One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ 法隆寺は四神相応の地に建つ by T2017/03/10

仏とは何か?
住む土地を選ぶ際、法隆寺から学んだことの一つに、四神相応の地がありました。

東に清流があれば青龍神に守られる。
南に沼沢があれば朱雀神に守られる。
西に大道があれば百虎神に守られる。
北に山があれば玄武神に守られる。

四神相応の思想自体、中国伝来の思想で法隆寺がオリジナルではありませんが、世界最古の木造建築である法隆寺が四神相応を意図して建てられ、それが今でも建ってることは大きな説得力を持ちました。風水と言ってしまえばそれまでですが、四神相応の思想には自然に逆らわない合理性を感じます。東から南にかけて土地が低くなれば午前中の日当たりが確保されます。北に山があれば冷たい北風を防ぎます。私たちもそんな四神相応の地を探しました。

富山県は北に海、南に日本アルプスといった場所にあります。つまり北上せず南上します。よって四神相応には厳しいのが現実ですが、探して見つからないわけではありません。

とはいえ現実の世界は理想の世界と異なります。現実を生きるとは折り合いをつけていくことと代替手段を考えていくことが重要だと思います。

今回の法隆寺釈迦三尊像の再現プロジェクトは、唯一無二の文化遺産が抱える保存と公開といった相対立する問題についての一つの解決策と感じました。保存を優先すれば遺産公開が制限される。公開を優先すれば保存を危険に晒す。門外不出のオリジナルと文化的価値及び美の公開を担うレプリカ。

そもそも文化的価値とは何でしょうか?美とは何でしょうか。その問いを僕は「仏とは何でしょうか?」という問いに置き換えてみました。

仏とは何か?仏とは真理である。真理とは何か。真理とは知恵である。知恵とは何か?知恵とは人々の力の結集である。

高岡市の鋳物師、南砺市井波の木彫師、現代のデジタル技師、各種美術家等々の力の結集が仏像に真の魂を入れるのではないでしょうか。

法隆寺宮大工だった故西岡常一氏の言葉で締めくくります。

ただ古いのがええんやったら、その辺の土や石の方がよっぽど古い。人間が知恵を出してこういうものを作った。それがいいんです。

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