One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ フリーダム・トレイル(その2:ワシントン・ダラス空港のユナイテッド飛行機)2017/02/13

2004年8月に私たちは旅行でボストンとコンコードを訪れ、帰国後旅の記録として冊子を作成しました。その文章及び写真を掲載します。

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フリーダム・トレイル:自由への軌跡
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ワシントン・ダラス空港のユナイテッド飛行機

ワシントン・ダラス空港のユナイテッド飛行機

搭乗ゲートのわずかに覗く窓から、ドブ鼠のような、グレーカラーのポッチャリしたユナイテッド・エアライン航空機を、何とか垣間見ることができた。これから自分の全生命を預ける機体に触れることはできなくても、せめてアイ・メッセージぐらいは送ってやりたいと、飛行機搭乗前いつも僕は思う。

おそらく現在、世界で最もセキュリティが厳しい空港の1つであろう、ワシントン・ダラス空港は、不必要なものが一切除かれ、リノリュームの床は鏡のように磨き上げられて、ビジネスマンの靴の裏や鞄の底に貼られているかもしれない不審物まで見逃さないかのように映えて見えた。

僕は以前観たある中国映画を思い出した。それは、かつて中国大陸を史上初めて統一した秦の始皇帝が、自分を狙う刺客の潜む場所がないよう、謁見の間の装飾品を一切排したという設定のものだった。仮想が新たな仮想を生み、それに比例して現実感は薄れ、人間の行動が膠着化し、現実離れしていく。そして見れども見えず、視力さえもやがて消滅するのではないだろうか。若しくはその反対に、あり得ないものが見えてくるのか。まるで裸の王様の実在しない衣服のように。これがかつて自由を旗印にして独立戦争を闘ったアメリカ合衆国の有り様か。そもそも闘争によって自由が獲得されるという精神そのものが仮想現実なのか。

現在のところ、空港の視界がかなり狭まったようだが、隙間から見えるアメリカ産の肥満体マウスは、実在しないネズミ取りを恐れて動けないのであろうか。それとも既にネズミ取りに捕まって、身動きが取れないのであろうか。そこまで僕には見通すことができなかった。



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