One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 労働価値を高める働き方 by T2019/09/06

里山の朝
かた苦しく、しかも古くさいと指摘する人もいましょうが、敢えて述べたいと思います。(僕は古く時代遅れだとは全く思いませんが。)

『資本論』の話です。ご存知、カール・マルクスの19世紀の著書です。

革命の話ではありません。ここではあくまで働き方の話です。

『資本論』によれば、資本主義社会においてただ単に自分の労働力(労働時間)を差し出しその代償として報酬賃金を受け取るだけの生き方は、損益差し引きすれば必然的にマイナス損に落ち着くとされます。どれだけ労働時間を増やしても、またどれだけ時給を高めても、自分が労働力を回復し得るための必要経費を受け取るだけにとどまり、結果マイナスとなりうると『資本論』には書かれています。つまり労働者は受け取る報酬賃金以上に多く働き、そこで生み出された剰余価値を資本に搾取されるという構造です。そうしなければ資本主義社会は存続していかない必然性というわけです。詳しくは原著を読んでみてください。

ではどうすれば自分自身のマイナス損を減らし、自身のプラス益を獲得できるような働き方ができるのでしょうか?

1つの方法として、報酬賃金だけでなく労働内容・労働経験そのものが自分の労働価値を高める働き方をするという方法です。つまり自分のキャリアを高める働き方をするということです。

ところで昨日、金山里山の会の活動がありました。森の中で薪用の原木を伐り出すという作業内容でした。この日伐り出した原木は地域の由緒ある櫛田神社に納め、来年初詣用のかがり火薪となります。僕は気を引き締めて樹木を伐りました。

木を伐る労働経験はそう簡単に誰でも経験することはできません。森林講習会に参加してもほとんど経験できません。経験するためにはそれを生業とするしか方法はないでしょう。ところが金山里山の会の活動に参加すれば生業にすることなく、ひと月に数日定期的に経験することができ、しかも経験者に教わりながら安全に技術を習得できるわけです。さらに有難いことにボランティアでなく日当が支給される賃金労働なのです。

僕が今後将来的に、持続可能な本格的薪ストーブ生活を維持していくためには、樹木伐採技術という労働価値は極めて有益なものです。さらに薪ストーブはただ単に趣味に留まりません。温帯日本富山に住む人間として暖房は生存していく上で誰もが必要不可欠なファクターです。そんな必要不可欠要素を自産自消できるわけです。

自分のキャリアを高め労働価値を高めることによって、損益差し引きをプラス益にすることができれば、それは全体として自分個人の生活の質を高め、さらに地域社会への貢献につながると考えます。