■ 乾く薪 乾かない薪 by T ― 2020/04/19
ノルウェーの薪生活実用書『Hel ved』(邦題:薪を焚く)によれば、どれだけ日当たり良好で風通しの良い場所に積んでも乾かない薪があるそうです。ポイントは伐採時期よりも伐採後の処理にあるようです。
伐採した直後の木の乾燥が悪いと、腐朽菌類が繁殖し木質繊維が粘膜に覆われてしまいます。粘膜は水の通りを悪くし、その後乾燥環境を良くしても乾燥が進まないとのこと。
木を伐採した後は、しばらく葉を付けたままにして水分の蒸散を促します。これを「葉枯らし」と言います。葉が枯れ始めた頃、素早く枝葉を落し、幹を玉切りし、割ってしまい、日の当たる風通しの良い場所に積んで乾燥させます。この作業をなるべくスピーディに行えば腐朽菌の繁殖を抑制できて乾いた良質の薪になります。遅れると腐朽菌が繁殖して、その後どれだけ乾燥させようとしても乾燥が進まず悪質な薪になってしまいます。
葉枯らしした原木を極力短時間の内に薪にしてしまう。計画性と行動力が決め手のようです。