One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 薪エネルギーの評価 by T2019/03/06

公園で伐採された樹木
先日、金山里山の会会長から、薪ストーブグループ(薪焚き人の会)の活動を通じて薪エネルギーの評価とデータ整理を依頼された。ブログ記事を書くことを通じて自分なりに整理して見たいと思う。と同時に忌憚のない御意見を頂きたい。まずは薪焚き人の会の概要説明から。

【金山里山の会分会 薪焚き人の会】
登録会員数 : 13名
定例活動日 : 3月から12月までの第1日曜日8時から12時まで
非定例活動 : 会員2名以上集まれば、随時活動する。
活動内容
・里山の間伐作業を行い、間伐樹木を会員各自宅で消費する薪として活用する。
・森林組合と連携し、林道沿いで間伐され放置された樹木を搬出し、薪を作る。
・射水市と連携し、市の公園等で伐採された樹木を薪として処理する。
・臨時里山整美活動として、下草刈り作業及び枝等のチッパー作業を行う。

【薪エネルギーの経済性 その1】
2018年度において、薪が不足し薪の一部を金銭購入した会員は1名。その他の会員は各々のライフスタイルに応じて薪を自産自消できた。
定例活動日における生産薪量は総計約25立米。(非定例活動による生産薪量は含まれていない)

【事例 M会員(二人暮らし)の場合 】
二階建住宅、延べ床面積100㎡、暖房設備は大型鋳鉄薪ストーブ一台、及び寝室のみ蓄熱式暖房機。
2018年度消費薪量約9立米(これは1立米2万円の薪を購入した際の18万円に相当する。)
なお蓄熱式暖房機の10月から4月までの深夜電力料金が合計17000円
つまりM邸の2018年度暖房支出合計は17000円。(薪生産にかかる燃料代等は除く)

【薪エネルギーの経済性 その2】
薪の材料となる雑原木は地元金山の里山から会員各自所有するチェンソーで玉切りし軽トラックで搬出する。遠く海外から輸入される石油エネルギーや送電線で送られてくる電力エネルギーと比較して極めて輸送コストや輸送リスクが低い。世界情勢や市場物価変動の影響もほとんど無い。会員各自のライフスタイルやペースに応じて無理なく且つ楽しんでエネルギーの自産自消が可能である。

【薪エネルギーの経済性 その3】
家計における消費支出の多くなるのは一般的に休日。その休日の一部を薪焚き人は里山での原木搬出や薪割り生産に活用している。薪生産自体が森のハイキング・ウォーキングでありスポーツ・エクササイズ・レクリエーションである。多くの現代人が出費消費して休日レジャー・スポーツや外食を楽しんでいるが、薪焚き人は暖房エネルギーを生産し消費支出を抑制しつつ休日レジャーと健康増進を楽しんでいると言えよう。

【薪エネルギーの環境性】
現在里山の森は人間活動の減少により放置され荒れている。森の間伐や下草刈りを通じて整美することは、治山治水保全的観点からも有意義なことであると考えられる。またイノシシやクマといった野生動物との棲み分け的観点からも有意義であるといった意見もある。
間伐材をそのまま放置するならば、豪雨の際の流木問題の危険性が増したり土に自然分解されるまで長期間を必要とすることになる。
そのための里山整美活動を通じて生じた間伐材等を薪焚き人は薪として処理活用している。よって薪焚き人の会は自然循環システムに無理なく組み込まれていると思われる。
薪焚き人の会は、地球規模で環境のことを考え、地元金山に根ざして活動している。

金山里山の会会長、このようなもので如何でしょうか?