One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ リハビリはケーキづくり by M2020/07/05

手作りパウンドケーキ
一昨日、久しぶりにパウンドケーキを焼きました。室温で柔らかくしたバターと砂糖を泡立て器で混ぜる過程がリハビリになります。

実は昨年の9月末、地域の住民運動会で右肩に肩腱板断裂が起こったのです。リレーに出場し懸命に走っていたら突然右手が動かなくなったのです。その時は何が起こったのか全くわかりませんでした。そして、痛みでよく眠れないまま朝を迎えました。

翌日、接骨院で「リレーではなく、玉入れで普段使わない部分を突然動かしたからではないか」と言われました。その後、ひと月程、週に1、2回、接骨院に通院しました。徐々にではありましたが、可動域は増えていきました。

が、肩を捻る動き、例えば「ポットで沸かしたお湯を注ぐ動作」はいつまで経っても痛みが伴いました。また、重たい鍋を持つこともできませんでした。日常生活で最もきつかったのが「室温で柔らかくしたバターと砂糖を泡立て器で混ぜること」でした。

数年前から時々パウンドケーキを焼いていたのですが、昨年はその後パウンドケーキを焼くことなく終わりました。今年の春からは月に一度ほどのペースで再開し、そのたびにバターと砂糖を混ぜることが苦ではなくなってきました。

一昨日は肩腱板断裂を起こす前の状態にまで戻った感じでした。肩腱板断裂は加齢で発症するとのこと。ピークは60代とのことですので、一足先に発症してしまいました(笑)。玉入れにはみなさまお気をつけください。

■ 汗をかく日は危険? by T2020/07/02

ハンゲショウ

梅雨時期は汗をかいても汗がなかなか乾きません。汗が乾かないということは気化熱を奪われることがないため熱が体内にこもりがち。それが熱中症の原因にもなると専門家はおっしゃいます。

でも、このくらいの気温多湿の梅雨の日は、決して珍しいわけでなく昔もよくありました。なのに!昔は熱中症のなんて言葉は聞いたことなどありませんでした。しかも昔はエアコンなど普及していなかったはず。

「最近の夏は昔よりも暑くなった、最近は猛暑日もフツーになった」と言われます。ところで、35度の猛暑日をエアコンの効いた室内で過ごす汗と無縁の最近のライフスタイルと、30度の真夏日をエアコン無く扇風機で過ごした昔と、どちらが暑い?

汗が乾かない人間よりも、汗をかくことを忘れた人間の方が、危険だと思うんだけど。

■ 眼の定期検診 by T2020/06/29

紫陽花

先日、眼の定期検診を受けました。僕は半年毎に眼底検査等を受けています。

眼底検査はレントゲンではありませんから被曝の心配はありません。胸部X線を年に1回被曝するくらいなら眼底検査を半年に1回受けた方が安全で有意義だと考えます。

眼は鍛えることが出来ません。また目の老化を生活習慣の改善によって食い止めることもできません。そして眼の病的症状が自覚されるようになってからではすでに重症化している場合が多い。加えて失った視野視力は再生不能(視神経は再生不能)です。

里山暮らしはアウトドア活動であり、常にサングラスをしているとはいえ紫外線を常に浴びています。地球上で暮らす限り紫外線のリスクをなくすことが現実的に困難ならば、せめて定期的に検診チェックする方法を僕は選択します。

人生100年時代は人類の歴史が未だかつて経験したことの無い時代。眼の寿命が身体の寿命についていくことができるか誰にも分かりません。よって50歳の折り返しを過ぎたならば眼の定期検診を受けて、出来る限り、だましだまし、授かった両眼を大切にしませんか?

■ 「新しい生活様式」なるもの by T2020/05/07

食卓からの眺め

最近推奨されている「新しい生活様式」なるものの中に、食事は対面でなく横並びで座ろうという項目があるそうな。

朝食、昼食において、我が家ではずっと以前から夫婦横並びだった。何故なら二人で気持ちの良い里山の風景を眺めながら食事をしたかったから。写真は朝食時、僕の視界に入っている風景です。

日没してからの夕食は、暗い外を眺めても面白くないので対面で食事してますけど。でもアフターディナーのコーヒー&デザートは、横並びのソファーに座って薪ストーブの火を眺めながら。

更に「新しい生活様式」なるものには、大人数での会食は避けてという項目もあるそうな。里山に住み始めてから、大宴会なるものは極力避けてきた。外で飲んだら帰れなくなるから。タクシーや代行に出費するくらいなら、家で美味しいお酒を二人で飲んだ方がお得。

「新しい生活様式」なるものは、里山生活に追い風。

■ 走る若者 by T2020/04/16

ハナモモ

最近、中学生や高校生と思われるような若いランナーを見かけるようになりました。学校や部活動が休止状態のためでしょうか。今まであまり見られなかった光景です。以前はランナーを見かければ中高年が主流でしたから。

強制されて走らされるのでなく自らの自由意志で走る中高生。学校や部活動の強制力が停止している現在だからこそ試される時。コロナの受難は若者を二極化するかもしれません。能動的な若者と受動的な若者。学校や職場が休みの今、ここぞとばかりに普段できなかったことを行う人間がいる一方で、何もすることが無い、何か課題や仕事を強制してくれとただ嘆くばかりの人間もいます。

如何なる年齢層のランナーにおいても、少なくとも走っている時間は、スマートフォンで動画を見たり検索したりすることは無く、情報のインプットが抑制され、頭の中はデフォルトモード状態です。デフォルトモードでは、今まで蓄積された情報が整理され、記憶が定着し、頭の中がスッキリしてきます。

最近は、室内の換気をこまめに行うことが奨励されていますが、デフォルトモードは心や精神世界における換気と言えるでしょう。

スーパーマーケットやドラッグストアにマスクを求めてクルマを走らせるよりも、あるいはアルコール消毒液を求めてお店に殺到し行列をつくるよりも、里山ののどかな道をジョグやトレイルランしませんか?有酸素運動は心肺機能を高め免疫力を高めるそうですよ。

■ 地力・体力・時の運 by T2020/04/15

リキュウバイ
土の中の微生物は土中の栄養分を分解し植物が吸収しやすい形にしてくれる重要な存在。また微生物の活動によって土は団粒構造を持った保水力・保肥力・通気性の良い土になる。腐葉土や牛フン堆肥などの有機堆肥は微生物のエサであり住処であり、微生物を増やし活性化させ、すなわち地力を高めてくれる。

ところが化学肥料ばかりに頼っていると、これらの微生物が活動を休止し数が減少していく。そして土は固く弾力を無くしていく。

このような因果プロセスは、病気に対する投薬と人間抵抗力の関係に類似している。病気を治す力とは医者でもなく、薬でもなく、最終的には人間の回復力・抵抗力・免疫力のはず。普段からちょっとした体調不良においても即座に薬や抗生物質に頼っていると、人間本来の病気に対する抵抗力が休止し弱まっていく。

薬を常用しない人は傾向として、いざ薬を服用すると効きが良い。元々高い抵抗力に薬の力が加わるからである。

現在の新型コロナウイルスには決定的なワクチンや特効薬がまだ開発されていない。私たちにできることは、如何なるウイルス変容にも力を発揮する潜在的に備わった抵抗力・体力を地道に維持増進させていくことに尽きる。万事尽くし、そしてそのあとは・・

あとは運命に任せれば良い。

■ 変わらぬ風景 by T2020/04/14

タケノコ
銀座や原宿の風景がコロナによって豹変している時世にあって、我が里山では例年通り田おこしが進み、野菜の畝が作られています。例年通り今年もタケノコ掘りが始りました。そこには力強い変わらぬ風景が存在しています。

でも今年のタケノコ掘り作業は例年と異なった風景が見られます。それは70歳台後半になった実母が参加していること。いつもは今年80歳になる叔父と僕との二人で掘っていましたが、最近のコロナ影響で外出機会の少なくなった実母は、自ら作業に参加するようになりました。

人手が増えて生産性が上がるか否かは問題ではありません。タケノコを見つけるのも仕事、掘られたタケノコを袋まで運ぶのも仕事、タケノコの泥を落とすのも仕事です。一人で掘っているよりは人が多いとワイワイ楽しいもんです。それが一番です。

ところで、朝のラジオ番組にて、引きこもり問題の専門家で筑波大学教授の斎藤環氏はこう述べていました。
「今のコロナによる自宅生活には、引きこもり対策のノウハウが参考になるのではないか。健康的に引きこもる(自宅生活する)ためには2つの重要点が考えられる。それは①役割を持つこと、それと②対話が為されることである。」

タケノコ掘りは三つの密に該当せず、綺麗な空気の屋外で、適度な対人距離感で、それぞれのペースの仕事を通じて、心身を解放できる最高の条件です。

■ 人との接触無く食料確保 by T2020/04/09

サクラソウ

東京都などでは非常事態宣言が出され、人との接触を8割減らせば急速にコロナ感染を収束できるというシュミレーションがなされている。

「そんなこと言われても、人と接触しないでどうやって食料品を購入すればいいの?」と嘆く人に、一つの方法を紹介しましょう。

実際に我が家ではずっと以前から人と接触すること無く毎日の食料を確保してきました。どうやっているかというと簡単です。宅配サービスを依頼しています。

2つの宅配会社から毎週各1回ずつ食材が我が家に届きます。私たちが家にいない時に届くわけです。配達スタッフも私たちに接触することなく勝手口付近に食材箱を置いていって下さいます。そうやって私たちはずっと暮らしてきました。昨年はスーパー買い物回数が2回でした。

これは一つのやり方です。如何なることも「そんなの不可能」と言ってしまえば不可能。でもどうすれば可能か考え始めれば可能性がある。

みんなで知恵を絞って困難を乗り切りましょう。

■ 里山日常がフィットネスクラブ by T2020/04/03

山桜
先日、母が言っていました。「こんな時期、スーパーに買い物に行く以外は外に出ないようにしてるわよ。」
僕はスーパーが特に危険だと思うんだけど・・。今年は筍の収穫に母を連れ出そうかな?

外出自粛やスポーツジム閉鎖が進んでいます。確かに感染は心配ですが、筋力低下や体力減退が予想されます。

そんな現状にあって、里山の日常は急激な変化も少なく、皆さん日々体を動かしつつ生活をしておられます。田おこしも進み畑の畝作りも始まっています。

これからは山菜や筍の時期になります。野山で過ごす時間が増えます。

サクラやコブシも咲き、チューリップも蕾をつけています。ガーデニング全開です。

里山の日常は、そのままフィットネスクラブです。有り難いことです。

■ 心身脱落 by T2020/03/25

スイセン
最近、マインドフルネスという言葉が注目されています。マインドフルネス(mindfulness)とは「今この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずにとらわれのない状態で、ただ観ること」(ウィキペディアより)です。

私たちは、例えば食事やコーヒータイムなどの場面でも、食べ物やコーヒーを味わっているようで意識は過去や未来の考え事をしている場合が多いです。つまり今、この瞬間に意識が向いていないわけです。マインドフルネスとは今この瞬間に意識を戻し、有限である生きた時間を大切にしようというもののようです。

食事中も、今後のコロナの行く末や今後の株価の動向などばかり考えていると、何を食べたのか記憶に残らない、そんな経験はないですか?
たとえ明日までの命と宣告されたとしても、今この瞬間は、生まれた直後の瞬間と同等の価値を持つ大切な生きている瞬間です。

ところが時として不思議な瞬間があります。それはガーデニングしている瞬間です。

先日も、ホウレンソウやニンジン、シュンギクの種を菜園に蒔いていました。意識は確実に数ヶ月先の収穫を思い描いているのですが、同時に今この瞬間、春の日差しの気持ち良さや体を動かす心地良さを心身全体で味わい、今、この瞬間が堪らなく貴重で有り難く喜びに満ち溢れているわけです。数ヶ月先の収穫を望みながら、一方で、たとえ収穫がゼロに終わったと仮定しても、もう既に元は取ったようなそんな心境なわけです。これをマインドフルネスと言わずして何をやマインドフルネスでしょうか。

樹木を育てることはさらに数十年先のことに意識が向いているはずです。金山里山の会の70歳代の会員方々は「この小さなコナラの苗が大きくなる頃は、ワシらもうこの世にはおらんよな。」と、よく口にしながら、でも楽しそうに活動しておられます。この心境もマインドフルネスの状態だと僕は推測しています。

このような数十年先の意識のマインドフルネスとは、自己に囚われず、自己の範疇を飛び出し、自己以外の生命と結びついた、すなわち時空を超えたマインドフルネスのような気がします。

仏道をならふといふは 自己をならふなり
自己をならふといふは 自己を忘るるなり
自己を忘るるといふは 万法に証せらるるなり
万法に証せらるるといふは 自己の心身および他己の心身をして脱落せしむるなり
                                
 道元『正法眼蔵 現成公案』より