One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 本物のナスの話を by T2020/05/01

千両ナスの苗
写真は昨日植えた千両ナスの苗。接木はしてありません。非接木・非化学肥料でナスを育てるとするならば、同じ場所での連作は不可能。特にナス科の植物は最も連作障害が強く、4年ほど間隔をあけねばなりません。本物のナスは如何に貴重な野菜か改めて思い知らされます。

今年植えたナスの場所は、来年から果樹園に移行予定。新たに広げた菜園でナスを作る予定です。

今年はどんなナスが収穫できるでしょうか、楽しみです。今年収穫されるであろうナスは次世代に残すことはできません。今年食べて終わるだけです。しかし、出来る限り本物のナスを作ろうとする経験は次世代に伝承していくことができるのではないか、失敗もたくさん経験しながら試行錯誤中です。「ナスを育てる」という表現なんて分不相応。まだまだ「育てている」レベルにありません。

本物のナスの話を一緒に語り合え、更に多くの知恵やノウハウをお持ちの方がいらしたならば、是非教えてください。

■ 気合が入る by T2020/05/02

ヤエヤマブキ

最近、我が家の前の道路を歩く人が増えました。特に小さな子どもがお婆ちゃんやお爺ちゃん、お母さんやお父さんと一緒に歩いています。

里山道は、コロナ対策としてとても有効、とても安全、とても健康的です。
里山道は、抗ウイルス予防薬です。

昨日、小さな女の子がお母さんと一緒に我が家の前を歩いていました。道沿いに植栽されたヤエヤマブキが只今盛り。黄色い花を見かける度に立ち止まって眺めてくれていました。

道路の反対側の菜園には鯉のぼりがとても良い感じで泳いでいました。

これだけ楽しんでもらえると、今年の初夏は例年にも増してガーデニングに一層気合が入ります。さあ、今日も草取りに精を出すぞ!

■ 今こそ地域の出番2020/05/03

里山の道
金山里山の会には交流部会という組織があります。里山の魅力を子ども達や地域外の方々に発信する役割を担っています。

先日、金山里山の会の会長さんと交流部会長さんが、子ども達に作文を募集しようという企画を提案されました。

学校が休業中の今こそ、地域教育、ふるさと教育の出番。家庭・学校・地域が一緒に支え合って子ども達を育てていこう!そんな気概にとても感動しました。

金山里山をテーマにした作文を募集して賞品も用意、賞品は貰った人だけが頂いても良いわけですが、例えばアイスクリーム券などにして自由意志で他の人にもお裾分けできる形にすればどうか、といったアイデアも提示されました。

富山県射水市金山地区は、太平洋戦争中の疎開先として東京の猿楽小学校生を受け入れ、地域で子ども達を支援した歴史があります。現在も猿楽小学校と金山小学校は交流を行なっています。学校の困難な時こそ地域の出番。先人の心意気が今も受け継がれているような気がします。

そういえば先日、金山里山の会の会長さんがお孫さんとジョギングをしているところを見かけました。家族の出番です。

■ 採れたての山菜、廉価で購入できます! by M2020/05/04

昨日の朝、金山里山の会の会長さんが山菜を持ってきてくださいました。
『MT. KINZAN」の山菜詰め合わせです。 KINZAN=金山(かなやま)
「Mt. KINZAN」の山菜
左から時計回りに「こしあぶら こごみ たらのめ」そして、ぎょうじゃにんにく。

400gで1,500円(税込)とは採算がとれているのか心配になります。送料を入れても2,500円〜3,000円程度と超お買い得です。二人暮らしの我が家では1週間ずっと山菜の天ぷらができそうな量です!


山菜の天ぷら(100g分)
早速、天ぷらにしてLunchにいただきました。ちなみに写真は100g分の天ぷらです。昨日のお昼は山菜の天ぷらの他に、手打ちうどんと黒豆おこわ。すべて頂き物でした。みなさまに感謝!

景気の後退、経済がマイナス成長になるなど新型コロナウィルス 感染拡大に伴う経済への影響がニュースで声高に叫ばれています。一方で里山の営みはいつもとおなじ、いや、いつも以上に活発になっているような感じです。

街中にお住まいのお向かいさん、4月中旬から新型コロナウィルス 感染拡大防止対策のため交替勤務になったとのことで、学校がお休みになっている娘さんと一緒に畑作業や作業小屋作りにちょくちょくお越しになっています。

里山の水田では例年通り田植えが始まりました。朝夕とご近所の農家の方が田圃の水の管理をされています。

小さなお子さんを連れたお母さんやおばあちゃんが散歩がてら我が家の方まで来てくださいます。以前は日中、家の近くで歩く人の姿を見ることは滅多になかったのですが…。

何が平常で何が異常なのか「ここ」にいると分からなくなります。

それはそうと、「MT. KINZAN」の採れたての山菜にご興味を持たれた方は「MT.  KINZAN」のサイトをご覧ください。金山里山の美しい画像もご覧いただけます。



■ 生産性の向上とポスト・コロナ by T2020/05/05

D.I.Y.

以前から、日本は労働時間の割には生産性が低いことが指摘されてきました。仕事が無いにも関わらず勤務時間まで職場にいなければならなかったり、とりあえず横並びで働いている(フリをする)ことに価値を置く傾向が強い国民性です。

コロナ対策としての外出自粛や交代勤務によって労働時間が減少していますが、もしも、労働時間が減少しても生産性がそれほど下がらないことが証明されれば、今後日本の働き方スタイルが変わるかも知れません。

先日のブログで妻も書いていましたが、お向かいさんの土地では、街中に住む持ち主が家族と一緒に畑をしたり作業小屋を建てたりして時間を有効活用しておられます。とても嬉々として楽しそうに活動しておられます。

近隣ではウッドフェンスを自分で塗装したり垣根をバリカン剪定したりする人を見かけるようになりました。巷ではガーデニングや野菜作りがにわかブームにもなっているようです。コロナのおかげでD.I.Y.真っ盛り。

自分の時間を主体的にマネジメントし、自分の人生を自分の価値観に従って構築していく人間が適応していく時代、そんな時代がようやく日本でも到来するような気がします。

職業は人生のあくまで一部であり、職業も含めて人生全体の生産性を上げる。そんな人間がポスト・コロナ時代を生き抜くのかも知れません。

■ 自粛警察と北條民雄 by T2020/05/06

シャクナゲ
久々の雨降り。菜園の苗達も嬉しそうです。連休前半は好天に恵まれ日焼けしました。日焼け顔して「Stay homeしてました」と言っても誰も信じてくれません。日焼け顔で街中に行くと「自粛警察」に告発されるかも。「自粛警察」とは今インターネット上でコロナ感染者等を誹謗中傷している市井の人間です。

ところで、北条民雄(1914〜1937)という作家をご存じですか?ハンセン病を患い、隔離生活を余儀なくされながらも川端康成に認められ、自身の実体験に基づく小説『いのちの初夜』(1936 第2回文學賞受賞)を残した文学者です。

北条が川端に送った書簡にはこんな一説が書かれていました。
「僕には、何よりも、生きるか死ぬか、この問題が大切だったのです。文学するよりも根本問題だったのです。生きる態度はその次からだったのです。」
「人間が信じられるならば耐えていくこともできると思います。人間を信ずるか信じないか」

ハンセン病も感染病です。ハンセン病は感染力の極めて弱い感染病です。更に現在は完治しうる感染病です。しかしながら、社会の無知、誤解による差別や人権侵害が長らく行われてきました。

小説『いのちの初夜』には、主人公が夢の中で発した台詞があります。
「ころされるう。こ ろ さ れ る う。他人(ひと)にころされるう。」

夢の中のセリフが現実とならないことを願うばかりです。

■ 「新しい生活様式」なるもの by T2020/05/07

食卓からの眺め

最近推奨されている「新しい生活様式」なるものの中に、食事は対面でなく横並びで座ろうという項目があるそうな。

朝食、昼食において、我が家ではずっと以前から夫婦横並びだった。何故なら二人で気持ちの良い里山の風景を眺めながら食事をしたかったから。写真は朝食時、僕の視界に入っている風景です。

日没してからの夕食は、暗い外を眺めても面白くないので対面で食事してますけど。でもアフターディナーのコーヒー&デザートは、横並びのソファーに座って薪ストーブの火を眺めながら。

更に「新しい生活様式」なるものには、大人数での会食は避けてという項目もあるそうな。里山に住み始めてから、大宴会なるものは極力避けてきた。外で飲んだら帰れなくなるから。タクシーや代行に出費するくらいなら、家で美味しいお酒を二人で飲んだ方がお得。

「新しい生活様式」なるものは、里山生活に追い風。

■ 1ヶ月巡って見事な満月 by T2020/05/08

タケノコ掘りが始まって1ヶ月経過した。

4月6日に初物を収穫してから昨日5月7日までの32日間。2日に1回のペースでタケノコ掘り。朝昼晩3食全てにタケノコ料理、合計94食連続で食べ続けた。(今日も食べる予定) その間、一食たりとも外食無し、テイクアウト無し。まあコロナ自粛もありますけど。

タケノコの刺身、煮物、天婦羅、炒め物、タケノコご飯、味噌汁の具にタケノコ、炒飯の具にもタケノコ入り、おにぎりもタケノコご飯のおにぎり。ステーキの付け合わせにタケノコを使い赤ワインを飲んだことも。毎食変化を持たせながら妻が調理してくれた。全く飽きることが無い。

そんな調理の手間以上に感謝しているのは、僕がタケノコを掘って帰宅した直後、極力短時間に妻はタケノコの皮を剥いて下茹でし、水に浸して冷蔵庫に入れる作業を、隔日で合計16回続けてくれたこと。

タケノコは鮮度が重要。竹藪内にて僕は掘ったタケノコを即、紙製の米袋に入れ日陰に置いておく。それは掘ったタケノコを風に当てないため。帰宅して即妻が下茹でアク抜き。ここまでの時間が短ければ短いほど良い。

古人は言う「タケノコも含め、山菜は山が恋しく山に帰ろうとする」。だから一夜明けて何の処理も施さなかったら品質は急落。どんなに忙しくとも調理人は先ず山菜処理を優先。

写真は、今シーズン我が家で食べたタケノコの皮。菜園で堆肥となる。もうすぐシーズン終了。自然の恵みに感謝。
タケノコの皮

満月
タケノコの皮の写真はビジュアル的にイマイチなので、昨晩の満月の写真も併せて載せました。



■ 雑草クラスター by T2020/05/09

レンゲ草
連日ひたすら除草作業しています。

ヒメジョン、ヒメオドリコソウ、カラスノエンドウ、コメツブウマゴヤシなどの逞しい雑草達は、花を咲かせ種を飛ばすと大繁殖、雑草クラスターが起きる前に今のうちに抑制。

出来るならば鎌を使った手作業で根こそぎ取り除きたいところですが、庭、菜園、雑木林全ての地面を手作業というのはほぼ不可能。植栽際は手作業しますが、草刈機が入るところは主としてロープの草刈機を使用します。

最も手間と時間のかかる箇所は、残したい植物群の中に雑草が侵入しているような箇所です。例えば、残したいレンゲ草の群生の中にオドリコソウやヒメジョンなどの雑草が侵入して濃厚接触していると、一本一本雑草を手で取り除いていかなければなりません。

「今が踏ん張りどころ、気を抜くと一気に広がります。」
・・・ん?なんか、最近よく聞くフレーズだなあ。

■ 全会不一致なガーデニング by T2020/05/10

ミヤギノノハギ
ナチス・ファシズムによる大きな被害を受けたユダヤ人の国イスラエルでは、全会一致で賛成された案件は採択されないというルールがあるそうだ。何故ならば、世の中には多様な意見や考えがあるのが正常であり、全く反対意見が無いという状況は正常でない、何らかの圧力や作為的な力が働いたのではないかと認識するわけだ。

ところで、自分の周りを見回してみると、全会一致、満場一致を美徳とする空気があるように思える。そんな空気の強い日本ではやっぱりねと言うべきか、自粛要請に自由意志でもって従わない人間を排除したり脅迫したりする社会圧力が最近見られる。正直言って、コロナウイルス以上に全体主義的社会の方が僕には遥かに恐い。

自粛要請とは自粛要請であり、決して自粛強制ではないはず。

全会一致の違和感を持ち続けるために、全会不一致が何となく心地良く感じられるように、今日の庭の草取りは、ほどほど雑草が残っていても良しとしていこう。