One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 非実用的なモノ by T2019/06/19

高橋芳郎著『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』
高橋芳郎氏の著した『アートに学ぶ6つの「ビジネス法則」』はとても面白かった。

たとえば、実用的でないからこそ価値があると感じる人の心の不思議さについて。

発明当初は高価だった自転車も電話機もテレビもカメラもコンピュータも、世の中の実用的な生産物がエントロピーの法則に従ってコモディティ化(大衆化)し、誰もが気軽に安く購入できるようになる中で、実用的価値の全く無いアートだけが価格的に高くなっていく。モノの価格がフラット化、デフレ化する中で、実用的無価値の芸術作品は価格を上昇させている。それは何故か?

その理由を、著者は人間の本源的な精神活動の中に見出します。人間の本源的な精神活動がアートの価値を維持上昇させると考えます。アートの価値を支える人間の本源的な精神活動とは、美しいものを求める活動であり、想像する活動であり、創造する活動であり、要は人間精神の活性化・興奮です。それがアートの価値を上昇させ続けていると著者は説明します。

そのようなアートと人間との関係性から見出された人間の精神的特性を、ビジネスに生かすポイントが本書には書かれています。

話は変わりますが、僕はマラソンが趣味です。周囲からお金を支払ってまで何故苦しいマラソン大会に参加するのか?とよく質問されます。でも巷ではマラソン人口は上昇傾向です。更に世界の主要なマラソン大会は先進国の大都市で行われる傾向があります。マラソンは一見、肉体運動スポーツですが、極めて知的精神活動でもあるのかもしれません。

また、話は変わりますが、僕はサイクリングも趣味です。自転車はコモディティ化により誰もが安価に手に入れることができる生産物になりました。しかし、純粋に自転車に乗ることを楽しむためのスポーツバイクは価格が上昇傾向であり、その人気も上昇傾向です。実用的自転車は安くなる一方で、楽しむといった精神活動のためのスポーツバイクは高くなっています。

今後、次は何がビジネスチャンスとなり得るか?それを考えるのも人間の精神活動でしょうか。