One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ これからが夏本番 by T2018/07/01

リゾート気分
蒸し暑くなってきました。高温多湿のモンスーン気候。これぞ極東アジア。僕は大好きです。だからここに住んでいるのです。だからここに自ら家を構えたのです。

温帯湿潤気候の良点は、作物や樹木が極めて容易に育ってくれることです。猫の額ほどの土地であっても、天然の雨と気温、大量の有機腐葉土によって、人工的対策も殆どせずとも穀物や野菜が育ってくれる。

そして冬は豊富な落葉樹を燃料とした薪ストーブ暖房を楽しむことができる。特に富山は多雪地帯なので、雪が夏でも残っており、梅雨の雨と共に一年を通じて必要不可欠の水を供給してくれる。

大地に根ざした暮らしとは生存することを中心に考える暮らし。主体的な生存欲求を満たすことが取りも直さず自己実現欲求に一致する暮らしです。そんな里山暮らしというものを楽しむには、ここはとても楽園だと僕は思います。嫌なら僕は他の土地に住んでいたことでしょう。たった一度の人生ですから、自分で道を探さねば。そして生命は自ずと道を発見するものです。

ところで大地に根ざす暮らしといっても、高温多湿の土地では高床の家が住みやすい。床下を風が通り、観音開きのドアを開け放てば、気分はバリ島のようなリゾート気分。そんな気分でブログを書いています。

■ 第2クオーター終了 by T2018/07/02

スパー前のトレーラー
今年も半分が過ぎました。恒例の如く今年の2分の1を振り返ります。

半年間で、スーパーマーケットで買い物をした回数はゼロ、と言いたいところですが何と!2回をカウントしてしまいました。

でもその2回は意味のある2回。5月にスコットランドのスカイ島とハイランド地方をレンタカーで旅行した時。海外では現地のスーパーマーケットを利用するのも貴重な経験と考えています。

今年の半年間で外食した回数は、65回とかなり多めでした。これはスコットランド旅行に加え、身近な葬儀があったことが原因です。それでも出来合いの食事を買ってきて食べる中食はゼロなので、妻は本当に調理を毎日頑張ってくれました。半年間で外食65回ということは、自宅調理食(弁当含む)が478回ということです。そのお礼と妻の誕生日祝いを兼ねて、近日金沢のレストランを予約してあります。よって外食プラス1回です。

ところで知人の話です。先日ショッピンモールの駐車場に車を停めていたら、知らぬ間にサイドミラーを壊されていたそうです。下手な車がすり抜ける時にぶつけ、逃げたのでしょう。やはりジャンキーなショッピングモールやスーパーの駐車場は危険。僕はモール地上階の入口に近い場所や、ヘコんだ車、室内がグチャグチャの車の横には駐車しないようにしています。急いでいても階上の立体駐車場に上り、高級車やキチンと停められた車の横になるべく駐車するようにしています。危うきに近寄らず!

■ A mirror world in KANAZAWA by M2018/07/03

A mirror world
昨日、金沢で開催中の本郷仁展「似て非なるもの」へ行ってきました。ギャラリーO2で開催中の個展は街中のビルの一室に本郷さんの世界が作られていました。

迷路のようになった空間では、何が実像でどれが鏡像なのか、鏡像が消えると同時に実存も消えるような錯覚etc. 色々な感覚が湧き起こりました。

さて、金沢はバーゲンの真っ最中。買い物と食事を堪能して、久しぶりの金沢を楽しみました。外国人観光客を大勢みかけましたが、この暑さをどのように感じてるのでしょうか?スウェーデン人らしき夫婦と子供4人の家族連れ。子供達が無邪気にじゃれあっている姿はどこの国でも共通ですね。

これも似て非なるもの?

本郷仁個展「似て非なるもの」についてはこちらをご覧くださいませ。
http://www.ne.jp/asahi/ones/way/news.html#di_jun

■ 職業じゃないから出来ること by T2018/07/04

在来種つるありインゲン
私達が営んでいる菜園は生計を立てるための仕事ではありません。つまり育てた野菜を売って収入を得るといった職業ではありません。

でも職業じゃないから出来ることがあると僕は思います。

たとえば野菜づくりで生計を立てるとなれば、ある程度安定した収入を求めるでしょう。そのためにある程度農薬を使用したり、除草剤を撒布したり、化学肥料にもちょっとお世話になるというのも人情というものです。大きなリスクを避け、安定的且つ効率的な生産を求めることは決して否定できません。

でも趣味程度の自家菜園だったら、不作や不良のリスクを受け入れることが容易です。何故ならほとんど収穫できなくても生活に困るわけではないから。つまりハイリスクを取っても食べていけるのです。

それだったら趣味程度の自家菜園だからこそ、無農薬、無除草剤、無化学肥料を選択しようと思うのも人情です。

更に遺伝子組み換えではない作物、在来種から育てた野菜、種を取ってその種を来シーズンに育てる野菜に挑戦するのも大いにアリだと思います。

今日は宮重ダイコンの種を収穫し、昨年のタネで育った在来種ツルありインゲンをたくさん収穫しました。インゲンは無農薬・無除草剤・無化学肥料そして非遺伝子組み換え健康野菜という触れ込みで知人に配りました。

■ 消費か投資か、搾取か成長か by T2018/07/05

マリーゴールド

暑くなりラジオやテレビの天気報道では「こまめな水分補給とエアコンを効果的に使用して熱中症に注意しましょう。」といったコメントが連呼されるようになった。そんな報道を聞くたびに悲しくなる。この国の人間はそんな事まで指示されないと自ら判断して行動できないのか?

「水の事故には注意しましょう。」
「自転車には鍵をかけましょう。」
「選挙には投票に行きましょう。」
「台風が接近しているので増水した川に近寄らないようにしましょう。」

サービス過剰だと思う。自転車に鍵をかけないと盗難に遭うのは当然である。何を平和ボケしているのか。

そしてサービスを過剰に刷り込まれると、サービスを受けることが当たり前で、自分は守られて当然で、サービスを受ける側が偉いような勘違いが生じてくるかのよう。よってこの国ではサービスを受ける側(消費者)が、サービスを提供する側(生産者、販売者、サービス提供者など労働者側)よりも圧倒的に偉い意識が強い。コンビニエンスストアのアルバイト店員に対する客の横柄な言動を見れば一目瞭然。

このような日本における「お客様は神様」的文化というものが、労働者の働き過ぎや過労死を助長しているのではないか、といった考察報道が先日ラジオから流れていた。とても同感である。

話は元に戻るが、暑くなって水分補給が重要になってくると、職場でもペットボトルのお茶や清涼飲料水を毎日買って飲んでいる人を多く見かける。自分でお茶を沸かして冷やして(つまりお茶を自ら生産して)持ち歩くのではなく、生産されたお茶というサービスを受けて水分補給しているとも考えられる。当然そのサービスには金銭という代償がつく。

先日も同僚が職場のミーティング時に、100円前後のペット清涼飲料水を飲んでいた。その時ふと思った。その100円があったらマリーゴールドのポット苗を買いたいな、と。

ペット水は消費するだけで終わるが、ポット苗は鑑賞しても楽しいし、畑のキュウリ横に植えればコンパニオンプランツとして良質のキュウリを生産してくれる。

あなたは100円を受け身のサービス消費に使い(使わされ)搾取されるか、それとも能動的な自己成長への投資に使うか?たかが100円、されど100円である。

■ 選択と抑制 by T2018/07/06

自動霜取り機能のない冷蔵庫
数年前、東京の輸入冷蔵庫やガスコンロを取り扱っているショールームでスタッフの人が話していました。

「ヨーロッパ人は機能性を重視、アメリカ人はパワー性を重視、日本人は便利さを重視。」

よって日本の電気製品などは、僕に言わせれば要らない機能が過剰に付いていて、その分価格に上乗せされている。そしてシンプルな必要最低限の機能を持つ製品が入手困難であるということです。本当に困ります。例えば冷蔵庫では自動製氷機や自動霜取り機能などは僕にとって要りません。

ところで日本の軽トラックがアメリカで人気だそうです。その気持ちとても分かります。それは極めて機能的でよく働いてくれるから。機能的であるということは無駄な故障も少ない。

故障にも意味のある故障と無駄な故障があります。欧米人には機械は故障するものであり、修理して使うものだという感覚が明確であると知人が言っていました。そして修理するためにシンプルで機能的な方が修理しやすいです。これが意味のある故障です。無駄な故障とは、例えば車のパワーウィンドウの故障。かつての様に手動でクルクル回す開閉だと故障も少ない。以前乗っていた車のパワーウィンドウ修理に数万円出費した時、虚しさを感じました。その点軽トラックは手動ウィンドウ。マニュアルギアなのでコンピュータトラブルもありません。

便利な製品があっても良い。でも一方でシンプル機能的な製品の選択肢も保証してほしい。

便利な製品は価格的に高くなる傾向がある。値段が高いから良い製品だとは限りません。要は使う人のニーズとライフスタイルです。

参考に落合正勝『ダンディズム』2003光文社新書より
「選択と抑制を必要としないのは、本当の豊富ではない。限られたもので、足の先まで美しい調和をはかるのが、むしろ贅沢なのだろう。」と述べたのは川端康成だ。私はこの一文に触れた時、川端の云う「贅沢」とは、物質的な贅沢でなく「ダンディズム」そのものだと解釈した。ダンディズムを貫くことは、選択と抑制が必要だからだ。

■ 軒の効用 by T2018/07/07

南東側の軒
大雨が降っています。日本は雨の多い地域です。よって古来から日本人は、極力建物の軒を出して、外壁に雨がかかるのを防いできました。

私達が家を新築する際、わざわざ足を運んでまでも参考にした奈良斑鳩の法隆寺は、重い瓦屋根であるにもかかわらず軒を出していました。大陸の外来文化であった仏教が日本に伝来した飛鳥時代。先人たちは、外来文化をそのまま真似るのではなく、日本の風土に合致した新たな文化を築き上げてくれました。中国における仏教建築と日本の法隆寺建築を比較すれば一目瞭然です。そんな古代人から学び、我が家も極力軒を出すことにしました。本当に正解でした。

写真は我が家の南東側です。杉板下見張りの外壁から軒の先端まで水平距離で1メートル以上軒が出ています。そのおかげで大雨注意報発令の雨が降っていますが、外壁は濡れていません。

軒には雨樋を設置していないので雨だれが直下の側溝に落ちます。よって風が吹くとデッキの外側は少し濡れますが、重要なデッキ根元は濡れていません。また降雨の中でも一階の扉を開けておくことができます。

我が家の屋根は、重い瓦屋根ではなく軽妙なステンレス屋根なので、軒を出し易かったです。単純に簡素な軒支え材で強度を持たせました。

軒が出ることで真夏の上からの太陽光線が遮られますが、冬は斜めからの光線のため、軒に邪魔されず室内に暖かな光が差し込みます。北陸の冬は太陽の光がとても貴重です。

新築当初から数回行われてきた外壁のペンキ塗りは、夫婦2人で全て行ってきましたが、軒のおかげで外壁が保護されているので、次の再塗装までの期間を長くとることができています。将来、高齢になって自力塗装ができなくなっても20年くらいはそのままで構造的に大丈夫でしょう。退色は否めませんが、代わりに枯淡古風な色合いの外壁を楽しみたいと思っています。そのために周囲に人工素材を使わず自然な調和を保つことに今から心がけています。人工素材には侘び寂びが感じられないからです。

軒を出すことにも弱点があります。それは強風です。風対策として我が家では雑木を中心とした屋敷林を育てています。コナラ、カシ、ケヤキ、トチ、カツラ、コブシ、ヤマボウシ、シイ、タブ・・雑木の木陰も外壁保護になります。雑木林に野鳥たちも雨やどりしてくれます。生き物たちはみんな助け合って生きています。

雨降りの日には、ただ濡れるだけの人でなく、雨を感じる人になりたいです。ボブのように。

■ もうすぐ30年 by T2018/07/08

もうすぐ30年
結婚直前に、今は亡き僕の祖母が「しっかりした靴を買いなさい。」とお金をくれました。上等の服よりも、まず上等な靴を。上等な靴は10万円のスーツを15万円のスーツに見せてくれるかもしれませんが、下等な靴は15万円のスーツを10万以下にしてしまうかも。それにスーツよりも靴の方が、ソールを張り替えながらすれば絶対長持ちします。当時、僕は祖母からいただいたお金をそのようなメッセージとして認識したかどうかは分かりませんが、少なくとも現実にソールを張り替えながら、僕はその靴を28年履き続けています。

当時婚約者であった現在の妻と京都の高島屋で、内羽式ストレートチップの黒靴を買いました。その後、東山方広寺の近くにある日本料理店「はり清」に、高島屋の大きな紙袋一つぶら下げて、懐石料理を食べに行きました。

そして結婚し、新婚旅行の途中「はり清」に再び立ち寄った時、仲居さんに声をかけられました。
「高島屋の袋のお方ではりますね?」

この黒の革靴、祖母の葬儀、法要にも当然履きましたし、兄弟親類の披露宴にも出動してきました。そしてちょっとしたビジネスシーンにも。

フォーマルな場面から使用できる内羽式ストレートチップ黒。結婚披露宴や法要には僕は黒スーツを着用しませんが、葬儀の際はダニエルクレミュのブラックスーツを合わせます。日本で流通している黒の礼服は、肌触りや触感に馴染めないことと、いかにも冠婚葬祭用といった感が嫌いなので、慣例上NGなのかもしれませんが、僕は軽妙で清潔感のあるこのデザイナーズスーツを選択します。

慣例上NGといえば、外羽根式やUチップシューズ、紐無し靴、挙げ句の果ては飾り付きローファーやスリッポンさえ葬儀場面で見かける日本ですから、それに比べれば僕のブラックスーツは全く微々たる問題と認識しています。肝心なのは足元。

スーツよりもシューズ。公式フォーマルには内羽式ストレートチップ黒革靴。(ただし正装靴とはいえタキシードと紋付袴には、当然ですがNG。)
ツボさえ押さえていれば、あとは人生大いに楽しみ、大いにドレスダウンし、米寿まで生きた祖母よりも長生きしたいと思います。

■ 今年の紫陽花 by M2018/07/09

昨年は7月7日に「紫陽花天国」と題して記事をアップしました。

今年は二日遅れでの「紫陽花天国」です。こちらも先週水曜日から4日間雨が続き、庭に降りることができませんでした。昨日は五日ぶりの日差しに誘われて、庭を歩くと紫陽花が雨に濡れ、その重さで倒れているではありませんか!

倒れ気味の紫陽花を剪定して活けたものが以下の写真です。

トイレには一輪を銅器の花器に。

玄関先です。銅器の花器に一輪、ガラスの小さな器に一輪。

ダイニングテーブルには、GUNNESのグラスにアナベルを。

玄関先、大寺幸八郎商店の花器に。

洗面所です。ガラスの薬品瓶に。

ストーブのトップにはアナベルを高岡銅器の花器に。

足踏みミシンの上にも!

bue-dueのたまちゃん作のネストテーブルにはトルコ土産の鉢と一緒に

キッチンカウンターにも曲がった枝をまとめて。

以上、我が家はただいま紫陽花天国となっています!お時間がある方はどうぞ見学にいらしてくださいませ。事前にご連絡をいただければ対応いたします。
こちらまでご連絡ください。

■ 不要不急の外出 by T2018/07/10

打ち水後の前庭
地震や大雨の被害が続いています。災害時には人命救助、緊急車両の通行確保の観点からも、不要不急の外出は控えるというか、不要不急の外出は厳禁であることが社会通念です。

緊急時に限らず平時においても、僕は我が家が大好きなので、重要な用事でない限り、家で家族と一緒に過ごすのが優先順位一番です。夫婦で一生懸命作った家ですから。車の色もガレージに留まっている時にしっくりくる色を選んだほどです。

田舎はマイカーが無いと生活できないという先入観は、少なくとも僕に云わせればウソです。何度かブログにも書きましたが、我が家ではここ数年間の実測データによると、スーパーマーケット利用の年間回数が1年に5回以内に収まっています。

今日もつい数時間前に、キッチン換気扇の金属製フィルターがヤマト便で宅配されてきました。私達夫婦は庭仕事の休憩時で、かき氷アイスを食べている最中でした。かき氷アイスもみどり共同購入会の宅配品です。現代のネットショッピングや宅配を僕は公共交通機関利用の一種と認識しています。

重要なのは、単なる外出ではなく、精選された外出だと思います。どうでもよい買い物など不要不急の外出は、自分に残された貴重な時間の浪費でもあり、ガソリンなどの化石燃料の浪費でもあり、化石燃料浪費による地球温暖化を一層進行させてしまう大きな要因でもあると思います。

先日の記録的大雨も地球温暖化による海水温の上昇と捉えれば、不要不急の外出を平時から控えていれば少しは抑制されたかもしれません。たかがそんなことで・・と思われるかもしれません。焼け石に水かもしれません。

とはいうものの、梅雨明けした今日のような真夏日、前庭の石垣や苔生した地面に打ち水を撒くと、気持ちの良い涼を体感できます。この打ち水も微々たる焼け石に水と捉えればその通りですよ。