■ 一番辛い仕事 by T ― 2020/02/26
里山生活の中で、僕が最も辛い仕事と認識している仕事の一つは、薪置き場から薪小屋へ薪を移動させる仕事です。
薪置き場とは割った薪を乾燥させるための単管パイプでつくった屋根付き保管場所です。ここで割った薪を約2年間乾燥させます。
薪小屋とは家に隣接した薪保管場所です。家を建ててもらった宮田建築さんに造作してもらいました。薪小屋にはそのシーズンに燃やす薪を積んでおき、そこから毎日燃やす薪を室内に運び入れます。家からの動線が最も短いのが薪小屋です。
できるならばひとたび積んだ薪を移動させなくてもよいのが理想的ですが、家から雨雪に濡れず薪を素早く取りに行くことができ、かつ日当たりの良い場所を広く確保するのは条件として厳しいものがあります。よって我が家では薪を乾燥させる場所と、使用する薪をストックしておく場所を分けています。
ところで文豪ドストエフスキーは『死の家の記録』の中で述べています。ちなみに『死の家の記録』は実際ドストエフスキーが牢獄に収監されていた時の記録です。
桶の水を別の桶に移したり、土の山を別の場所に移し再び元の場所に戻すといった刑罰ほど辛いものはないと。レンガ作りや漆喰塗りといった懲役仕事には意味があるが、意味の無い労働は拷問に等しいと。
我が家の薪移動は意味が無いわけではありませんが、精神的に結構しんどい作業です。何せ1シーズン分の薪は軽トラックで10往復くらい運ばねばなりませんから。かつて軽トラックを所有していなかった時は全て一輪車で運んでいました。
薪を移動させないと新たに割った薪を薪置き場に積むことができません。意を決して昨日からこの辛い薪移動作業を開始しました。今移動させている薪を燃やすのは来シーズンです。