One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 失われゆく時代に by T2020/08/08

菜園
何かを手に入れる喜びと、何かを失う悲しさとでは、どちらの感情変化が大きいと思いますか?

例えば、ある日10万円を拾い、次の日にその10万円を無くしてしまいました。本来ならばプラスマイナスゼロで10万円を拾う前と状況は同じにも関わらず、悲しさが少し(かなり)残りませんか?

つまり人間は得をする喜びよりも損をする悲しみの方がより激しく感じる傾向があります。これを損失回避性と呼ぶそうです。

退職金をドンと頂いて、それを資金に家を新築したり老後生活に少しずつ切り崩したりして減少していくと、まだ貯蓄が残ってプラスであるにも関わらず、貯蓄額の大小に関わらず、何となく不安で物寂しい気持ちになりませんか?まるでサザエさん現象みたいで、まだ日曜休日にも関わらず憂うつになるのとよく似ていますね。それは貯蓄が消費により減少していく一方で何も生み出さない、且ついつかはゼロになることが確実だからです。自分の寿命がいつまでかという不確実性にも関わらず、蓄えの限界には確実性がある、そのギャップが生み出す不安と物寂しさと言えましょう。

そう考えれば、私たちが臨終の日まで、不安が少なく幸福感を感じながら生きる条件として、デッドストックとしての大資産獲得よりも、ささやかでも持続的にキャッシュフローを生み出してくれる優良資産を獲得することが大切だと僕は考えます。

ではどんな優良資産をどうやって獲得すればいいの?

結論を言わせてもらえれば、それは僕の方こそ教えていただきたいことですし、それは個々人の頭で知恵を絞ることだと考えますが、それでは身も蓋もありませんので一例を挙げます。(あくまで一例ですので)

例えば、里山生活を選択すること。それもできるだけ若いうちに。

固定費とランニングコストの低い里山地域で支出を減らし、薪燃料と野菜等食糧を生産できる住環境資本を獲得すること。僕は20年以上里山生活をしていますが、その経験に裏付けられて、里山生活はささやかでも持続的にキャッシュフローを生み出してくれる優良資産であると確信を持っています。その確信の証拠を述べましょう。

「それは、里山生活をしている現在、これから歳を重ねていくことに楽しさを抱いている自分自身が存在しているから。」