外に出ないようにしてるわよ。」
僕はスーパーが特に危険だと思うんだけど・・。今年は筍の収穫に母を連れ出そうかな?

外出自粛やスポーツジム閉鎖が進んでいます。確かに感染は心配ですが、筋力低下や体力減退が予想されます。

そんな現状にあって、里山の日常は急激な変化も少なく、皆さん日々体を動かしつつ生活をしておられます。田おこしも進み畑の畝作りも始まっています。

これからは山菜や筍の時期になります。野山で過ごす時間が増えます。

サクラやコブシも咲き、チューリップも蕾をつけています。ガーデニング全開です。

里山の日常は、そのままフィットネスクラブです。有り難いことです。

■ お金はウイルスに感染しない by T2020/04/04

チューリップ
ある投資家が言っていました。
「志村けんさんの訃報を境に、コロナへの視線は経済や市場から生命に移った。生命あっての経済。生命ある限り人間の営み、つまり経済は続いていく。生命続く限り経済は続き、お金は流れる。お金はウイルスに感染しない。」

コロナによって経済が縮小するということは、収入も減るかもしれないけれど、同時に支出もたぶん減るはず。外食や飲み歩きが減っているのだから。イベントやお花見に浪費する時間が浮いてきたわけだから、更にその時間を有効に運用して出て行くお金を更に減らせばよい。

例えばお茶を飲む時、電気ポットでお湯を常時沸かしておくより、その都度飲む分だけ時間をかけて沸かした方が電気料金が抑えられる。(これは妻が職場で証明しました) ちなみに我が家では薪ストーブで沸かすので料金ゼロ。

暖かくなり日も長くなってきたので、自転車通勤や自転車買い物も有効。ストレス発散や筋力維持にもなります。昨日は妻と二人で自転車で用事を済ませました。ガソリン価格が下がっているとはいえ燃料費ゼロの自転車には敵わない。

消費(浪費)支出を減らせば更に経済が縮小するじゃないか!と脅かす輩がいることも事実。でも僕はそんなショックドクトリンに屈するつもりはありません。このようなご時世だからこそ一層極力浪費を減らし、お金を健全な経済成長に投資してキャッシュフローを増やすことを選択します。

お金はコロナウイルスに絶対感染しません。


写真は2個の球根が90個の球根に増えたいわくつきのチューリップ。チリも積もれば資産形成。

■ 小説『ペスト』 by T2020/04/05

山桜
新型コロナウイルス流行を契機に、世界中でA.カミュが著した小説『ペスト』(1947)を再読する動きが強まっていると聞いた。『ペスト』は十数年前に僕も一度読んだことがあった。でも『異邦人』や『シーシュポスの神話』に関しては再読してきたが、『ペスト』に関しては再読していなかった。先日、これを機会に家の書棚に残っていた『ペスト』を読み直してみた。

ペストとは、かつて恐れられた怖い伝染病。それは抽象的すぎるほど静かに退屈すぎるほどありきたりの日常隅々まで浸潤してくる。ペストは善悪分け隔てなく極悪犯罪人にも感染すれば、罪の無い無垢な乳幼児にも感染する。その不条理はつまるところ生きる意味というものを考えずにはいられない状況に人間を追い込んでいく。

とはいうものの、生きる意味とはあたかもスローガンを掲げるように単純明快に宣言できるものであろうか。僕はそんな単純明快さに正直寒気を感じずにはいられない。それとは反対に、生きる意味を常に悩み考え続ける、その思考の誠実さに対してこそ僕は敬意を払いたいと思う。

人間の努力というものは、ペストに感染しようがしまいが、コロナに感染しようがしまいが、遅かれ早かれ最終的に死によって無に帰す。そんな運命を承知つつも、ペスト以上に静かに単調に日々なすべきことを行い、決して死とは最後まで和解せず死んでいく不条理な人間。

今日も、日常の単調さ退屈さに耐えかね自ら感染を拡大させていく世界の人々。今こそ生きる意味を問い続けるチャンスである。死を考えることは今どう生きるかを考えることである。

■ 薪焚き人の原則 by T2020/04/06

薪焚き人の会活動
金山里山の会の傘下で、里山整美を通じて自家薪を自産するグループ、それが「薪焚き人の会」です。

金山里山の会に年会費を納入していますが、薪焚き人の会自体は会費を徴収していません。その理由は、チェンソーや軽トラックなどの道具、燃料、飲料補給など、原則自己責任であり、会として準備維持せねばならない備品及び消耗品は皆無だからです。よって会計報告も備品世話係も皆無です。

この原則自己責任制は極めて合理性が認められます。すなわちチェンソーのメンテナンスや燃料品質等々に自ら責任を担うことにより、個人備品を大切にする姿勢と技術向上が図られるからです。自分の道具の手入れが不備だと、それだけ自分の安全性と薪生産性が低下するだけです。だから自ずと道具の手入れをせざるを得ません。薪焚き人の会は人任せにしないを原則としています。

と同時に、金山里山の会所有のチェン目立て機や分解掃除用コンプレッサー、薪割り機、チルホールワイヤー、ハシゴといった大型備品の使用が認められており、本当に助かっています。

薪焚き人の会は原則連絡無しです。薪を自産したい会員が毎月第一日曜日の午前8時に作業場集合。2名以上集まれば森に入る。不参加でも他の会員に迷惑をかけないし、自分の薪需要に合わせて参加されれば良いというわけです。薪焚き人の会は個人の自由と計画を最大限尊重するを原則としています。

薪焚き人の会は安全に自立的にシンプルに。それが最大の原則です。

■ 薪の表面2020/04/07

金山里山の会に入会する以前、100%薪は斧で割っていた。どうしても割れない根株やひねくれた幹はくさびを打って割ったりチェンソーで縦切りしていた。近年は95%斧割りで、残り5%の手こずる幹は会所有の油圧式薪割り機を使用させてもらっている。

先日あることに気が付いた。それは斧割りと機械割りでは生じた薪表面に違いが見られることである。機械割りでは油圧ピストンでゆっくりメキメキっと割る(裂く)ため表面がささくれることが多い。ところが斧割りだとパーンと瞬時に割り切るため表面は比較的滑らかである。樹種や幹の形状、節の有無によって多少個体差はあるが、明らかに傾向に違いがあるようだ。

薪の表面比較

写真の左の薪が機械割りで右が斧割りである。

斧割りにしろ機械割りにしろ、今の季節は薪割りに絶好である。春分までに伐り倒された水分含有量の少ない原木を、暑さ知らず虫知らずで気持ち良く割り続けることができるのは今の季節。薪ストーブの本場ノルウェーには「薪はイースターの頃までに割って積んでおくべし」という古典的な決まりがあるという。イースターの頃とは4月の中旬頃である。

斧で薪割り

うだるような真夏になんか薪割りなど到底やりたくない。滝のような汗を流しながらの夏割りは、周囲の眼から表面上働き者のように見えるが、実は春に浮かれて怠けていただけかも知れない。

周囲の眼からの見かけが大事か否か、燃やしてしまえば同じことかも知れないが、兎にも角にも、斧で割った薪の表面は滑らかキレイである。


■ 薪の教科書 by T2020/04/08

薪の教科書
先日、ある人が言っていた。「薪ストーブには教科書が無い」と。

果たして本当だろうか? 先日、興味をそそる良書を見つけた。

『Hel ved(薪を焚く)』Lars Mytting著 晶文社(2019)

ノルウェーのジャーナリストによって著された「薪の教科書」とも捉えられるこの実用書は、2011年に本国で刊行され、人口500万人のノルウェーにおいて16万部を超えるベストセラーとなった。その後世界中で翻訳、100万部を超え、日本では昨年末に出版された。
原題の「Hel ved」とは硬い薪という意味であるが、ノルウェー語の古い言い回しで「強く信頼できる人物」という意味もある。

山に入り、木を伐採し、薪を割り、薪棚に積み上げ、薪を焚く。そんな一連の過程を追った実用書。自己流を見直し、自分の常識を覆し、薪焚き生活をヴァージョンアップできる。

山に入り、木を伐採し、薪を割り、薪棚に積み上げ、薪を焚く。そんな一連の過程が生きがいとなりライフワークになる。

先日、僕はある人に言った。「あなたも薪ストーブを家に導入すれば良いのに。そうすれば一年中することがあるよ。」
僕は「することがある」という表現をプラスの意味で言ったのだけれど、マイナスの意味に勘違いされてしまったようだ。

薪の教科書とも言うべき『Hel ved(薪を焚く)』は、そんなマイナスの意味をプラスの意味に変えてくれるテキストである。

■ 人との接触無く食料確保 by T2020/04/09

サクラソウ

東京都などでは非常事態宣言が出され、人との接触を8割減らせば急速にコロナ感染を収束できるというシュミレーションがなされている。

「そんなこと言われても、人と接触しないでどうやって食料品を購入すればいいの?」と嘆く人に、一つの方法を紹介しましょう。

実際に我が家ではずっと以前から人と接触すること無く毎日の食料を確保してきました。どうやっているかというと簡単です。宅配サービスを依頼しています。

2つの宅配会社から毎週各1回ずつ食材が我が家に届きます。私たちが家にいない時に届くわけです。配達スタッフも私たちに接触することなく勝手口付近に食材箱を置いていって下さいます。そうやって私たちはずっと暮らしてきました。昨年はスーパー買い物回数が2回でした。

これは一つのやり方です。如何なることも「そんなの不可能」と言ってしまえば不可能。でもどうすれば可能か考え始めれば可能性がある。

みんなで知恵を絞って困難を乗り切りましょう。

■ 本当に時間が欲しい by T2020/04/10

クリスマスローズ
新型コロナウイルスに感染するのは人間だけで、野菜や花木には無害。よって例年通り菜園の種まきや苗植え、草刈りなど作業が増えてきました。

野菜や花木と濃厚接触しても感染したり感染させたりする心配はありません。よってガーデニングに自粛規制は発令されることはありません。ガーデニングのために外に出ていても問題なし。思う存分楽しむことができます。

時間がもっと欲しい。

加えて、竹の子掘りも始りました。今年はオモテ年、豊作が予想されます。

本当に時間が欲しい。外出自粛で暇を持て余しているという会話を耳にすると、その時間を譲ってくれ!と懇願したくなる。

今日の天気予報では雨の心配は無さそう。思いっきりアウトドアを楽しめる里山環境に感謝します。