One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 草取りの極意 by T2020/07/28

紫陽花の籠
若い時、草一本取ったことのないボクが、何故今、庭の草取りを続けることができているか?その理由は簡単である。

自分で手に入れた土地だからである。正確に言えば夫婦2人で協力し購入した土地の草取りだからである。

これが、親からの贈与相続地であったり、経済的援助でもって手に入れた土地だったとしたら、今のように草取りガーデニングに勤しんでいたか定かでない。

ところで、先日『遥かなる大地へ』という1992年のアメリカ映画を視た。アイルランドに住む貧しい小作人が、アメリカに渡り自分の土地を手に入れるサクセスストーリーである。物語の中心部は、主人公の小作人(トムクルーズ主演)がオクラホマの開拓地を手に入れる流れではあるが、僕がとても面白く感じたことは別にあった。それは物語の中で、小作人を土地から追い出したアイルランド大地主の老人もまた、小作人の気概に影響を受け、広大な土地を所有しているにも関わらずそれを捨て、同様にオクラホマに入植する道を選択したところであった。

先祖からの広大な土地を相続し、草一本むしらずとも小作人が土地を耕してくれて、自らは地代を徴収し悠々自適に暮らすことができていたにも関わらず、大地主の老人は日々虚しさを感じていた。オクラホマにやってきて土地の争奪戦に臨み彼は妻に語った。「一度終わった人生を、ゼロからやり直すんだ。」

土地とは不思議なものである。苦労して手に入れた土地、正確に言えば、苦労したとはいえ御縁があって苦労が報われた土地、そんな御縁に感謝すればするほど、自ずと草の一本でも取ろうかなという気持ちになるものだ。

草を取っているのではない、草を取らせて頂いているというのが正解なのかも知れない。これが草取りの極意だと思う。

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