One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ オオムラサキ が指標 by T2018/08/08

エノキ
僕の所属している金山里山の会には、里山雑木林再生の指標というものがあります。それは、かつてコナラと共生していたサマツタケ(マツタケの一種)が、昔のような里山の雑木林にたくさん育つようになることです。林内に適度な日光、適度な風、適度な移動空間、多様な生物、そんな里山環境が整った時、サマツタケが戻ってきてくれることでしょう。しかし悲しいことながら、サマツタケの盗採者が戻りつつあるのも現実です。

さて、我が家の雑木屋敷林にも、僕は指標というものを設定してみました。それは、「国蝶オオムラサキが舞う雑木屋敷林」。

1957年に国蝶に選定されたオオムラサキは、落葉高木のエノキの葉に卵を産み付け、幼虫はエノキの葉を食べて成長し、蝶になるとクヌギやコナラ、ヤナギの樹液を吸って生き、再びエノキに卵を産み付け、エノキの元で死んでいく。オオムラサキの一生はわずか一年です。オオムラサキは環境庁が自然環境を測定する指標昆虫でもあります。良質な雑木林と冬の寒さ、適度な雪による保湿がオオムラサキ生育に必要です。

我が家が建つ敷地を購入した20年以上前、そこにはエノキの若木が植林された杉林の隅で自生していました。杉を伐採し日当たりの良くなったエノキはスクスクと成長し、今では夏の強い日差しを和らげてくれる緑陰樹に育ってくれました。一方、敷地内に植えられたクヌギ、コナラも成長し、清水の傍にはシダレヤナギも現在育っています。見れども見えず、ひょっとしたらオオムラサキが飛んでくれているかもしれません。

妻がブログで書いたように、我が家はエアコンを設置していません。家の窓や開き戸を全開にすることの多いこの時季、大小様々な蝶類が家の中に舞い込んできます。我が家の虫取り網は捕獲のための虫取り網ではなく、屋外に逃がすための虫取り網です。これからはオオムラサキが舞い込んでくるかもしれないので、注意して観察したいと思います。

でも泥棒にも注意!夜や外出時は開き戸に施錠を!

写真は、大きく成長した緑陰樹エノキです。榎は夏の木と書きます。


※ 補足 by M

この記事を読む前に私は珍しい蝶を見ました。前庭のタブノキの頭頂部を飛んでいました。模様はアゲハチョウのようでしたが、色が違っていました。濃い水色に黒い模様。大きさもアゲハよりは小さめ。

この地にはイトトンボなど珍しい昆虫を時折見かけます。このブルーの蝶もその一つ、さすが里山!と一人ほくそ笑んでいました。

夫のこの記事を読んで、もしやオオムラサキ ?!

画像検索の結果、ブルーオオムラサキ(モルフォオオムラサキ) と判明しました。オオムラサキ の中でも希少種らしく、蝶マニアの間では高額で取引されているとの記事もありました。

何気ない日常の中で、希少な蝶を見ることができるとは、想像していませんでしたし、期待もしていませんでした。そのようなことが現実だなんて、嬉しいことです。