One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 突如として出現したアミューズメント by T2017/12/04

1996年クリスマスのケルン大聖堂
現在私たちが住んでいる土地の購入決済をした直後、私たちはドイツを旅行しました。

1996年の12月24と25日、私たち夫婦はドイツのケルンという街にいました。ケルンはヨーロッパの歴史を学ぶには最適の街で、古くはローマ帝国の植民市(コロニア)から始まり、キリスト教のいち早い伝播、ゲルマン民族のフランク王国を経て、神聖ローマ帝国、三十年戦争、第二次世界大戦で街の大半が破壊、そして今日ドイツ4番目の都市となっています。つまりケルンは各々重みのある歴史の地層がいくつも堆積しているような街なのです。

現在ユネスコ世界遺産に登録されているケルン大聖堂に、私たち夫婦はキリスト教でいうところのクリスマスイヴ深夜からクリスマスにかけて出かけました。私たちはクリスチャンではないのでクリスマス行事とは無縁であり、ケルンを訪れた理由もトラック自転車の6日間レースを観戦するためでしたが、建造物としての大聖堂を見学するついでに、本場本物のクリスマスというものを体感してみようと出かけたのです。

深夜0時、気温はマイナス10度以下、鐘の音と共に大司教らしき方が祭壇へ。生の賛美歌とパイプオルガン。僕の隣に立っていたドイツ人(?)の女性は涙を流しながらお祈りされていました。賛美歌の曲は僕にも分かりました。それは「きよしこの夜」。

その女性の涙は僕にとって衝撃的でした。それもかなり衝撃的な体験でした。

第二次世界大戦後、共に復興を果たしたドイツと日本。しかし、その復興過程は両国において異なった道を歩んでいるのではないか、そんな気がします。戦後、突如として出現した信仰心と無縁で商業主義的アミューズメントとしての日本クリスマス。

今日も至る所で、クリスマスソング(きよしこの夜も含む)とクリスマス装飾に出会います。でもあの時のような静かで祝福に満ちた涙には出会うことは、今のところありません。

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