One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 薪は本当に環境に優しいか? by T2018/06/28

貴重な薪エネルギー

薪エネルギーは環境に優しいと一般的に見なされているようだ。石油や天然ガスなどの化石燃料と異なり、薪は再生可能な樹木を材料にしていることや、樹木が育つ過程で二酸化炭素を吸収してくれる循環型エネルギーだからといったことが理由であろう。でも本当に薪は環境に優しいのだろうか?

薪エネルギーが環境に優しいならば、その理由を僕はこう考える。

薪エネルギーが環境に優しい本当のところの理由は、薪をエネルギーとして使用する人間が、現在のところ極めて少数派だから、である。

もしも薪を大多数の人が使用し始めたとしたら、里山は直ぐに丸坊主になり、遠くの奥山まで樹木を求めに行くことになり、ストーブの要らない熱帯の森林までも伐採され、移動運搬のために更にエネルギーが使われ、よって環境負荷が大きくなるだろう。たとえ樹木が再生可能であるとはいえ、大きく育つには時間がかかる。それを超えた伐採消費は再生可能とは言えない。

たとえ循環型エネルギーとしての薪であっても、貴重な資源なのだから大切に省エネに心がけ消費すべきだと僕は思う。本当に環境に優しい暮らしをしたいならば、今の便利な生活レベルをちょっとだけ下げ、既存のマインドセットを変えねばならない。例えば室温は18度から20度ぐらいに設定し、ちょっと寒ければセーターを着たり薪割りで体を温め、朝ご飯をしっかり食べて身体の内から燃焼させることなどに努めたいと思っている。

大工さんに声をかければタダで木っ端を持って来てくれるから、どれだけ薪を焚いてもいいんだ。どうせ大工さんも処分に困ってるんだから・・というのは稚拙な考え方と言えよう。

また、コナラ薪は良くてスギ薪はダメなどと選り好みせず、手に入る薪が最高の薪と考えよう。庭の剪定枝も、選別にとても手間ヒマ労力がかかるかもしれないが、極力燃料に有効活用するようにしよう。

里山で森林業者が間伐し、幹の良いところだけを流通にまわしていたとしたら、里山に自ら赴いて、林道沿いに放置された枝類を薪として譲ってもらい、同時に里山整美に努めよう。

そう考えると、結構薪焚き生活って手間ひま労力がかかるのだ。煙突掃除もストーブ掃除も灰にまみれ至極大変。高温多湿猛暑日である今日この頃ですら、薪の熱のことを考えている。よって薪ストーブライフは冬だけに限らず一年中続いている。こんな薪焚き生活、好きじゃないと続かない。

だから、そう簡単に薪エネルギーは多数派になり得ないと僕は推察している。よって少数派としての薪エネルギーは環境に優しいのである。

追伸 : 僕は薪ストーブを普及させたくないと言っているのではない。皆さん、マインドセットを変えて薪ストーブライフを楽しみましょう。