■ これこそ里山保全 by T ― 2020/06/14
先日、町内の「江草刈り」が行われました。江草刈りとは水田の用水や畦道の草を刈る作業です。僕は水田を耕作していないことと薪焚き人の会活動が同日にあったことから江草刈りには参加しませんでした。
僕の町内の水田は中山間部に位置し、高低差のある棚田も多くあります。作業効率は決して良いとは言えないかもしれません。何でこんな困難な場所で米作りを・・と思うこともあります。しかし水田を耕作している住民の方々は、過去から続いてきた年間行事としての江草刈りを今年も地道に行なっておられます。
おそらく江草刈りの目的意識としては、良質の米や大豆を育てるためであったり、先祖代々の田圃を維持せねばという思いなのでしょう。
しかし、
結果として、江草刈りは地域の里山保全に貢献していると思われます。むしろ米作りそのこと自体が重要な里山保全になっています。
何故なら水田は、水を蓄え天然のダムの機能を果たし、地面の急激な温度上昇を抑制して気温を調節し、多様な生物を育むからです。
僕などは、里山保全といえば森や雑木林につい目が行きがちですが、立ち返って見れば里山とは里と山のこと。江草刈りのような過去から脈々と続いてきた日常の繰り返し、すなわち農村の年中行事もまた、重要な里山保全活動なのだと改めて思わされます。
毎年の地道な繰り返し作業、これに勝る里山保全の王道はありません。