One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 青井谷はバルビゾン村、暮らしをアートに …by T2017/01/04

金山里山の風景2017/01/03
僕はミレーやコローなどバルビゾン派の絵画が大好きです。
神話や聖書など理想化された非現実世界ではなく、森や田園風景、日々の労働の様子など、それまで画題に取り上げられなかった何気ない現実の日常というものに、厳粛で崇高な美を見出した一連の芸術ムーブメント。

画題としては庶民的ですが、今の時代、バルビゾン派の絵画をいざ手に入れようとするならば、庶民価格とは到底言い難いというか、今や金銭で解決するというレベルではない、云わば人類全体の遺産です。そんなアートを身のまわりに飾ることを夢見るなんて正気の沙汰ではないかもしれません。

でもそんな思いは本当に身の程知らずなのでしょうか?
ある日僕はふと思いました。されはバルビゾン派の絵画ではなく、バルビゾン派の画家たちが描いた画題そのものを、自分の暮らしの中で再現すればよいではないかということです。

コローの描いた森や渓谷の風景、ミレーの描いた種蒔きや薪作り風景そのものを、リアリティのある身の周りで再現するということです。それは何も難しいことではありません。すごく簡単とは言えませんが、絵画を手に入れることに比べれば現実的だと思います。

今そこに里山という名の森や田園、そして農作業に携わる人々がすでに存在しています。その存在を再評価し、今よりもちょっとだけ積極的に維持しようとすれば良いのです。荒れかかった里山を間伐・活用を通じて再整美し、手仕事というゆっくりであるが着実な生産性を再認識すれば良いだけなのです。

「暮らしにアートを」でなく、「暮らしをアートに」。
私たちの暮らしはそんな大地に根ざした本気のルネサンス運動(復興運動)に他ならないのだと、本気で自認しています。