One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ さらばもう一度、アイルランド回帰の旅[僕がCOMPETITION BIKE(競走用自転車)にこだわる理由]- 後編その5: Carrick-on-Suir Again -2017/04/15

今は廃刊となっている『月刊ニューサイクリング』誌の2013年6月号に掲載された作品です。

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■ Carrick-on-Suir Again

10年前に宿泊したFATIMA HOUSEという名のB&Bはまだ健在だった。
10年前に宿泊した日本人だと伝えたら、普通料金でスィート・クラスの部屋に案内され、アイリッシュ・ウイスキーまでご馳走になった。今回の旅はレンタカーだったので、郊外にある”Sean Kelly Sports Center”まで足を伸ばし、ジムでウエイト・トレーニングをして汗を流してきた。


[ショーン・ケリー・スクエア]のメモリアルプレート
新しくなっていた「ショーン・ケリー・スクエア」のメモリアルプレート[2005年、キャリック・オン・シュア]

そして町に帰ってきて、10年ぶりに散策すると「ショーン・ケリー・スクエアー」のメモリアル・プレートは大きく新調されていて、ケリーの写真入だった。そこには”SEAN KELLY King of Cycling”と彫られてあった。僕の友人が言っていた。Cyclingとはレース志向の単語だそうだ。自転車旅行志向はTouringというそうだ。 

スクエアーに面してあったフィッシュ&チップス屋さんは、一軒分、場所を移動し、店構えを新たに営業中だった。店主に「以前はお隣に店がありましたね」と話すと、「よく覚えてくれていたね!どこから?へぇー日本から。楽しんでいってね」と、出来立てフィッシュ&チップスを手渡して下さった。僕たちは町を流れるシュアーリヴァーの川べりのベンチに腰を下ろし、フィッシュ&チップスを平らげた。そしていざ、OK SPORTSへ。

店に入ると、あの髭の店主が。店主も僕たちもチラチラと相手を意識していた。僕はいつ話を切り出そうかとタイミングをうかがっていたところ、一瞬、店主の方が速かった。

“From Japan?”
“Yes, we are.”

そう僕は答えて、10年前に店主に撮ってもらったショーン・ケリーと一緒の写真をポケットから取り出して見せた。すると、店主は店のカウンターの後ろに貼ってある一枚の紙を外して、僕たちに見せてくれた。

「オーッ マイ ガーッ! 何ということでしょう!!」

それは、丁寧にクリアシートでラミネートし保護された、僕が10年前に送ったお礼の手紙と雑誌に掲載された記事のコピーだった。10年間大切にお店に飾ってあったのだ。あとは下手な叙述は要しませんね。

僕たちは10年前にショーン・ケリーと撮影した場所で、ケリーの立っていた位置には店主に立ってもらい写真を撮った。別れ際、僕は店主に、例の心残り、いつか尋ねようと思っていたことを質問した。

“Excuse me. What’s your name?”

※ 口絵、および前編はこちらをご覧ください。

http://onesway.asablo.jp/blog/2017/03/26/8421647


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