One’s Way[ワンズウェイ]のブログでは、里山暮らしのあれこれを綴ります。ヘンリー・ デイヴィッド・ソロー の影響を受け、エシカルな暮らしを追求中。薪ストーブを暮らしの核とし、菜園、ガーデニング、サイクリング、ランニングなどを楽しんでします。

■ どこに行けるかではなくて、どこにいるか by T2017/11/11

銀杏を焼く
妻の実家から頂いた銀杏を、薪ストーブの天板で焼きました。30分もしないうちに香ばしく焼き上がり、殻を割って頂きました。

コンビニエンスストアやドラッグストアなどで手軽にスナック菓子が手に入らなかったかつての時代、今の季節ならば柿や銀杏などを拾ってきて家族団らんのお供にしていたのでしょう。

24時間営業のコンビニが氾濫している現在とはいえ、里山生活の我が家の場合、近くにコンビニもお店もありませんから、手軽にスナック菓子が手に入らない点に関しては同じです。

でも、暮らしのベースを決定するということは、どこに住むかということです。それはどこに行けるかではなくて、どこにいるか。どこに行きたいかではなくて、どこにいたいか。そういうことです。

暮らしのベースを決定するという極めて重要なミッションを、手軽なスナック菓子なんかによって安易に決めることは、僕には断じてできませんでしたし、今でも絶対にできません。

と、仰々しく言ってみたものの、我が家One’s Wayは一番近いお店まで、たった2キロ弱です。

昔の人が聞いたら、大笑いされそうです。

■ デルフォニックスの新しい手帳 by T2017/11/11

デルフォニクスの手帳
11月も中旬、この時期は僕にとって新しい手帳に更新する時期です。2018年の新しい手帳にタスキを渡す。ちょっと早いんじゃないの?と思われるかもしれません。いやいやそんなことはありません。現代は高速情報化と高速移動化社会。先んずれば人を制す。人よりも1秒でも早く起動し素早くトップスピードまでもっていくことが肝要。早起きと手帳のフライングスタートは三文の得です。

2018年の手帳は既に8月に購入し準備していました。手帳はデルフォニックスのB6版手帳と決めています。迷いやブレは出遅れの原因になりますよ。

手帳はただ単に予定に関する備忘録ではありません。過去の記録、データのアーカイブとしても重要です。紙データは、記録を掘り起こす作業にとって、僕には有効です。

写真は2007年から途切れることなく続いているデルフォニックス・データベース。One’s Wayの10年間に及ぶ金山里山生活が保存されているのです。

歴史を忘れた民族は滅ぶ。 A.トインビー

■ イノシシ対策用の柵が完成間近 by M2017/11/12

完成間近、イノシシ対策用の柵
一昨年の夏に初めてイノシシ被害に遭って以来、イノシシの侵入に悩まされ続けていました。

一昨年は菜園が被害にあい、夫は冬の間に単管パイプと木製の板とで菜園の周囲を囲みました。その甲斐あり、以降菜園でのイノシシ被害はありません。
http://onesway.asablo.jp/blog/2017/01/07/8309864

昨年の夏、今度は庭にイノシシが侵入し百合根を根こそぎ掘り上げられて食べ尽くされてしまいました。夫がとった対策は「ししがき」でした。近所の竹やぶから切り出した竹を地面に打ち込み、庭の萩の枝で竹と竹の間を編みました。その後、1年はイノシシ被害はありませんでした。
http://onesway.asablo.jp/blog/2017/01/09/8311831

ところが、今年の6月末に再び庭にイノシシが入り込み、昨年に引き続き、百合根が被害にあいました。その後も、何度か侵入し、椿の苗木を倒されたり、栗を食べられたりと「ししがき」での対策の限界を思い知ることとなりました。
http://onesway.asablo.jp/blog/2017/06/29/8606387
http://onesway.asablo.jp/blog/2017/09/14/8676852

そこで、夫は考えました。その柵がようやく完成を迎えそうです。

材料費は10万円弱。コストパフォーマンスが高く、性能も確かで、耐久性のある柵になったのではないかと思います。

亜鉛ドブ漬けの単管杭を40本打ち込み、1本の杭につき2個、計80個のクランプを取り付け、そこに半分に切ったガルバリウム鋼板を針金で取り付けたものです。

材料費の内訳は以下のとおり
亜鉛ドブ漬け単管杭  1,500円×40本=60,000円
クランプ 150円×80個=12,000円
ガルバリウム鋼板 900円×20枚=18,000円
ステンレス製針金

さらに、杭を抜けば移動もできます。

お世話になったのは「コメリ」です。近郊には「カーマ」、「ムサシ」、そして「コメリ」、3つのホームセンターがあるのですが、亜鉛ドブ漬けの単管杭とシルバーのクランプを取り扱っていたのは「コメリ」だけだったとのこと。

夫の情報収集力とアイディアには恐れ入っています。おかげで9月中旬に被害にあって以降、庭へのイノシシの侵入は認めまれません。

■ TAD富山県美術館コレクション展とビエンナーレとやま2017 by M2017/11/12

6月29日、TAD富山県美術館のプレオープン時に訪れて以来2回目のTAD訪問でした。今日はビエンナーレとやま2017の第4期ギャラリートークとも重なり、楽しい1日を過ごすことができました。

8月26日の本格オープン以来大変混雑しているという噂でしたが、企画展がない今日は比較的空いているのではないかと目論んでの訪問でした。また、富山県立近代美術館のコレクションが好きでしたので、それを存分に見られるという期待もありました。

さらに、ガラス造形作家の本郷仁さんがビエンナーレとやま2017の第4期に出展中でギャラリートークもされるとのことでしたので、今日はTADに行くべき日だったのです。

結果は、期待以上の1日となりました。

べルナール・ビュッフェ 闘牛士


マッキントシュの椅子


モンドリアンの椅子
大好きなビュッフェの作品展示があり、椅子のコレクションも満喫できました。マッキントシュの椅子にはイギリスデザインのモダンさを、モンドリアンの椅子には我が家のカラーコンセプトとの一致を感じました。

TADコレクション
実際に座ることができる椅子もあり、贅沢な時を過ごせました。

さらにその後、ビエンナーレ2017のギャラリートークを拝聴。本郷仁さんの作品には分かるという行為と曖昧さとの狭間で感じる何とも不思議な感覚を味わいました。

富山県美術館は富山の誇り。コレクションだけでも、現代美術が好きな私たちにとっては時間がどれだけあっても足りないくらいの展示内容でした。

近いうちにもう一度行くことになりそうです。

■ manimaniが我が家に by M2017/11/13

昨日の夕刻、TAD富山県美術館で開催中のビエンナーレとやま2017のギャラリートークを終えた本郷仁さんが我が家へお越しくださいました。

そして、18日(土)、19日(日)に開催するOne’s Way- それぞれのあたりまえ -に展示する作品の一部manimaniの雲を設置して下さいました。

manimani
manimaniは2013年の秋に本郷さんが富山市のギャラリーNOWさんで開かれた個展で展示された作品群です。今回はそのミニ版の展示となります。風に揺れるがままの揺らぎ、反射光、映り込みを楽しめます。

9日(木)に下見に来ていただいてから、設置用のボードを作成、光源を設置するための木材を用意、そして現場でコードの長さを調整して設置完了でした。

本郷仁さん作業中

光源の準備中、本郷仁さん

ここまでやってくださる本郷さんに改めて感謝です。イベント当日はmanimaniの雲のほか、太陽と月も設置される予定です。お天気が気になりますが、どんな天気になっても本郷さんの作品を楽しめることでしょう。

さらに昨日は、加積窯の濱元丈二さん、タウの木の中村ヨウイチさん、bam chopsの早川さんの作品も届きました。今日は什器を設置して大まかに作品をレイアウトしてみる予定です。

■ ガルバ垣は里山のインスタレーション by T2017/11/13


南西側ガルバ垣

北東側ガルバ垣
昨日の記事で妻が書いたように、今日ガルバリウム鋼板製のシシ垣が完成しました。実用性と耐久性、耐風性、メンテナンスフリー、対費用効果、対労働効果を考慮してたどり着いた結論が、亜鉛ドブメッキ単管杭&ガルバリウム鋼板によるシシ垣。

ガルバ鋼板は高さが65センチと少々低め。その問題を解決するため半分に切断し15センチの空間を開けました。それによって高さを80センチに上げることができ、かつ隙間を風が逃げることによって耐風性もアップさせました。ガルバ鋼板の固定は、銀メッキクランプおよびステンレス針金(1.2ミリ)。

以上により冬季雪の中でも設置したままにしておくことが可能と考えています。

ただ最も気になったのは、有機的な自然の中に突如として出現した無機的インダストリアル風景。里山の風景を壊しはしないかということです。補強も兼ねて割竹のシシガキもそのまま残しましたが、やはり自然の中の異形感は払拭できません。

それならばいっそのこと、ガルバシシ垣をインスタレーション(制作者が意図的に空間を変化、異化させ空間全体を作品化すること)と認識すれば良いのではないかと考えました。幸い、母屋の屋根はステンレス瓦棒、玄関アプローチの橋および門扉も亜鉛ドブメッキのスチール製。それに比べてガルバ鋼板は若干軽薄に見えないこともありませんが質感としてそんなに違和感はなく、また軽さを軽妙さに活かせば良いと思います。母屋は高床の構造のためツリーハウスもしくは水面に浮かぶボートハウスのごとく視覚的に軽量感が特徴です。よってシルバーガルバリウムの軽さとマッチしていると思います。

「ん?何か見慣れない風景だな、何だろう??」そんな印象を持ち、思わず注視せざるを得ないとなれば、それは僕にとって大成功というわけです。

最近、イノシシ用の電気柵や恒久設置のフェンスをよく見かけるようになりました。でもよく聞いてみると、行政の補助金に頼ったり頼ろうとしたりといった実態が僕には見えてきました。確かに農家にとっては大変なことだとは思います。

一方でこんなアーティストも存在します。それはクリスト&ジャンヌ=クロード。
彼と彼女は自力で北カリフォルニアの農場に約40キロの布製フェンスを作り上げました。この作品は『ランニング・フェンス』と言います。

彼らは言っています。
「アイディアを出すことはさほど大変ではない。難しいのはそれを実現することだ。」

何億もの制作資金を行政に依存せずスポンサーの出資に頼らず、クリスト&ジャンヌ=クロードは自らの作品販売によって稼いだ資金のみで『ランニング・フェンス』を作り上げたそうです。

「自力で実現するリアリティー」(糸井重里の言葉)の凄さを物語っています。

追伸:作品『ランニング・フェンス』(実物ではなく写真アート)は、富山県美術館のコレクション作品として所蔵されており、現在展覧中です。



■ パレスホテル東京とは天と地の差があるれど… by M2017/11/14

林さんの干支シリーズ
昨日の午後、大寺幸八郎商店さんの幸太さんが週末に迫ったイベントに展示する作品を持って来て下さいました。大寺さんは2015年春のイベントにご協力くださっています。

bue-due製作の富山県産の杉が材料の棚に幸太さんの従兄弟、林悠介さんデザインの作品の干支シリーズ他、可愛い作品たちが並びました。

干支シリーズのきっかけは美大を卒業されたばかりの林さんとの「オリジナル作品を何か作りたいね」という会話からから始まったとのこと。残りはイヌとイノシシだけになったことに感慨深げでした。

林さんは納得できるまで妥協されないそうです。ですので干支の置物の完成が年を越すこともあるそうです。今はネズミから今年の干支のトリまでが揃っています。来年の干支のイヌの置物ができるのはいつになるかは???とのこと。

ところで、昨年末に東京へ行った折、たまたま立ち寄ったパレスホテル東京のホテルアーケードに高岡を代表する鋳造メーカー「能作」さんのショップをみつけました。お店をのぞくと何と能作さんの商品に混ざって、林さんの干支シリーズの動物たちがちょこんと鎮座してるではありませんか!お店のスタッフさんによると外国人観光客に干支シリーズは人気が高いとのこと。

パレスホテル東京とOne’s Wayとでは、天と地ほどの差があり比較などできませんが、並んでいるのは同じ作品です。ちょっぴり誇らしい気分になります。

2015年春のイベントについてはこちらをご覧くださいませ。
http://www.ne.jp/asahi/ones/way/event.html#ev_15s

大寺幸八郎商店さんについてはこちらもどうぞ!
http://www.ne.jp/asahi/ones/way/recommend.html#rec_otera

■ 庭は負の遺産か? by T2017/11/14

庭の中にある家
昨日の貴重な晴れ間、週末One’s Wayのイベントに向けて駐車場の草刈りも終了しました。

話は変わりますが、最近僕の周りで庭を消去・縮小又は庭木の除去を行う動きを見たり聞いたりします。その理由を尋ねると、維持管理とお金のかかる庭を次世代に残すことは憚られるということみたいです。庭を負の遺産として認識されているのでしょうか。親自身が庭を負の遺産と認識しているのか、子が庭を負の遺産と認識しているのか、はたまた両者とも負の遺産と認識しているのか、定かではありませんが。

それに関しては人それぞれですから、僕には全く意見はありません。僕自身に関しては庭を正の遺産として認識しているので、体が動く限りガーデニングしていくつもりです。

One’s Wayの庭はコナラやリョウブ、ソヨゴ、エゴノキ、ヒサカキ、アカメガシワ、ヤブニッケイなど里山に自生している雑木が中心の庭なので、私たちの寿命が尽きた時は周りの里山に同化していけば良いと思っています。庭造りの当初から里山に帰っていく意図を持って造園してきました。

我が家の場合、庭付きの家というよりは庭の中にある家と僕は認識しています。その証拠に我が家の建ぺい率は10%を下回っています。小さな家だからこのような数値になっているわけですが、それでも10%を下回るとどう見ても庭が主で家が従です。結局私たちは庭に住んでいるわけです。我が家の屋号がOne’s Wayなのもお分かり頂けるでしょう。雑木林の小径脇の四阿(あずまや)に私たちは暮らしているのです。だから住まいはテントでもキャンピングカーでも良いのです。家に住むのではなく庭に住んでいるのです。

僕の実家には土の地面があまりありませんでした。土の地面を求めて里山の土地を手に入れました。

■ bue-dueの一輪挿しにヒオウギのドライフラワーを by M2017/11/15

bue-dueの一輪挿し占い!?
写真はbue-dueの一輪挿しです。週末のイベントに向けて並べてみました。庭で自然にドライフラワー化していたヒオウギとアナベルを入れてみました。

bue-dueの一輪挿しはシンプルです。ブロック状の木材にガラス管が入れてあるだけです。ですから楽しみ方は自分次第という点が面白いと思います。

面によって木目は千差万別ですから、見せる面によって表情が変わります。4つの一輪挿しの並べ方でも雰囲気が変わります。

今日は横一列にしてみました。イベント本番まで、色々と試してみるつもりです。その時の気分で、しっくりする並べ方が変わるような気もします。

一輪挿し並べ方占いができるかも!どなたか試してみませんか?

■ ガーデンは守られた楽園 by T2017/11/15

ガーデンは守られた楽園
ガーデン(garden)とは、古代ユダヤ語のGar(囲う)とEden(楽園)が結びついてできた単語だそうです。つまり庭は囲われ守られた楽園という意味なのです。

本格的に庭造りを始めた10年ほど前、敷地の境界をあえてぼかしたものにするために、何となく石を配置し、ここら辺が境界なのかな?といった線引きをしました。
ガッチリとした塀や垣根を作らず、知らず知らずのうちに里山の風景に溶け込んでいくのを目指しました。法的な敷地の境界杭はしっかり打ってもらいましたけど。

ところが最近イノシシによる穴掘り侵害を受け、これは何とかしなければとシシガキを設置し始めたのは、以前記事にしました。

イノシシも生きるのに必死なわけで、何も嫌がらせで庭を荒らしているわけではありません。また、ガッチリと柵をすると野ウサギやリス、タヌキ、キジといった小動物の訪問もシャットアウトしてしまうことになります。とても悩みました。

そこで浮かんだのは先述のガーデンの語源です。庭は守られていなければならない。たとえ自然風、雑木の庭であったとしても庭は周囲の自然とは異なります。そこには人間の手で運命に操作が加えられた生命が存在しています。庭には少なくともフェンダーが必要だと。

室生犀星の著書『日本の庭』にこんな記述があります。
「私は最近庭には木も石もいらないような気がし出した。垣根だけあればいい。」「垣根と土とを見ていて十分に満足するかも知れぬ。」

数万年後、恒久的とはいえガルバリウムの柵も消滅し、何となく置いたような石だけが残る。数万年後、現生人類が生存していると仮定して彼らがその石を見て人間の営みらしき形跡を発見する。

過去の生命も家も土に還り、囲いだけが残る。否、囲いらしきものだけが残る。これがガーデンつまり囲われ守られた楽園の極致なのかもしれません。